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2017年2月12日 (日)

あの歌と面構え

前回のアーネスト・レインはアイク・ターナーのアルバムに参加しているようなのだが,もう1人,アイク・ターナーと接点があった人を.

Johnny Wright, Shut Up b/w Move, Hi-Way 004.

Hiway004 ジョニー・ライトはセントルイスで活動した歌手でギタリスト.このレコードは1986年頃のものだけれど,彼は1950年代から1960年代にかけて,少し録音がある.初録音は1953年に行っていて,なぜかデトロイトで,ジョー・フォン・バトルのスタジオで行っている.これはDeLuxeレーベルから発売された.そのとき録音されたI Was In St. Louis等の作品はBattle Of Hasting Street, Ace(UK) CDCHD 1121というCDで聞けるけれど,ストップ・タイムを使った同じような曲が多い.CDの解説書はメンフィス・スリムのCome Backやウィリー・メイボンのYou're A Foolとの関連を論じていて,そういう議論は面白いけれど,ライトの歌には少々未熟さというか,頼りなさが感じられた.

ジョニー・ライトの名前を忘れられないものにしているのは,1955年,アイク・ターナーのギターをバックに,RPMレーベルに録音した作品だ.ギター・スリムっぽいThe World Is Yoursと,Hoochie Coochie ManっぽいSaffocateの2曲だが,これがちょっと凄い.重量感ある声で猛然と歌い,それに加えてアイク・ターナーのギターも格好良い.この録音はIke Turner & The Kings Of Rhythm, Rocks The Blues, P-Vine PCD-3012/3などのCDで聞ける.

傑作The World Is Yoursから30年が経って発表されたこのHi-Way盤,白黒コピーのスリーヴがついていて,ジョニー・ライトの顔を拝めるようになっている.なるほど,あの声,歌い方に似つかわしい,いかめしい顔つきだ.

音楽の方について言うと,Shut Upはミディアム・テンポのシャッフルで,ハーモニカなども入って少しシカゴ風.Moveはもう少し速いブルースで,サックス,オルガンを使ってややモダン.ライトは1929年生まれということで,これを録音したとき50代,老け込む年齢ではなく,元気で,やはり深い,良い声をしている.ただどちらも軽い曲,という感じで,悪くもないが何かが不足しているような気はする.それでも,The World Is Yoursの,あの人が,その30年後にも元気に歌っていたことを確認できるだけで,このレコードの意味がある.

Hi-Wayではもう1枚,Coal Shed b/w Johnny's Bad Air Boogie (H-0001)というのがあるそうだ.これら以外にも何かレコードがあるのかもしれない.
Johnny_wright_trimed

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