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2012年12月24日 (月)

Bill Baileyとプロト・ブルース(2)

ヒューイ・キャノンのBill Bailey, Won't You Please Come Home?という歌だけれど,昔の楽譜を次のところで見ることができる.

http://library.duke.edu/rubenstein/scriptorium/sheetmusic/n/n09/n0971/

この,表紙を見ると,いかにもクーン・ソングという雰囲気だ.クーン・ソングは,ラグタイム時代の,もともとは黒人の生活習慣を誇張してバカにして笑いをとる,みたいなジャンルだったのが,やがて黒人にもコミカルな内容が受けるようになっていったもの,と理解している.

このBill Bailey, Won't You Please Come Home?,ずいぶん色々な連中に歌われている.白人ポップ歌手のボビー・ダーリンやジャズ方面の歌手なども録音している.自分の関心がある歌手では,アレサ・フランクリン,リトル・ウィリー・ジョン,ヘレン・ヒュームズ,ビッグ・ビル・ブルーンジーのバージョンを聞くことができた.

ヘレン・ヒュームズのものはベニー・カーターらジャズ屋をバックにした1959年の録音(Tain't Nobody's Biz-ness If I Do, Contemporary OJCCD-453-2)で,まるっきりジャズ仕様だ.同じようにジャズ的な作りなのがアレサ・フランクリンのものだ.彼女がColumbia在籍中,1965年に録音したものだ(The Queen In Waiting :: The Columbia Years 1960-1965, Sony SICP8072-3).これらのバージョンでは,Bill Baileyというのはジャズの曲のように聞こえるのだが,実はジャズが成立するよりも古い時代のクーン・ソングなのだ.

一方,1964年のリトル・ウィリー・ジョンのバージョン(Heaven All Around Me - The Later King Sessions 1961-1963, Ace CDCHD 1221)は,1960年代のR&Bとして違和感ないアレンジがされている.CDの解説書が指摘するように,ちょっとニューオーリンズ風味もある.

ビッグ・ビル・ブルーンジーは何度か録音している.1951年にはMercuryにビッグ・クロウフォードのベースだけをバックに,弾き語りに近いスタイルで録音している.これはそれなりに楽しく聞ける.ミシシッピ・ジョン・ハートも録音したことがあったようだし(未発表),ギターを持ったソングスターのレパートリーになることもあったのではないかな.

これらの1950年代,1960年代の録音を聞いても,プロト・ブルースらしさはよく分からない.Bill Baileyという曲,12小節の構成を持つ部分と,コーラスの部分があって,楽譜を見ると後者は16小節の構成に基づいているようだ.この16小節というのはラグタイムの定型から来てるんじゃないかと思う.それで,上に挙げた録音は,このコーラス部分だけを使っている.一方,ピーター・ミュアの本Long Lost Bluesでプロト・ブルースとして考察されているのは12小節のヴァースなのだが,戦後録音ではそこを歌わないようだ.

しかし,もっと古い録音では12小節の構成をした部分も歌われている.

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