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2017年4月

2017年4月30日 (日)

ルイジアナ・ブルースのいろいろ(1)

今年の1月28日,ルイジアナ州オペルーサスでギター奏者,ギター・ゲイブルが亡くなっている.彼は1937年8月生まれ,79歳だったそうだ.

Guitar Gable, This Should Go On Forever b/w Please Operator, Excello 2153.

Excello2153 これはギター・ゲイブルの名前でExcelloから出たシングルとしては最後,6枚めのもの.他のシングル盤と同様に歌っているのはキング・カールだ.

This Should Go On Foreverはニューオーリンズにありそうな,跳ね気味のリフを持ったR&Bバラッド.欠点なく制作されている,という感じ.つやつやした声のキング・カールの歌がよい.曲の作者にはプロデューサのジェイ・ミラーと,キング・カールの本名バーナード・ジョリヴィートの名前が記されている.曲を作って,歌っているのがキング・カールだから,ギター・ゲイブルの貢献度は少なそうだが,イントロや間奏で良く響くギターを聞かせていて,ちゃんと仕事をしている.

電話のベル音の擬音も入るPlease Operatorは哀愁たっぷりのルイジアナR&Bバラッド.ギター・ゲイブルの曲では,ローカル・ヒットになったLife Problemというのがあるが,同じようなパタンの作品だ.良い出来だと思われる.間奏のゲイブルのギターの音色にも哀愁が感じられる.

昔,Guitar Gable with King Carl, Cool Calm Collected, Flyright FLY599というLPで2曲ともリイシューされたことがある.1957年2月の録音,ということはゲイブルは19歳か,若いなあ.

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2017年4月23日 (日)

もっと熱い

前回の盤ではロニー・ブルックスが歌って,ビリー・ザ・キッド・エマーソンが伴奏をしていたけれど,今度は逆にエマーソンが歌ってブルックスが伴奏しているレコード.

Billy (The Kid) Emerson, I Took It So Hard b/w Every Woman I Know, Tarpon 6601.

Tarpon6601 歌手でキーボード奏者のビリー・エマーソンが得意とするのは,R&Bか,そうでなければロックンロール,というところだろうか.1950年代からSun,Vee-Jay,Chessで良い曲をいくつも残していて,優秀な音楽家なのだけれど,あまりブルースらしいブルースはない.

ロニー・ブルックスがギターを弾いているのはEvery Woman I Knowの方.高速なロッキン・ブルースか,それともロックンロールか,という曲だが,息が詰まるような勢いと熱気で,なかなかすばらしい.ロニー・ブルックスはキン,キンとリズムを刻むだけなのだが,演奏の熱さに貢献している.エマーソンの歌とオルガン,ベースにノーラン・ストラック,間奏でソロを吹くテナー・サックスがジョー・エヴァンズ,ドラムにはジェローム・ハリスというメンバーで1964年に録音されている.

エマーソンはEvery Woman I Knowを1955年にVee-Jayに録音していて,このTarpon盤は再録音ということになる.曲のエネルギーみたいなのでは,Tarponの再演の方がVee-Jayのオリジナル版を上回っているのではないか.Vee-Jayの録音はドイツBear Familyのリイシュー盤,Red Hot(Bear Family BCD16937)に入っていて,整った演奏だけれど,Tarpon録音を聞いた後では緩いようにも聞こえる.

I Took It So Hardは,ニューオーリンズっぽさも感じるゆったりしたR&B.The Blues Discography 1943-1970は1960年にMadレーベル向けに行ったセッションで録音されたもの,としている.Bear FamilyのCDの解説書には,Madレーベルで録音したテープの,ヴォーカル部分を再録音してTarponで出したと書かれているから,ヴォーカルだけは1960年より後の録音かもしれない.

Tarponというのはエマーソン自身のレーベルで,デニス・ラサールやマット・マーフィーのレコードも出ている.エマーソンの出生地はフロリダ州ターポン・スプリングズというところだから、レーベル名はその関係だろう。

ビリー・ザ・キッド・エマーソンに関しては,Sun,Vee-Jay,Chess,Madの録音を復刻した33曲入りのBear FamilyのCDが良い情報源になる.

ドイツBear Familyと言えば,同社から先週荷物が届いてねえ.それが,CD44枚組という,えらいものを売り出すものだ.その話もどこかで書くか,書かないか,考え中.

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2017年4月16日 (日)

また有名人が(続き)

亡くなったロニー・ブルックスの盤をもう一つ.

Lonnie Brooks, Figure Head b/w I'm Not Going Home, USA 789.

Usa789 Figure Headの方は,シカゴ・ブルースの25年(P-Vine PCD-2130/2131/2132)などでディジタル・リイシューされているから知られているだろう.1960年代のシカゴ・スタイルのブルースなのだけれど,覚えやすいリフを使い,展開にも変化を付け,R&Bっぽさもある.曲の作者にはビリー・ザ・キッド・エマーソンの名前も見えるけれど,彼のアイディアとブルックス自身のバックグラウンドが組み合わさってユニークな作品になったのだろう.

I'm Not Going Homeもビリー・ザ・キッド・エマーソン作.快活なR&Bで,メロディーもややポップな感じだから,この曲はブルースのコンピレーション・アルバムには入らないだろう.それでも,そう悪い曲ではなく,それなりに楽しく聞ける.

The Blues Discography 1943-1970によると1964年の録音で,キング・エドワードとノーラン・ストラックの兄弟がギターとベース,曲を作ったビリー・エマーソンがオルガン,ジェローム・プライスがドラム,となっている.ううむ,それでは,I'm Not Going Homeで入るサックスは誰なのだろう.

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2017年4月 9日 (日)

また有名人が

ジェイムズ・コットン,チャック・ベリーときて,誰かが死ぬと書く,という方針ではないのだけれど.

Lonnie Brooks, Demonstrating b/w One Sunny Day, Chirrup 501.

Chirrup501 歌手でギタリストのロニー・ブルックスが4月1日,83歳で亡くなったそうだ.1950年代にはルイジアナでギター・ジュニアの名前で活躍し,Family RulesやThe Crawlといった作品を残し,1959年にシカゴに移住する.1960年代にシングル盤を何枚か出した後,1969年にCapitol,1970年代以降はBlack & Blue, Second City,Alligatorとアルバムを出しつづけ,シカゴ・ブルースマンとしては有名人という印象だった.ルイジアナのルーツも見せれば,ファンキーな面もあって,Alligatorの作品も充実していた.

さて,このChirrup盤,まずThe Blues Discograpy 1943-1970の訂正から始める必要がある.同書はこのChirrup 501をChess 2028と同じものとしていて,DemonstratingをChess盤のLet It All Hang Outであるとしている.しかし,これは誤りで,DemonstratingはLet It All Hang Outとは全く違う曲だ.一方,One Sunny Dayの方はChirrupとChessで同じ録音を使っている.ということで,次のように記されるべきであろう.

0011      Demonstrating       Chirrup 501
0012/16311 One Sunny Day       Chirrup 501, Chess 2028
16322     Let It All Hang Out     Chess 2028

Demonstratingはなかなかの傑作だろう.ブルースが下地にあるジャンプ・ソウル・ナンバーという曲だが,かなり恰好よい.豪快な声や歌いっぷり,短いがギター・ソロもあって,すべて良いと思う.

One Sunny Dayの方はスロー・ブルース.決定的なものはないかもしれないが,真摯に歌われていて,引き込まれる.この作品がThe Real Chicago Blues Today - 60's Style, Chess PLP-6083のLPでリイシューされたのはもう30年近く前のことだ.

1967年録音で,ジョー・エヴァンスのテナー・サックス,デトロイト・ジュニアのピアノ/オルガン,ピート・ランドルフのベース,ハロルド・タイドウェルのドラム,というメンバー.Chirrupではもう1枚,522という番号でソウル風のレコードも出ている.
Chess2028

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