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2013年1月

2013年1月 2日 (水)

Bill Baileyとプロト・ブルース(3)

戦前ブルースのディスコグラフィ,Blues & Gospel Records 1897-1943を見ると,Bill Bailey, Won't You Please Come Home?の古い録音としてピート・ハンプトンのものが出ている.ピート・ハンプトンというのは1871年ケンタッキー生まれの黒人芸人で,1903年英国に渡ると,1911年まで,ヨーロッパでかなりの量の録音を残している.録音したものの多くはクーン・ソングのようで,レース・レコード以前に録音した黒人アーティストということで,珍しいには違いない.

ピート・ハンプトンかあ,リイシューがほとんどないから聞けないだろうな,と思っていた.ところが,1904年録音のBill Bailey, Won't You Please Come Home?がCD,From Ragtime To jazz Volume 3 1902-1923, CBC 1-070で出ていた.ハンプトンはハーモニカを吹くし,バンジョーもできたようだが,ここでは歌に専念している.伴奏はラグタイム・ピアノだけで,途中,泣きまね入りの語りも入って,ハンプトンの芸の様子が多少なりとも分かる.

このハンプトンの録音は,だいたい楽譜に忠実と思われる.Won't you come home, Bill Bailey...というコーラスの部分は戦後に録音した連中と同じだが,最初の12小節の構成の部分も歌われる.ミュアのLong Lost Blues, University of Illinois Pressを見ると,この部分に関し,Frankie And Johnnyとはコード進行の点でもメロディの点でも全然違うけれど,The Ballad Of Boll Weevilとは共通点があるとしている.まあ,聞いた感じでは,よく分からないのだけれど.

もう少し古い録音としては,ボブ・ロバーツという白人歌手が1903年に録音したものがカリフォルニア大学サンタバーバラ校のアーカイヴで聞ける.

Long Lost Bluesを見ると,ヒューイ・キャノンが楽譜として出版した曲の中では,1901年のYou Needn't Come Homeとか1904年のHe Done Me Wrongとかにプロト・ブルースの特徴が顕著なようだけど,この辺は有名でないとみえて,録音を聞いたことがない.

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