書籍・雑誌

2016年11月28日 (月)

今度出た本は

ザディコのディスコグラフィーですって.

http://www.eyeballproductions.com/

そっち方面の愛好家の皆様は、ぜひどうぞ。

Zydecodiscography

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2016年7月17日 (日)

本といえば

Preachin_the_blues_small 5年も前に買った本のことだけれど,読んでいて,へえ,と思ったことがある.それはDaniel Beaumont, Preachin' The Blues - The Life and Times of Son House, Oxford University Pressという,タイトルの通りのサン・ハウス一代記.色々知らなかったことはあるけれど,「へえ」というのはハウス再発見の直前,ニューヨーク州ロチェスターでハウスと交流があったというミシシッピ出身のブルースマン,ジョー・ベアードという人物のことだ.

ジョー・ベアードは,ミシシッピ州アッシュランドの出身で,アッシュランドはミシシッピ北部の小さな町のようだが,音楽家はいたらしい.それで,彼の子供の頃の友達にダン,フロイド,メルヴィン,マットのマーフィー4兄弟というのがいたのだそうだ.マットは我々の知っているマット・ギター・マーフィー,それにフロイド・マーフィーも知られているけれど,あと2人いたのか.マット・マーフィーの出身地はミシシッピ州サンフラワーということになっていて,アッシュランドとはかなり離れているのだが,引っ越してきたのだろうか.それで,ベアードとマーフィー兄弟がアッシュランドで見ていた歌手が,あのネイザン・ボーアガード(ビューアガードとも表記されていた)!

ボーアガード,ここで名前が出るのか.ネイザン・ボーアガードと言えば,以前は1863年生まれとか1869年生まれとか言われていて,1968年に初めて録音したときは100歳とか99歳とかで,ブルース史上最年長録音記録の保持者,というイメージだった.ところが,どうもこの年齢は眉ツバものだったようだ.

Blues & Rhythm誌217号(2007年3月)でクリス・スミスという人がボーアガードについて短いレポートを投稿している.それによると,アッシュランドの複数の記録にネイザン・ボガードという人物が記載されていて,それがボーアガードのことらしい.生年は記録により食い違っているが1890年前後の生まれのようだ.だから録音時に100歳とか99歳ではなく,まあ普通の年寄だったわけで,なーんだという感じではある.

ボーアガードの録音はLPではBlue Thumbなどで出ていて,日本発売もされたと思う.また,今もArhoolieのCDで聞ける.もっとも,普通の年寄となると,聞く価値があるのか疑問だけれど.

それにしても,マット・マーフィーがボーアガードを間近に見ていたなんて,考えもしなかった.音楽からいったら共通点ないんだもの.彼ら二人ににつながりがあったとは普通は思えない.でも,そうやって,マーフィーも子供の頃からブルース音楽に接していたんだなあ.

ということで,マット・マーフィー活躍のレコードを.

Memphis Slim, Guitar Cha Cha Cha b/w Stroll On Little Girl, Vee Jay 271.

Veejay271 1958年録音で,ギターはもちろんマット・ギター・マーフィー.

インストゥルメンタルのGuitar Cha Cha Chaは,キューバ発祥のダンス音楽チャチャチャの流行に乗ろうとしたもの.ギター・ソロになると,マーフィーさん格好良い.ネイザン・ボーアガードのSpoonfulなんて聞いていた子供がこんなことをやるのだから,すごい成長だ.

メンフィス・スリムのよく響く美声はスローのStroll On Little Girlで.バンドのメンバーがコーラスを付けるのが少し変わっている.

ところでAdelphiのLPの解説書には高名なプロデューサー,ウイリー・ミッチェルがボーアガードのgreat grand nephewだ,なんて書いてあるそうなんだが,本当だろうか.

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2016年7月10日 (日)

話し込んで,分かること

Conversation_2 ブルース音楽に関する古典的な著作,Conversation With The Bluesの邦訳版,「ブルースと話し込む」が出版された.タイトルは昔のビッグ・ビルの曲名を上手く再利用したもの.初版は1965年の出版というから,50年も前のことで,日本語版が出るまでずいぶん時間が掛かったもんだ.手遅れ,なんて言葉も頭に浮かぶが,出てよかった.

ブルースの歌い手,関係者の証言をつなぎ合わせ,ブルース音楽とは何で,人の心にどう作用して,この音楽がどう発展してきたか,の物語にしたもの.個別に記録された膨大なインタビューを切り出して,互いの関連を考慮しながら,選び出して並べ替え,読み物にしているのだけれど,著者は途方もない労力を費やしたものと思う.

訳者あとがきでは,イーディス・ジョンソンの証言を例として,非黒人が聴く場合との違い,が語られる.それはその通りなのだけれど,本書に収められた証言を見ていると,優れたブルースを聴けば,日本人の耳でもそれなりに特別な音楽に聞こえることも納得できるんじゃないか.そうでもないか.

今まで,この本を1997年の2nd Edition(ケンブリッジ大学出版)で持っていて,関心のあるところだけ拾い読みしていた.日本語だとすいすい読めるから,より物語の流れをつかみやすい.リル・サン・ジャクソンの口調がツボでしてね.一方,付録CDは無くなったし,写真も一部割愛され,索引はインタビューした人だけ,ということで情報がいささか失われていることは否定できない.

著者ポール・オリヴァーは英国人で,本業は建築学の研究者なのだが,米国に渡って今昔のブルース歌手,関係者を見つけて,話を聞いて録音して本を作る,とはよく思いついて,よく実行したものだ.今も人種間のあれこれで物騒な事件が起きるアメリカ合衆国だが,白人が深南部で黒人の話を聞いて回るのは危険もあっただろう.本には出てこないが,ミシシッピで薬局をやっていたアーロン・ヘンリーという政治家になる人物にもインタビューしたそうだ.その数週間後,ヘンリーの店は爆破され,オリヴァーは「自分が訪問したせいか」と恐ろしく感じたそうだ(Paul Oliver, Blues Off The Record, Da Capo Press).

Vocalion05539_2 なんか,レコードのレーベル・スキャンを,とういうことで,これを.本書104ページに登場する人物のレコード.

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2015年12月 9日 (水)

Living Blues, #240

Living Blues誌の最新号が出た。

http://digital.livingblues.com/publication/?i=282718&p=1

これ,サニー・グリーンが表紙だ.それで,特集記事はサニー・グリーンをはじめとする「南ロサンゼルスのアンダーグラウンド・ブルース・シーン」だって.知らない人だらけで,サニー・グリーンの他はジョー・キンケイドって人くらいしか名前を見た覚えがない.それにしても2015年のロサンゼルスで,こんなにブルース屋がいろいろいて,その音楽に需要があるのか.信じられん.

YouTubeで最近のサニー・グリーンを見ると,さすがに声は荒れぎみで,昔のレコードのようにはいかないようだ.しかし,声が荒れたのは,長年に渡り,休みなく力いっぱい歌い続けてきたことの証明でもあるだろう.

プロデューサー/アレンジャーのマイルス・グレイソンは,サニー・グリーンをZ・Z・ヒル以上に評価していた,なんて話も記事に出てくる.

もう一つ,謎に包まれていたフィラデルフィアのギター・スター,ボビー・“ギター”・ベネットの正体が明らかにされたことにも驚く.へえ,こんな顔だったんだ.

他に十代のブルース兄弟の話題とか,クイントン・クランチ伝とか,たまに見るとこういう雑誌も面白いね.

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2012年7月 6日 (金)

オーダーしたよ

The Blues Discography 1943-1970の改訂版が出たそうだ.

ぽちっとしてしまった.

http://www.eyeballproductions.com/pages/blues%20discography.html

表紙のデザインは前の方が好きだけど.

Bd1cover

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2011年2月28日 (月)

The Blues Discography 1971-2000

1週間ばかり前のこと,The Blues Discography 1971-2000を検索ワードとして当ブログを見にきた人がいた.さては,と思ってEyeball ProductionsのWebサイトをチェックしたら案の定出てた.

Robert Ford and Bob McGrath, The Blues Discography 1971-2000 - The Later Years, Eyeball, ISBN 978-0-9866417-3-2.

さっそくオーダーして,今日届いた.

Blsdiscolatercov

このディスコグラフィーの扱う範囲,方針はイントロダクションのところに簡潔に記されている.曰く,
・ソウル・ブルースの扱いが問題だったが,割愛した人もあるし,一部だけ載せた人もある(Z・Z・ヒルはMalaco録音は載っているけれど,Hill/MHRのブルースは載っていない).
・ザディコ/ケイジャンはThe Blues Discography 1943-1970に載せた人だけにした.
・白人ブルース/ロックは原則として載せないが,アフリカン・アメリカンの歌手をよくフィーチャーするアーティスト(ボブ・リーディーみたく)は載せた.
・1971年以降はシングル盤よりもアルバムがより重要になったことを考慮している.

実際,アルバムに関する情報が豊富になったのは確かで,セッション・データにアルバムのタイトルも記されている.また,The Blues Discography 1943-1970の裏表紙は78回転盤と45回転盤の歴史的名曲のレーベル・スキャンだったが,今度のThe Blues Discography 1971-2000はアルバム・ジャケットのスキャンになっている.

Blsdiscolaterback

う~ん,コレが入るか,という気がしないでもないのがあるかな.あと,巻末にはLP/CDのアルバム・リストも付いている.

しかし,伴奏者索引がないんだよな.あちゃー.

誰々がギターを弾いているセッション,などというのを見つけようとしたら,1ページ目から最後のページ(559ページ)まで目を皿のようにして探すのか,これ.大変過ぎ,いや楽しすぎるじゃないか.

The Blues Discography 1943-1970は628ページだから,559ページは比較するとちょっと薄く感じる.

Bookshelf

The Blues Discography 1943-1970は,カバーのビニールのコーティングが剥がれかかってきたよ.今度のもそうなるかな.

当分の間,アレは出てる,アレは出てない,と楽しめそう.日本で録音されたものなんかもしっかり記載されている.謝辞のところに永田鹿悟氏の名前なんかも出ているから,日本国からの情報も反映されたものと思われる.

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2010年10月 3日 (日)

買いますか?

The Soul Discographyの第1巻が出た.第3巻まであるそうな.

http://www.eyeballproductions.com/pages/sould.html

ワタクシ的には,とりあえず,まあ,いいかな,と.

The Blues Discography 1971-2000の刊行予定もアナウンスされていて,そっちは買い,だろうな.

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2010年8月22日 (日)

本が出ますよ

日暮泰文さんの本が今週にも発売される.

Ygb_extra_cover のめりこみ音楽起業~孤高のインディペンデント企業、Pヴァイン創業者のメモワール~
同友館,ISBN:978-4-496-04697-1

http://www.doyukan.co.jp/author/?p=178

Amazonでも注文できるようだ.

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4496046970

この本は日暮さんがP-Vineレコード創設者として,起業の側面から自らの仕事を振り返ったもので,以前

http://www.sogotosho.daimokuroku.com/?index=kokou

に発表されていたものに書き下ろしを加えたものだそうだ.上のサイトのコラムを見ても分かるように,R&B,ブルース,P-Vineが商品としてきた音楽,これらに長く付き合ってきた人々には興味がある内容のはずだ.

自分のブルース音楽に関する知識と理解の多くは,日暮さんが書いてこられたものがその糸口になっている.ここを見にくる人でそういう人は他にも居るのでないか.日暮さんが居なければ,自分はブルース音楽にそうのめりこむことはなかったし,そうねえ,今頃何か別のブログを書いているだろう.最近のブルース・アンド・ソウル・レコーズ誌で日暮さんが連載しているコラムもとても良いと思っている.今度の本にも,内容,文章の味わいとも期待している.

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2009年7月11日 (土)

狼とその音楽

ハウリン・ウルフの本をぼつぼつと読んでいる.

ジェイムズ・セグレスト,マーク・ホフマン(著),新井崇嗣(訳),ハウリン・ウルフ ブルースを生きた狼の一生,ブルースインターアクションズ,ISBN978-4-86020-260-6

Wolfbook 集められるだけ集めた資料と証言に基づく,偉大なブルース歌手の生まれてから亡くなるまでの物語で,まだ全部は読んでいないけれど,素晴らしい読みものだ.最初の方の少年時代のところなどは可哀想で読んでいられない感じだが,笑い有り涙有りのエピソードをいくつも読んでいるうちに,その人柄と音楽に対する情熱が浮かびあがってくる.ブルース音楽を聞き始めてからずっとウルフは好きだったけれど,それが間違いでなかった,というのか,自分のウルフの音楽に対する愛着は生ぬるかったんじゃないか,とか思えて来る.

本を読んでからウルフのCDを引っ張り出して聞き始めると,これがまた良い曲ばっかりでいくらでも聞ける.

本の中でお気に入りのところをいくつか挙げると,こんなふう.

・10代のヒューバート・サムリン少年,アーカンソー州セイベルのジュークでウルフの頭上に落下!(p.79. コントのようだが,これが二人の運命的出会い)

・ウルフ,17歳のエタ・ジェイムズにラヴレターを届けさせるも,あえなく沈没!(p.136.エタ,ウルフに「くそおやじ!」なんて言ったの?)

・チェス社長,ウルフに飛行機は走るものではなく飛ぶものであることを教える(p.169.これは昔P-Vineで出たLP,Walk That Walkで聞ける)

・リトル・スモーキー・スマザーズ,チェス・スタジオの初録音でチェス社長に一日中罵倒され涙目!(p.170.リハーサルも長かったらしいし,チェスは妥協しなかったからあの音楽の質を保てたのだろう)

・1965年,ローリングストーンズと共にテレビ出演中のウルフ,サン・ハウスと25年ぶりに再会!(p.224)

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2006年10月11日 (水)

わーい,届いた

今日,Blues Discography 1943-1970 (Les Fancourt and Bob McGrath, Eyeball)が届いた.

製本はハードカバーではなく,ペーパーバック.格調高さではハードカバーに劣るかもしれないけれど,案外こっちの方が丈夫かもしれない.表紙も裏表紙も美麗で,よく出来ている.

Bluesdiscocover Bluesdiscoback

内容は,以前のBlues Records 1943-1970に比べると記載アーティスト数も増え,修正も相当行われているようだ.ただ,基本的にBlues Recordsに基づいているようで,例えばLattimore Brownが載っているのにRoscoe Sheltonが見つからない,などというBlues Records同様の不可解な人選も見られる.それに,完全無欠のディスコグラフィーというのも無理だろうが,パラパラと見ただけでも早速間違いが発見できてしまった.まあ,追加,修正が有る場合は直接編者に知らせろ,とあってLes Fancourtのメール・アドレスが書かれているから,「違ってるぞ」と教えることはできる.いつそれが反映された改版が出るかは分からないけれど.今後のアップデートには日本国コレクター軍の貢献も期待したいところだ.

レコードの情報はオリジナル・イシューのみで,例えばシングル盤で出たもののLPリイシューの情報は出ていない.前のBlues Recordsでは米国盤のLPリイシューは載っていたから,これはちょっと後退かもしれない.その代わり,伴奏者索引が付いているのは良い.こうなると曲名索引も欲しくなるが,残念ながらそれは付いていない.

多少文句はあっても,ブルースのことを深く知るために欠くことのできない最重要資料なのは間違いない.

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