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2017年7月

2017年7月30日 (日)

今は地下6フィート

これもテネシー州ナッシュビルのダウンホームなブルース.地元の有名レーベルから出たもの.

Robert Garrett, Quit My Drinkin' b/w Do Remember, Excello 2216.

Excello2216 ロバート・ギャレットという人は,1916年1月28日テネシー州フリーヒル生まれ,1987年11月24日死去ということで,もうじき死後30年になる.古くはExcello Story (Excello DBL28025) のLPにQuit My Drinkin'が入っていたりして,まあまあ知名度はないこともないだろう.

ロバート・ギャレットという人は,よく通る声で泥臭く歌う.歌が上手いとは思わないが,上手くないのも味のうちというタイプだろう.なんか、タイミングが,どうも,テキトーだと思うが,気にしないことにする.

両面ともスロー・ブルース.リード・ギターは意外とモダンだが、これはおそらくジョニー・ジョーンズが弾いている.ギャレット自身もギターを弾くが,Do Rememberのイントロで聞ける生ギターがそれだろう.他にピアノ,ドラムが入る.

Do Rememberは,リロイ・カーのSix Cold Feet In The Groundで,間奏の後に少し違う歌詞が入る.生年からすれば,リロイ・カーが1935年に録音したこの古いシティ・ブルースを知っていてもおかしくはない.それでも60年代のシングル盤としては古風な方だろう.

The Blues Discography 1943-1970は1962年のナッシュビル録音としている,

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2017年7月23日 (日)

ナッシュビルの片隅で

テネシー州ナッシュビルのブルースやらR&Bやらずいぶんリイシューされたと思うけれども,コレはどうだろう.CDとかで聞いたような記憶がない.

Morris Bailey and the Thomas Boys, Tell Me Why b/w Calendar Hanging On The Wall, Bailey Records 500.

Bailey500 アーティスト名がBaileyでレーベル名もBaileyだから,これはアーティスト自身のレーベルなのだろう.しかし,モリス・ベイリーなんて言われても,誰だかさっぱり分からない.

ナッシュビルのブルースには色々と幅があって,ロスコー・シェルトンみたいなソウル・ブルース的なものもあれば,シャイ・ガイ・ダグラスみたいなハーモニカ入りダウン・ホーム・ブルースもある.このモリス・ベイリーのレコード,1960年代のナッシュビル・ブルースの中でも極端な方で,かなり驚いた.

編成は本人の歌とギター,もう1本のギター,ハーモニカ,以上.カントリー・ブルースに近いようなもので,1960年代に,このスタイルの音楽をよくシングル盤として出したものだ,と感心する.レコードにするくらいだから,こういう音楽が1960年代のナッシュビルのどこかで,演奏され,人気があったのか.

Tell Me Whyに針を降ろせば,イントロからたちまちローダウンな雰囲気に飲み込まれる.よくカバーされるThat's All Rightのタイプのスロー・ブルースだが,ざくっざくっと重々しいリズム,渋い声,それに終始絡まる生ハーモニカが合わさって,何だか大変な雰囲気になっている.1947年のオサム・ブラウンの録音を思い出したりもする.演奏の技量が極上とは言えないかもしれないが,貴重な音楽の記録のように思われる.

Calendar Hanging On The Wallの方はアップテンポのブルースになるが,こちらも超ダウンホームな仕上がり.

The Blues Discography 1943-1970は1962年ごろにナッシュビルで録音されたもの,としている.知られざる逸品ではないかなあ。

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2017年7月16日 (日)

ワイルド・アトランタ・ブルース

これも,「ブルース ─ その源流のさすらい人 第1集」のLPに入っていて,よく聞いた.

Danny Boy, Wild Women b/w Kokomo Me Baby, Tifco 824.

Tifco824 特に気に入っていたのはWild Women.ダニー・ボーイのダウンホーム感覚ある歌,曲名とおりワイルドに盛り上がる伴奏が組み合わさり,大変に魅力ある作品になっている.

Kokomo Me Babyの方は,もう少し大人しく,クールな印象だが,こちらも快調.歌のメロディーだけ聞いていると気がつかないが,文句からするとSweet Home Chicago/Kokomo Bluesの系統の歌だと分かる.

東海岸のカントリー・ブルースに関する研究書,Bruce Bastin, Red River Blues, the University of Illinois Pressにこの録音のことが書かれている.ジョージア州アトランタでカントリー音楽のレコードを作っていたビル・ロウリーという人がいて,このレコードは,彼のスタジオで1958年に録音されたものだという.一方,The Blues Discography 1943-1970は1961年2月録音,としていて食い違っている.

Red River Bluesによると,ダニー・ボーイはハーモニカ奏者を連れてスタジオに現れたが,このハーモニカ奏者が困った奴で,商売道具のハーモニカを持って来なかったという.借りてきたハーモニカは音が外れていたが,それを使って録音は行われた.聞いた感じでは,その影響はあまりなさそう.ベース,ギター,ドラムはビル・ロウリーのスタジオにいた白人のカントリー音楽のミュージシャンだった.

ダニー・ボーイは歌とリズム・ギターを担当したという.リード・ギターは白人カントリー・ギタリスト,ジェリー・リードが弾いている.彼は,カントリー音楽の方では成功して,全米ヒットをいくつも出している.Wild Womenの間奏でぎゃらぎゃらぎゃら...と弾くのは彼なのだろう.

曲の作者は両面ともD. Thomasと記されている.一方,たまたまダニー・ボーイ・トーマスという人物がニューヨークの会社からレコード(Groovy 3002)を出しているが,これはソウル・バラッドをやっていて,アトランタのダニー・ボーイとは別人だ.

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2017年7月 9日 (日)

ルイジアナ・ブルースのいろいろ(11)

ジョー・リチャーズらと共に「ブルース ─ その源流のさすらい人(London(J) GXF2001)」のLPで覚えたのがドリフティング・チャールズことチャールズ・タイラーだった.

Drifting Charles, Drifting Clouds b/w Evil Hearted Woman, Lanor 515.

Lanor515 そのLPの中でも,チャールズ・タイラーのDrifting Cloudsというのは好きで,繰り返し聞いたものだった.その後,1982年というから35年も昔の話だが,Louisiana R'nB from Lanor, Red Pepper RP702,というLPが出て,彼の曲を4曲聞けるようになった.

今聞き直してもDrifting Cloudsは優れたサザン・ダウンホーム・ブルースだと思う.ゆったりと,レイドバックしたスロー・ブルースで,タイラーの歌は,ちょっとした節回しに味があって,聞き飽きない.タイラー自身によるギターがまた良い.まあ,自分でギターを弾く人が聞けば上手いとは思わないかもしれない.しかし,伝えたいことを伝える,という点では,見事な演奏だ.

Evil Hearted Womanは軽快なルイジアナ・ロッキン・ブルース.これはRed PepperのLPにも源流のさすらい人のLPにも入っていなかった.ありがちな曲かもしれないが,間奏の短いギター・ソロなど,悪くは無い.

1963年5月,ルイジアナ州クロウリーで録音されたとのことで,本人の歌,ギターの他,アル・フォアマンのギター,ルーファス・シボドーがベース,オースティン・ブルサードがドラム,というメンバー.チャールズ・タイラーはLanorレーベルで4枚シングル盤を出した後,流れる雲のようにどこかへ消えていった.

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2017年7月 2日 (日)

ルイジアナ・ブルースのいろいろ(10)

今度はもう少し録音の多い人を.

Raful Neal, It's Been So Long b/w You Don't Love Me No More, Whit 6904.

Whit6904 少し録音が多い,と書いたけれども,1950年代,60年代のレイフル・ニールは,ぱらぱらとシングル盤を作ったくらいのもので,マイナーな方のアーティストだったと言えるだろう.1980年代後半以降になるとアルバムを出して,一気に録音が増えたけれども.

レーベルのWhitはJewel/Ronnの一部門だから,この2曲は権利を持っている会社が内外でリイシューしていると思う.今,CDでどうなっているか知らないのだが,LP時代に日本国ではP-VineがIt's Been So Longを出していた(Harp And Blues, PLP725).そのLPが出たのは1983年,もう四半世紀近くも昔のことになってしまった.

ぴーっという高い音のハーモニカで始まるIt's Been So Longだが,ジョー・リチャーズのDreaming Dreamingとかギター・ゲイブルのHello Operatorとか,その手のものにカテゴライズされる曲.ルイジアナの歌手らしい曲ではある.このレイフル・ニールの作品は,比較的テンポを速くして,しゃきっとした仕上がりになっている.しみじみした哀愁よりは,活きの良さが勝っているようだ.

反対側のYou Don't Love Me No Moreは,がらっと雰囲気が変わり,ファンク・ブルース.アレンジャーは,同じレーベルでレコードを出していたボビー・パウエルだ.楽曲,ホーン・アレンジ,ハーモニカ・ソロ,とソツがなく,合格点はとれそうな感じ.何か,もう一つ不足しているとしたら,ヴォーカルにそれなりの味があるものの,少々あっさりしすぎで,熱さ不足のように思わないでもないことか.そういう個性なのかもしれないけれどね.

The Blues Discograpy 1943-1970は,1970年,ルイジアナ州バトンルージュで録音されたもの,としている.

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