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2017年7月16日 (日)

ワイルド・アトランタ・ブルース

これも,「ブルース ─ その源流のさすらい人 第1集」のLPに入っていて,よく聞いた.

Danny Boy, Wild Women b/w Kokomo Me Baby, Tifco 824.

Tifco824 特に気に入っていたのはWild Women.ダニー・ボーイのダウンホーム感覚ある歌,曲名とおりワイルドに盛り上がる伴奏が組み合わさり,大変に魅力ある作品になっている.

Kokomo Me Babyの方は,もう少し大人しく,クールな印象だが,こちらも快調.歌のメロディーだけ聞いていると気がつかないが,文句からするとSweet Home Chicago/Kokomo Bluesの系統の歌だと分かる.

東海岸のカントリー・ブルースに関する研究書,Bruce Bastin, Red River Blues, the University of Illinois Pressにこの録音のことが書かれている.ジョージア州アトランタでカントリー音楽のレコードを作っていたビル・ロウリーという人がいて,このレコードは,彼のスタジオで1958年に録音されたものだという.一方,The Blues Discography 1943-1970は1961年2月録音,としていて食い違っている.

Red River Bluesによると,ダニー・ボーイはハーモニカ奏者を連れてスタジオに現れたが,このハーモニカ奏者が困った奴で,商売道具のハーモニカを持って来なかったという.借りてきたハーモニカは音が外れていたが,それを使って録音は行われた.聞いた感じでは,その影響はあまりなさそう.ベース,ギター,ドラムはビル・ロウリーのスタジオにいた白人のカントリー音楽のミュージシャンだった.

ダニー・ボーイは歌とリズム・ギターを担当したという.リード・ギターは白人カントリー・ギタリスト,ジェリー・リードが弾いている.彼は,カントリー音楽の方では成功して,全米ヒットをいくつも出している.Wild Womenの間奏でぎゃらぎゃらぎゃら...と弾くのは彼なのだろう.

曲の作者は両面ともD. Thomasと記されている.一方,たまたまダニー・ボーイ・トーマスという人物がニューヨークの会社からレコード(Groovy 3002)を出しているが,これはソウル・バラッドをやっていて,アトランタのダニー・ボーイとは別人だ.

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コメント

1962年5月のビルボードにはDanny Boy Blue 名義で広告がのり、8月にはDanny Boy になったとのことで、古い45はDanny Boy Blue になっているらしい。
かなり売れたと思われる。地域も広範囲で南部にまでいっているが、西海岸にはいっていない模様。1970年代でも販売されていた。

投稿: LazyDog | 2017年7月18日 (火) 00時26分

Blues Obscurities は海賊盤(ゴム印)とロンドンがありますが、両者に音質の差はあるのでしょうかね? ロンドン盤は音は確かですか?

投稿: LazyDog | 2017年7月18日 (火) 00時34分

> ロンドン盤は音は確かですか?

ロンドン盤も音は悪いです。

投稿: BackDoorO | 2017年7月18日 (火) 20時21分

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