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2012年11月 3日 (土)

Buddy Bolden's BluesとSt. Louis Tickle (2)

我が家にあるミシシッピ・ジョン・ハートによるFunky Buttの録音は,1963年7月の録音で,D.C. Blues - The Library Of Congress Recordings Vol. 1, Fuel 302 061 407 2というCDに入っている.

そのジョン・ハートの歌はこんな風に始まる.

I thought I heard somebody say, "funky butt, stinky butt, take it away."

一方,リトル・ブラザー・モンゴメリーのは

I thought I heard somebody say, "She's nasty, dirty, take her away."

それでジェリー・ロール・モートンの国会図書館録音は,

I thought I heard Buddy Bolden say, "Dirty, nasty, stinky butt, take it away."

...うむ,Funky ButtもBuddy Bolden's Bluesも,同じものですな.歌の文句や音楽は少しずつ違うが,人から人に伝わる過程で,変化したんだろう.Funky Buttという曲名は,歌の文句からついたものと思われる.お下品な歌詞みたいだが,それが民衆の間に広まる歌らしいとも言える.

さて,ArcheophoneのCD,Stomp And Swerveと同名の本,David Wondrich, Stomp And Swerve - American Music Gets Hot 1843-1924, A Cappella Books,が出ていて,本を見ながらCDを聞くとちょうど良く出来ている.St. Louis Tickleについて本の方にも記述がある.この曲は1904年にバーニーとシーモア(Barney & Seymore)が著作権を取得しているが,彼らについて何も分からないという.彼らはミズーリの白人ピアニスト/バンドリーダーのセロン・キャトレン・ベネット(Theron Catlen Bennett)からパクったともいうが,ベネット作というのも当てにならないらしい.CDの方はバーニーとシーモアとはベネットの変名のようになっている.本の結論は,誰々が書いたとは言えない「民衆のラグ(folk rag)」である,というものだ.

一方,ジェリー・ロール・モートンは主張している.「この曲が書かれたのは1902年頃のことなんだが,これははっきり言わないといけないが,後になって,誰かが盗んでSt. Louis Tickleという題名で出版したんだ.それでも,古手のミュージシャンだったらみんな,これがバディ・ボールデンの曲だったと知っている.本当に偉大なラグタイム・トランペット・マンだった.」(Alan Lomax, Mister Jelly Roll, Pantheon Books, 引用終わり)

モートンが言うようにバディ・ボールデンという人が作ったのか,あるいは他の誰かが歌っていたのをボールデンが演奏するようになったのか,今となってはもう分からない.St. Louis TickleはBuddy Bolden's BluesまたはFunky Buttに他のフレーズを少々追加して出版したもののように思える.まあ,とにかく古い歌だ.

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