2009年7月11日 (土)

狼とその音楽

ハウリン・ウルフの本をぼつぼつと読んでいる.

ジェイムズ・セグレスト,マーク・ホフマン(著),新井崇嗣(訳),ハウリン・ウルフ ブルースを生きた狼の一生,ブルースインターアクションズ,ISBN978-4-86020-260-6

Wolfbook 集められるだけ集めた資料と証言に基づく,偉大なブルース歌手の生まれてから亡くなるまでの物語で,まだ全部は読んでいないけれど,素晴らしい読みものだ.最初の方の少年時代のところなどは可哀想で読んでいられない感じだが,笑い有り涙有りのエピソードをいくつも読んでいるうちに,その人柄と音楽に対する情熱が浮かびあがってくる.ブルース音楽を聞き始めてからずっとウルフは好きだったけれど,それが間違いでなかった,というのか,自分のウルフの音楽に対する愛着は生ぬるかったんじゃないか,とか思えて来る.

本を読んでからウルフのCDを引っ張り出して聞き始めると,これがまた良い曲ばっかりでいくらでも聞ける.

本の中でお気に入りのところをいくつか挙げると,こんなふう.

・10代のヒューバート・サムリン少年,アーカンソー州セイベルのジュークでウルフの頭上に落下!(p.79. コントのようだが,これが二人の運命的出会い)

・ウルフ,17歳のエタ・ジェイムズにラヴレターを届けさせるも,あえなく沈没!(p.136.エタ,ウルフに「くそおやじ!」なんて言ったの?)

・チェス社長,ウルフに飛行機は走るものではなく飛ぶものであることを教える(p.169.これは昔P-Vineで出たLP,Walk That Walkで聞ける)

・リトル・スモーキー・スマザーズ,チェス・スタジオの初録音でチェス社長に一日中罵倒され涙目!(p.170.リハーサルも長かったらしいし,チェスは妥協しなかったからあの音楽の質を保てたのだろう)

・1965年,ローリングストーンズと共にテレビ出演中のウルフ,サン・ハウスと25年ぶりに再会!(p.224)

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2006年10月11日 (水)

わーい,届いた

今日,Blues Discography 1943-1970 (Les Fancourt and Bob McGrath, Eyeball)が届いた.

製本はハードカバーではなく,ペーパーバック.格調高さではハードカバーに劣るかもしれないけれど,案外こっちの方が丈夫かもしれない.表紙も裏表紙も美麗で,よく出来ている.

Bluesdiscocover Bluesdiscoback

内容は,以前のBlues Records 1943-1970に比べると記載アーティスト数も増え,修正も相当行われているようだ.ただ,基本的にBlues Recordsに基づいているようで,例えばLattimore Brownが載っているのにRoscoe Sheltonが見つからない,などというBlues Records同様の不可解な人選も見られる.それに,完全無欠のディスコグラフィーというのも無理だろうが,パラパラと見ただけでも早速間違いが発見できてしまった.まあ,追加,修正が有る場合は直接編者に知らせろ,とあってLes Fancourtのメール・アドレスが書かれているから,「違ってるぞ」と教えることはできる.いつそれが反映された改版が出るかは分からないけれど.今後のアップデートには日本国コレクター軍の貢献も期待したいところだ.

レコードの情報はオリジナル・イシューのみで,例えばシングル盤で出たもののLPリイシューの情報は出ていない.前のBlues Recordsでは米国盤のLPリイシューは載っていたから,これはちょっと後退かもしれない.その代わり,伴奏者索引が付いているのは良い.こうなると曲名索引も欲しくなるが,残念ながらそれは付いていない.

多少文句はあっても,ブルースのことを深く知るために欠くことのできない最重要資料なのは間違いない.

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2006年9月 8日 (金)

Blues Discography 1943-1970のこと

今朝,音楽リンクにEyeball ProductionsのWebsite,

http://www.eyeballproductions.com/index.html

へのリンクを追加した.R&B Indiesという本を出している出版社だ.シンボルマークは胴体のない目玉親父,か.それはともかく,注目すべきなのは,

Les Fancourt & Bob McGrath, Blues Discography 1943-1970.

の近日出版をアナウンスしていることだ.言うまでもなく,当ブログでいつも引用しているマイク・レッドビターらによるBlues Records 1943-1970 Vol.1 & 2の後継となる本である.本の題名を変え,著者からマイク・レッドビターらの名前を外したところに,一から書き改めたのだ,というレズ・ファンコートの意気込みが見える.過去のファンコートの仕事からすれば内容に期待してよいだろう.

Blues Records 1943-1970 Vol.2を出していたRecord Information Serviceという会社は同書の共著者にもなっているポール・ペレティア(Paul Pelletier)という人の会社ではなかったのかと思う.このポール・ペレティアというのはスキッフル音楽の研究家らしかったが,彼は自身のWebサイトでBlues Records 1943-1970をレズリー・ファンコートが中心となって改訂している,ということを書いていたことがある.いつ頃だったか,多分2002年の秋とかその辺じゃないかと思う.

ところが,その改訂版は待てど暮らせど出ず,やがてペレティアのWebサイトも無くなってしまった.ペレティアとRecord Information Service社は経済的な理由か,他の理由でいけなくなってしまったようだった.で,それっきりBlues Records 1943-1970は入手困難になっていた.実のところ,ペレティアが「Blues Records 1943-1970の改訂をしている」というアナウンスをしたのは(資金を集めるための)ウソではなかったかと思ったりもした.しかし,レズリー・ファンコートは本当に作業を続けていて,もう少しで彼の努力は日の目を見るところまで来たことになる.

8.5" X 11"(横21.6cm,縦27.9cm)ってレター版か.デカイな.いや物理的にも重要さでも大きな出版物,ということか。

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