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2012年12月24日 (月)

Bill Baileyとプロト・ブルース(1)

ブルースの,定型の12小節の構成,あれがどうやってできたのか.昔のことで,証拠がよく分からないのだから,簡単に結論しないのがよろしいと思っている.

ブルース学者のデイヴィッド・エヴァンスは,Big Road Blues (Da Capo)でブルース形式の起源について考察していて,フィールド・ハラーの要素と共に,ブルース・バラッドで使われる和音の伴奏との関連を論じている.ブルース・バラッドというのはFrankie And Albertとか,John Henryとか,Stackoleeとか,Railroad Billとか,そういうの.昔のブルースマンはよく歌いますな,こういうのを.プリ・ブルース,プロト・ブルースという言い方もある.

この手のプロト・ブルースと共通の構造を持つ曲が,1890年代から楽譜で出版されている,とピーター・C・ミュアのLong Loast Blues (The University of Illinois Press)は記している.これらの曲は12小節の構造など持っていて,ブルース形式成立との関連から注目すべき,というのは納得できる.ミュアは,これらの楽譜として出たものの中で半分近くを書いているヒューイ・キャノン(Hughie Cannon)という人物に注目している.

Hughiecannon_3 ヒューイ・キャノンという人は,1877年デトロイト生まれの白人で,優秀なラグタイム・ピアニストだったそうだ.彼の生涯は,作曲者としてヒット曲があったのに,幸福でもなかったようだ.アルコール依存になり,1912年に35歳の若さで亡くなっている.

ヒューイ・キャノンの一番有名な作品は,Bill Bailey, Won't You Come Home?という曲だ.ミュアのLong Loast Bluesはこの曲もプロト・ブルースの構造を持っているとして,よく歌われるブルース・バラッドThe Ballad Of The Boll Weevilと比較している.

このBill Bailey, Won't You Come Home?という歌,1902年に出版され,当時のヒット曲で続編みたいな曲も作られた.誰か録音してないか,と思ったら,その後何十年ものあいだ多くのアーティストが録音したアメリカン・ポピュラー・ソングのスタンダードだった,ということが分かった.

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