日記・コラム・つぶやき

2013年5月19日 (日)

古レコードの録音特性(2)

というわけで,The Restoration Preampと銘打たれた古レコード用のアンプ,TDL 4010が我が家にやってきた.

ターンオーバもロールオフも色々変えられて,レーベル,時代,レコード毎に設定を変えられる.取扱説明書に設定の一覧が出ている.例えば米国Deccaだと,1945年以前はターンオーバ周波数が300Hz,ロールオフはフラット(0dB),となっている.
Decca78rpm
その設定で聞いてみる.ロールオフがフラットということは高音は減衰なしだ.そうすると,ノイズは盛大に出る.盤面のざらざらに起因するしゃーっという雑音も,キズによるパチパチ音もすごい.しかし,こんな雑音,慣れてしまう.それより,高音のすっきりしたヌケの良さ,生々しさが心地よい.これはCDリイシューでは聞けない音じゃないかね.1955年以降のRIAA特性でこれらを聞くと,ボンついたこもった音になる.

同じ米Deccaでも1946年以降はターンオーバが629Hz,ロールオフが-12dBとなっている.聞いてみると,まあ,そんなもんかな.

Culumbiaは1947年までターンオーバ300Hz,ロールオフ-5dBとなっている.その設定で確かに生々しい音に聞こえる.
Columbia78rpm
Bluebird,Victor,RCAは,1935年,ターンオーバ300HzかRIAA(=500Hz),ロールオフ-5dB,1938-1954年,ターンオーバRIAA,ロールオフ-8dBとか書いてあって,ちょっと迷う.1930年代のBluebird盤は300Hz,-5dBかなあ.1940年代のRCA盤はRIAA,-8dBでオッケーみたいだ.
Bluebird78rpm
さて,取説の設定一覧に出ているのは,ある程度メジャーなレーベルだけだ.戦後のR&B独立レーベルについては何も出ていない.
R_and_b78rpm
この辺は聞きながら調節するしかない.大体ターンオーバが300Hz,ロールオフが-16dBで正解,の場合が多いんじゃないかな.

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2013年5月12日 (日)

古レコードの録音特性(1)

直径7インチ,1分間に45回転のドーナツ盤レコードが普及する前,10インチ,78回転のレコード,SP盤と呼ばれるものでブルース音楽は売られていた.もっと昔,1920年代中頃以前になると回転数もレーベルごとに違っていた時代があったそうだけど,その時代のものも78rpmとかSP盤とかいって話は通じる.正しくはCoarse Grooveというのかもしれないけれど.

78回転のレコードのレコード,本当に少ししか持っていないし,あまり増えすぎると困る,と思っている.かさばるし,壊れやすいし,ひびが入ったりするし,ということで面倒くさいメディアだ.でも,この辺が微妙な感情だが,増えすぎると嫌だが,欲しいと言えば欲しい.こんな古いものに音楽が入っている!ということ自体に心ときめくし,骨董的興味もある.好きな音楽が,最新のものとして発売されたときの形態で手に入れるのも意味があると思っている.それに,盤のコンディション次第だけれど,意外と良い音で音楽を楽しめることもある.レコード・コレクターズ誌Vol.4, No.6, Oct.1985の特集みたいにSP盤の方が音がよい,と言い切るつもりはないけれど.それでも変なLPやCDのリイシューよりは,78rpmを自分のプレーヤーで聞いた方が良いことがある.

1分間に78回転で回るターンテーブルと,SP盤のCoarse Groove用の先端の太い針を装着したカートリッジがあればSP盤を聞ける.しかし,それだけではレコードの実力を発揮できていないだろう.昔のレコードは,録音特性が会社ごとに違っていて,カートリッジ出力を増幅するイコライザ・アンプの特性もそれに合わせないと正しい音にならないからだ.

1920年代中頃以前,アコースティック録音とかラッパ吹き込みとか言っていた時代は,ただ音による空気の振動をそのまま音溝に刻むだけで,特段の録音特性もない.しかし,その後,盤面の利用効率とかの関係で,低い周波数では定振幅記録といって再生時に低音ほどブーストが必要な特性にして,高い周波数では定速度記録というフラットな特性で再生する仕様が使われるようになった(参考:井上敏也監修,レコードとレコードプレーヤ,ラジオ技術社).この「低い周波数」と「高い周波数」の境目が問題で,これがレーベル,時代によって違う.この境目の周波数をターンオーバー(Turnover)と呼ぶ.

一方,高い周波数の成分を,録音時に強調して,再生時に逆に減衰させることも可能である.再生時に高い周波数の成分を減衰させるのは,雑音の点では有利となる.このとき,再生時に高い周波数をどれだけ減衰させるか,周波数10kHzの減衰量のデシベル表示で表す.この減衰量をロールオフ(Rolloff)と呼ぶ.

アメリカレコード協会(RIAA)が1955年にターンオーバーが500Hz,ロールオフが-13.8dBの特性を標準として以降,世界的にこの特性が使われるようになった.我々がフツーに入手する7インチ45rpm盤も33rpmのLP盤もこの特性で作られている.そこで,普通に変えるレコード用イコライザ・アンプもこの特性だけをサポートしている.しかし,それ以前,特に78rpmは,ターンオーバーもロールオフもレーベルごとにバラバラ,同じレーベルでも時代によって変遷し,どうかすると盤によっても違うそうだ.

そうなると,1955年以前のものについては,レコードが作られたときの,正しいターンオーバー,ロールオフを使い,本当のレコードの音を聞きたい,とずっと思っていた.78回転で回る新しいターンテーブルも買ったので,これを良い機会として古いレコード用のターンオーバー,ロールオフを設定できるイコライザ・アンプも購入した.TDLという会社のModel 4010という機種で,そんなに高いものでもない.そんなに数が出る機械でもないだろうけど,受注生産とかで,何週間か待たされた.回路図からすりゃ同じようなものを自分で作れそうな気もするが,老眼でハンダ付け技術が怪しいから,やめておいて正解だろう.

使ってみた感じは,買って良かったのではないかなあ,と思っている.ツマミがいっぱい付いていていじりがいがあるし.
Tdl4010

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2013年5月 6日 (月)

開設8周年・アナログプレーヤーの話とか

8年間続けた.意外と続いたのう.そろそろ何か書いてみたいと思うレコードも尽きかけている.

それで,わりと最近のこと,レコード・プレイヤーを買ったから,その話でも.

ずっと使っていたレコード・プレイヤーは30何年か前に買ったビクターJL-B37という機種だ.お値段は,当時,4万円くらいだったと思う.ずいぶん物持ちが良いようだが,今でもちゃんと回る.ただ,ときどき回転が少し遅めになるようになった.原因は分かっていて,速度調整用の可変抵抗器が劣化しているのだ.つまみを少しいじれば元に戻るし,可変抵抗器を交換すれば直りそうだが面倒くさい.昔は,電気工作にマメで,78rpmで回る秘密スイッチを付けたりもしたが,今はもうやる気がしない.こう古くてはメーカーが保守部品を持ってるはずもない.

オーディオ・マニア向けのアナログ・プレイヤーは値段が100マン円以上なんてのもよくあるようだが,欲しいと思わない.高価な機械でVG-だのG+だのという45rpmドーナツ盤とか聞くのは,うーん,それなりに良いかもしれないけど,もったいないよなあ.

そこで店頭などでときおり見かけて気になっていたSPEC+ AP-50というのを買ってみた.理由は,(1)78rpmでも回る,(2)速度調整が±20%できる,(3)お値段はまあリーズナブル,(4)内蔵プリアンプをバイパスできる,(5)見た目が悪くない,とそんなところか.30何年か前に買った4万円の機械から,いま5万円くらいの機械って,こりゃ,グレードダウンかもしれない,とは思った.いざ,使ってみると,予想通り,良いものじゃないな.

Spec_ap50_front_2

大体,ターンテーブルがふわふわとして重みがないところからして安物感がある.それより重要な問題がある.カートリッジを付け,内蔵プリアンプをバイパスし,アンプにつないで動かしてみたら,うわ,何だこりゃ.電源スイッチをいれるとぶぉーんと猛烈なハム音が出るぞ.取説にはアースをつなげとか書いてあるが,そーゆー問題じゃない.これは,このままでは使い物にならん.

内蔵プリアンプを使うとハム音はだいぶマシだ.これで我慢するか,と一旦は思った.ところが,何枚か45rpmを掛けてみたら,今まで経験したことのない嫌な歪みが感じられた.これ,アンプで歪んでるだろ.やれやれ,内蔵プリアンプも使えないのか.まあ,これについては,そんなもんだろ,と思わないでもない.メーカーはカッティング・レベルの高い45回転レコードなんて掛けたことがないだろうから.

さて,内蔵プリアンプをバイパスしたときの恐ろしいハム音は配線とかでバカなことをしているのが原因に違いない,とにらんだ.そこで,中がどうなっているのか見ることにした.トーンアームに荷重を掛けないよう,ヒンジを外したダストカバーを下敷きにして,機械を裏返した.それで,ワッシャー付きのネジを外すと裏蓋を外すことができた.中を見て盛大なハム音の原因はすぐに見当が付いた.ケーブルの端子と雑音源である安物トランスが至近距離にあるのだ.これは嫌過ぎる.トランスの吐き出す漏れ磁束がハム音の原因に違いない.それにしても,カートリッジ出力のような微小な信号を,雑音源から遠ざけるのは基本の基本だろうに,どうなってるんだ.

Ap50bottom01

結局,端子を使わず,ケーブルをトランスからやや離れた,基盤の上に直接ハンダ付けすることで,使えるレベルまでハム音は減らすことができた.裏蓋には穴があって,それは何のためにあるのか分からないが,ケーブルを通すという点では都合が良かった.どうもトランスの漏れ磁束をカートリッジが直接ひろうようで,ハム音は皆無ではないから,きびしい人はこれでもダメだろう.

Ap50bottom02

回転は33rpも45rpmも78rpmもちゃんと回るから,とりあえず使っているけれど,もうちょっと良いのに買い換えるかな.外国製品とか,わりと78rpm付きがあるようだし.

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2012年10月26日 (金)

もし良かったら

もう1つブログ形式で書き始めたのだけど,こういうのが好きな人はいないですかね.

Blue Traces: http://logcabin.cocolog-nifty.com/traces/

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2012年1月 1日 (日)

謹賀新年2012

Dragon2012
今年もやりますよ.

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2011年4月30日 (土)

開設6年ですよ

始めてから6年たちましたよ.レコードの枚数で350くらい.

アニメーションでなごんで下さい.

Anim01a

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2011年1月 3日 (月)

謹賀新年

Usagirecords
新年のご挨拶用の画像を作ろうとしたのだけれど,だんだん何をやっているのか分からなくなって,どうもいけません.

当ブログで取り上げたレコード,勘定してみたら300枚とちょっとでしたよ.そんなにレコードもっていたのか.

今年も続けますよ.

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2010年7月21日 (水)

索引ページ作りましたよ

これまでの記事の索引のページを作っているのよ.未完成だけれど.

ちいれこインデックス

年月の索引とアーティスト名で引けるのと,後者が案外手間取ってるけれど,遠からず,ね.

レコードのレーベルと番号の索引とか,曲名索引とか,アイディアはあるけれど,「あー大変そうだ」なんて,なかなか行動しないので...

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2010年1月 2日 (土)

御慶

 Newyear2010

トラさんがレコード持ってるような絵柄にしたかったのだけど,びみょーだったトラよ.

このブログ,もう少し続けたいトラよ.

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2009年1月 2日 (金)

ブログ初め

Newyear
新年にまつわるブルースってあまりないようだ.クリスマスものは多いけれど.アチラはお正月よりキリスト様だろうから,仕方ない.ブラインド・レモン・ジェファソンにHappy New Year Bluesというのがあるのだけれど,はて,どんな曲だっけ?

1曲だけ,とても好きな新年もののブルースがある.メアリー・ハリスが1935年に録音したHappy New Year Bluesというのがそれ.最初MamlishのLPで聞いて覚えたのだけれど,今はDocumentのチャーリー・ジョーダンのCD(DOCD-5099)で聞ける.

 新しい年がやってきたけれど,私の気持ちに変わりない
 生き方を変える,他に言うことない

チャーリー・ジョーダンとピーティー・ウィートストローの落ち着いた暖かい伴奏にのってゆったりと歌われて,こういうのは良いなあ.

メアリー・ハリスって誰だか分からない.ヴァーディ・リーの変名だ,と言われてもねえ,リーという人だってそんなによく分からないし.

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