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2017年5月

2017年5月28日 (日)

ルイジアナ・ブルースのいろいろ(5)

ビル・パーカーというドラマーが,ルイジアナで長い間活躍していて,いろいろな録音セッションに参加している.自身の録音は1950年代から1960年代にかけてGoldband等にある他,自身のレーベルOptuneでもレコードを出し,1990年にはLPも出ている.このシングル盤は1960年か61年の録音.

Bill Parker/Little Miss Peggy, Oink b/w Peggie's Blues, Goldband 1121.

Goldband1121 Oinkというのは,サックス中心の,陽気なR&Bインストゥルメンタル.Oinkって豚の鳴き声だが,サックスがぴ〜ぴっ,と頓狂な音を出すのが豚だろうかね.向こうの豚は甲高い鳴き声なんだな.

聞く価値があると思うのは,リトル・ミス・ペギーという女性歌手が歌うPeggy's Blues.リトル・ミス・ペギーって,誰だか分からないが,この頃,ビル・パーカーの録音のいくつかで歌手として起用されている.Peggy's Bluesはスロー・ブルースで,ルイジアナのブルースとしてはダウンホームでもなく,サックスも入り,ジャンプ・ブルースに近いように思う.それで,リトル・ミス・ペギーという人,目一杯の声量でシャウトしまくる.イントロが終わって,歌が始まれば,その迫力に,おおっ,と驚く.その勢いが最後まで持続するから,偉いものだ.伴奏のアレンジは少し落ち着きがないようで変てこだけれど,この豪快な歌いっぷりを聞くと,それはどうでもよくなる.有名ではないけれど,上手いと思うし,力量ある女性シャウターなんじゃないか.

ビル・パーカーは本名ウィリー・パーカー・ギドリー(Willie Parker Guidry).The Blues Discography 1943-1970によると,このレコードの伴奏陣は,サックスにD・D・ジョーンズ,ピアノにルーズベルト・ディカーソン,ギターにチェスター・ランドル,ベースにポール・ルイス,ということだそうだ.

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2017年5月21日 (日)

ルイジアナ・ブルースのいろいろ(4)

前回のレコードと同じく,これもジェイ・ミラーのレーベルから出たものだけれど,時代はあれより少し古い.

Mr. Calhoun, Hello Friends, Hello Pal b/w On The Sunny Side Of Love, Zynn 508.

Zynn508 ミスター・カルフーンといったり,ポルカ・ドット・スリムといったり,ヴィンス・モンローといったりもする,この方の本名はモンロー・ヴィンセント.色々な名前で少しずつレコードを出しているけれど,単独のアルバムは無さそうだから,そう有名でもないだろう.そうではあるけれど,質の高い作品を残した人だった.

このレコードの2曲,最初に聞いたのはGonna Head For Home, Flyright LP-517というLPでのことだった.もっとも,そのLPに入っているのはシングル盤とは別テイクだった.

Hello Friends, Hello Palはミディアム・テンポのブルース.ごくダウンホームな伴奏に,よく通る美声が心地よく,とても良い出来.この声の質が抜群なので,大ヒット曲みたいなのは無くても,ミスター・カルフーンことヴィンス・モンローは忘れられない歌手ということになる.

一方,On The Sunny Side Of Loveはメロディアスな,バラッドっぽいブルース曲.ケティ・ウェブスターも同じ曲を録音していた.この曲でも,朗々と,安定感ある歌を聞かせ,良い感じに和める.適度に力の抜けたハーモニカにも味がある.

The Blues Discography 1943-1970によると,録音は1959年.メンバーは,歌とハーモニカがヴィンス・モンロー,ギターがギター・ゲイブル,ドラムがクラレンス・エティーン,ということで,ほぼギター・ゲイブルのバンドによる伴奏といえそうだ.

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2017年5月14日 (日)

ルイジアナ・ブルースのいろいろ(3)

ザディコという音楽をあまり聞かないので,その方面で知らない傑作も色々あろうけれど,ザディコ・ブルースの良作として,これを推したい.

Bobby Price with Fernest and the Thunders, Mean, Mean Woman b/w It's All Right, Blues Unlimited 2006.

Bluesunlimited2006 1976年のレコードで,レーベルは有名プロデューサーのジェイ・ミラーのもの.伴奏のファーネスト・アンド・ザ・サンダーズというのは,アコーディオン奏者のファーネスト・アーセノーのバンド,というよりアーセノーのバンドの専属歌手がボビー・プライス,という関係だったそうだ.ファーネスト・アーセノーは何枚かアルバムを作り,ヨーロッパ・ツアーなどもしたから,ザディコの方では人気者だったと言える.ボビー・プライスの方はこのレコードの後,独立して自分のバンドを持ったが,あまり上手くいかなかったようだ.

Mean, Mean Womanは,モダン・ザディコ・ブルース,といえば,まあ当たらずとも遠からず.落ち着きあるスムースなスロー・ブルースで,次第に熱を帯びるヴォーカルがなかなかのもの.これを聞く限りボビー・プライスという人は優秀な歌い手だったように思える.ホーンが入りそうな曲調で,アコーディオンとラブボードがサポートするのがローカルな味わい.

ファーネスト・アーセノーのBlues Unlimitedへの録音はFernest and the Thunders, Blues Unlimited LP-5005というLPにまとめられている.そのLPにMean, Mean Womanも入っている.ただし,シングル盤のものとは別テイクだ.いや,そのLPを持ってはいないのだけれど,ネット上の某所に上がっているのを聞いたら間奏とか,その後の歌詞とか,あちこち違っていた.別テイクでも悪くはないから,LPの方がお買い得感はあるかも.

It's All Rightは軽快なR&B.なんとなくボビー・ブランドのThat's The Way Love Isなんてのを思い出した.普通ならホーンが担当しそうなところがアコーディオンで奏でられる.こちらもLPに入っている.

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2017年5月 7日 (日)

ルイジアナ・ブルースのいろいろ(2)

今度は生きていて,今も元気な人を.

Classie Ballou, All Night Man b/w Jealous Women, Lanor 593.

Lanor593 クラッシー・バルーは1937年8月21日生まれ.前回のギター・ゲイブルは1937年8月17日生まれだから,ゲイブルより4日だけ年下だ.もうすぐ80歳になるが,今でもCDを作り,ライヴ活動もしているようだ.10代にしてブーズー・シャヴィスの代表作Paper In My Shoeのセッションに参加し,1950年代からGoldband,Excello,Nasco,Soulsvilleなどでレコードを残してきた.このLanor盤は1983年の録音.1980年代ルイジアナ・ブルースの傑作だと思っている.

All Night Manはけだるい中に,ルイジアナの気候も想像させるような,じわっとくるスロー・ブルース.演奏は,ギターが3本使われ,1つはスライド・ギターで,それに生ハーモニカも絡んでくるというダウンホーム仕様.むずむずするリズムをバックに太い声でバルーが歌う.すごく上手いというのではないが,ローダウンな感覚がとてもよい.

Jealous Womenはアコーディオン,ラブボードが加わり,軽快なソウル風ザディコになっている.親しみやすいメロディーで,和む.

伴奏メンバーは分からないが,Jealous Womenのアコーディオンはプレストン・フランクという人だそうだ.両面ともAll Night Man, Krazy Kat KK800というLPに収録されていたそうだ.

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