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2017年11月

2017年11月26日 (日)

手掛かりはなし

ジョージ・リーナ―のレーベルから出たこれ,何者なのか分からない.

Mississippi Joe, The Funky Blues b/w Soul Power, Midas 9010.

Midas9010 The Funky Bluesというのが,スローのインストゥルメンタル・ブルース.ハーモニカ,ハンドクラップなど入り,リラックスした演奏.1970年前後の録音だろうけれど,そのわりには古風なスタイル.ハーモニカとか締りなく吹いていて,本職の人とも思えない.全体に演奏のどこが優れているということはないのだけれど,それでも雰囲気は良い.ぼーっと気楽に聞いていれば和める.

Soul Powerの方は,まあ,ソウル・インストゥルメンタルでいいんですかね.誰もソロとかやらずに終わるんだけれど,これでよいのかなあ.

ミシシッピ・ジョーとは誰なんだろうか.普段はどういう音楽を演奏していたのだろう.レーベルの所在地はシカゴだから,シカゴで何かのバンドをやっていたのか?リーナ―のレーベルは,ファイヴ・ドゥ・トーンズやらベニー・シャープやらステイシー・ジョンソンやらのようにセントルイスとのコネもあったし,インディアナ州ゲイリーのアーティストも録音したから,シカゴ市民と決まったものでもない.

両面ともインストゥルメンタルなのだから,ミシシッピ・ジョーも何か楽器をやっていたと思うが,何を演奏していたのか分からない.曲の作者はP. Jamesとなっていて,P. James Productionという表記もあるから,このジェイムズという人がカギだけれど,やはり誰だか分からない.

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2017年11月19日 (日)

さらば,名歌手

アナログの7インチ盤で流行歌を売っていた頃といえば,ずいぶん昔の話で,ひとりでに,そういう7インチ盤を作っていたアーティストの訃報を始終見ることになる.この一年ほどの間,ずいぶん色々な人が亡くなってしまった.

それにしても,どんな大物の訃報よりも,ネットで見つけたこの死亡記事にがっくりきた.

Stacy Johnson, Singer with Ike Turner and Benny Sharp and the Sharpees, Has Died

あわわわ,ステイシー・ジョンソン,今年の5月に死んでたのか!なんてこった.

ステイシー・ジョンソン,そりゃあすごい歌手だったのだけれど,録音は少なかったなあ.あれだけの才能だから,いつかはアルバムの1枚くらいは作るだろう,とずっと思っていた.ところが,どうも,アルバムらしいものを作ったという情報がない.ひょっとして,1988年のジョニー・ジョンソンのBlue Hand Johnnie(Pulsar LP1002/Evidence CD26017-2)の2曲で歌ってから,2017年に亡くなるまでの29年間,全然録音なしか?そうだとすれば,この実力者に対しあまりに不当な扱いだったのではないかね.

ジョニー・ジョンソンのアルバムで,ステイシー・ジョンソンが参加したトラックの1つは,ローウェル・フルソンのTalkin' Womanだけれど,その力強い歌を聞くと,こんな歌手はめったにいない,と改めて思う.その後,ろくに録音を残さず亡くなったのはブルース/ソウル界の大損失といわなければならない.同じアルバムで,バーバラ・カーも歌っているが,彼女の方は量,質ともかなりの録音を残したのに,どうしてこうなった?

Stacy Johnson, I Stand Alone b/w Don't Try To Fool Me, M-Pac! 7230.

Mpac7230 シカゴのジョージ・リーナ―のレーベルからのもので,鈴木啓志,Soul City USA − 無冠のソウル・スター列伝,(リトル・モア,2000年)によると,1966年の録音とのことだ.レーベルには1963年1月14日のコピーライト表示があるが,これはロゴ・デザインの著作権か何かだろう.ステイシー・ジョンソンは,セントルイスのギタリスト,ベニー・シャープのグループ,ザ・シャーピーズのメンバーだったということだが,ベニー・シャープやザ・シャーピーズもジョージ・リーナ―のレーベルでレコードを出しているし,彼らとセットで録音機会を獲得したのだろうか.

I Stand Aloneの方は,昔,Chi-Town Blues & Soul, P-Vine PLP-9005/6というLPでも出たことがある.音楽の方は両面ともジャンプR&Bか初期のソウル,という曲.I Stand AloneでもDon't Try To Fool Meでも,瞬間的な爆発力のようなものが非凡だと思う.

ステイシー・ジョンソンが残した録音については,鈴木啓志さんの前掲書で丹念に追跡されているが,全部かき集めてもたいした数ではなさそうだ.元気な頃には,セントルイスのクラブとかで,どんなふうに歌っていたのだろう.それにしても,あの世に持って行ったものが大きすぎるよ,ジョンソンさん.

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2017年11月12日 (日)

ニューオーリンズらしく

デイヴ・ディクソンをもう一つ.

Dave Dixon, I'm Not Satisfied b/w Feeling So Low, Ace 519.

Ace519 これは1956年5月の録音で,ディクソンがヒューイ・スミスのザ・クラウンズにもう参加した頃のもの.前回のSavoy盤と比べると,こちらはずっとニューオリンズR&Bらしさが濃厚で,うっかりすれば別人かと思うくらい.

Feeling So Lowは速めのテンポの,快活なブルースかR&Bか,という曲.気持ちの良い伴奏をバックに豪放に歌い飛ばす.伴奏陣は,テナー・サックスがリー・アレン,バリトン・サックスがアルヴィン・レッド・タイラー,ギターがジャスティン・アダムズ,ベースがローランド・クック,ドラムがアール・パーマー,ということで,メンバーは精鋭が揃っている.リー・アレンのソロもナイス.

I'm Not Satisfiedの方は,ゆったり,まったりとしたニューオリンズR&Bバラッド.ディクソンは伸びやかな声を張り上げ,情感豊かに歌っていて,良い出来だと思う.

Aceの録音は,英国Westsideレーベルがリイシューしていたが,このレコードも同レーベルでCD化されていたようだ.

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2017年11月 5日 (日)

ニューオーリンズらしからぬ

ニューオーリンズR&Bの隆盛を支えた人をもう一人.

Dave Dixon, Over The River b/w My Plea, Savoy 1126.

Savoy1126 ニュージャージー州ニューアークを拠点としていたSavoy Records社は,1953年と1954年の2回に渡り,A&Rマンのリー・マギッドやフレッド・メンデルソーンをニューオーリンズへ派遣した,このうち1953年の出張録音ではヒューイ・スミスとアール・キング(アール・ジョンソン)を録音しているから,なかなかの収穫だったように思う.もっとも二人共,Savoyではなく他のレーベルでヒットが出て,有名になったのだけれど.このデイヴ・ディクソンのSavoy盤は2回めの出張録音のときのもので,1954年2月19日に録音されている.両面とも良い出来だと思う.

Over The Riverは陰鬱なスロー・ブルース.曲の調子は,ウェスト・コーストでジミー・ウィルソンが演っていたような,その手のもの.ニューオーリンズR&Bに,なんとなく陽気なのが多いようなイメージを持っていたけれど,これは陰気.その点では,あまりニューオーリンズっぽさはないのかもしれないが,濃度の高いブルースであって,聴き応えがある.ディクソンの歌手としての力量が優秀なのは明らかで,美声を駆使し,力強い歌を聞かせる.

My Pleaもスローだが,こちらは甘みの増した,ブルース・バラッド.声も,歌いっぷりも只者ではない感じはある.この曲は「ローカル・ヒットになった(John Broven, Rythm and Blues in New orleans, Pelican)」そうだ.

デイヴ・ディクソンは,この録音の2年後には,ヒューイ・“ピアノ”・スミス・アンド・ザ・クラウンズのヴォーカル担当として,多くの録音をすることになる.自己名義の録音も,1956年にはAceレーベル,1960年にはHome of the Bluesレーベル,と少しずつ行っている.すごく有名になったとは言えないけれど,デイヴ・ディクソン,歌の実力はかなりのものだった.

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