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2017年2月

2017年2月26日 (日)

アラバマに還って

昨年もいろいろな人の訃報があったけれど,バーミングハム・ジョージことジョージ・コナーなんて人も亡くなっていた.1934年5月にアラバマ州アリスヴィルというところで生まれていて,長い間シカゴで活動していた歌手/ギタリストだ.1985年にアリスヴィルに戻り,昨年12月に同地で亡くなったそうだ.

George Corner & His Band, Morning Love Blues b/w Too Hot To Hold, Atomic H 918.

Atomich918 レーベルにはCornerと記されているが,Connerが正しい.

Morning Love BluesはCD,Chicago Ain't Nothin' But A Blues Band(Delmark DE624/P-Vine PCD-5560)に入っていた.どろどろしたスロー・ブルースで,コナーは歌でもギターでも不器用そうで,上手いとは思わない.しかし,絞り出すような歌い口にも,バンドの緊迫感にも,ずっしりと,聴き応えはある.

Too Hot To Holdはインストゥルメンタルで,コナーの素朴なギターは,良く言えばヘタウマの味か.それより,誰だか分からないサックスが頑張っている.この曲はCDには入らなかったが,まあ仕方ないか.

1962年の録音で,テナーサックス,ピアノ,ベース,ドラム,の伴奏陣だが,奏者は分からない.ジョージ・コナーは1965年にはオーティス・ラッシュらをバックにMarsiに録音し(ファンキー/ソウル風らしい),その後1999年,2004年にCDを制作したそうだ.実力が特に優れてはいないコナーだけれど,Morning Love Bluesは印象に残っていて,訃報に接すれば寂しく思う..

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2017年2月19日 (日)

イースト・セントルイス・ディープ・ブルース

ミズーリ州セントルイスの東側,ミシシッピ川の対岸にイリノイ州イースト・セントルイスの街は広がっている.第二次大戦後のイースト・セントルイスで,長い間強力なブルースを聞かせていたと思われる人にドク・テリーがいた.

Doc Terry, Things Can't Stay The Same b/w Dr. Boogie, D.T.P. 74-589.

Dtp74589 歌手でハーモニカ奏者のドク・テリー,1921年ミシシッピ州サンフラワー生まれということだが,いかにもミシシッピ由来,というディープなブルースを伝えていた.

この人の歌を最初に聞いたのはChicago Jump (JSP LP1004)というLPでのことで,そのLPには,上のシングル盤の2曲の他,もう1曲が収められていた.D.T.P.というのはドク・テリー自身のレーベルということで,Doc Terry Productionとか,そういう意味じゃないかと思う.The Blues Discography 1971-2000によると1971年の録音で,このとき4曲が録音され,シングル盤2枚が出ているそうだ.

Things Can't Stay The Sameはスロー・ブルース.ドク・テリーは太く,ずっしりした声で,そのヴォーカルには本物らしい手応えがある.アンプリファイされたハーモニカも歌同様に重量感がある.歌,ハーモニカの素晴らしさに比べれば,伴奏の方はローカル臭くて物足りない.スライド・ギターをエイモス・スタンフォードという人が弾いていて,彼はロバート・ナイトホウクにその奏法を教わった,ということなのだが,あまり好きではないなあ.緩急なくずーっとぎゃんぎゃん弾いているように聞こえるのだが,どうだろうねえ.その辺はマイナス面としても,全体としては1950年代風の優れたダウンホーム・ブルースではある.

Dr. Boogieの方はリトル・ウォルターみたいな,ハーモニカによるインストゥルメンタル.このハーモニカの切れ味はかなりのもの.

ドク・テリーの歌,ハーモニカ,スタンフォードのスライド・ギターの他,フレッド・グラントのギター,ジョニー・ロングのベース,ドク・テリー・ジュニアのドラム,というメンバー.録音が少なくて忘れさられそうだけれど,ドク・テリー,良いと思う.

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2017年2月12日 (日)

あの歌と面構え

前回のアーネスト・レインはアイク・ターナーのアルバムに参加しているようなのだが,もう1人,アイク・ターナーと接点があった人を.

Johnny Wright, Shut Up b/w Move, Hi-Way 004.

Hiway004 ジョニー・ライトはセントルイスで活動した歌手でギタリスト.このレコードは1986年頃のものだけれど,彼は1950年代から1960年代にかけて,少し録音がある.初録音は1953年に行っていて,なぜかデトロイトで,ジョー・フォン・バトルのスタジオで行っている.これはDeLuxeレーベルから発売された.そのとき録音されたI Was In St. Louis等の作品はBattle Of Hasting Street, Ace(UK) CDCHD 1121というCDで聞けるけれど,ストップ・タイムを使った同じような曲が多い.CDの解説書はメンフィス・スリムのCome Backやウィリー・メイボンのYou're A Foolとの関連を論じていて,そういう議論は面白いけれど,ライトの歌には少々未熟さというか,頼りなさが感じられた.

ジョニー・ライトの名前を忘れられないものにしているのは,1955年,アイク・ターナーのギターをバックに,RPMレーベルに録音した作品だ.ギター・スリムっぽいThe World Is Yoursと,Hoochie Coochie ManっぽいSaffocateの2曲だが,これがちょっと凄い.重量感ある声で猛然と歌い,それに加えてアイク・ターナーのギターも格好良い.この録音はIke Turner & The Kings Of Rhythm, Rocks The Blues, P-Vine PCD-3012/3などのCDで聞ける.

傑作The World Is Yoursから30年が経って発表されたこのHi-Way盤,白黒コピーのスリーヴがついていて,ジョニー・ライトの顔を拝めるようになっている.なるほど,あの声,歌い方に似つかわしい,いかめしい顔つきだ.

音楽の方について言うと,Shut Upはミディアム・テンポのシャッフルで,ハーモニカなども入って少しシカゴ風.Moveはもう少し速いブルースで,サックス,オルガンを使ってややモダン.ライトは1929年生まれということで,これを録音したとき50代,老け込む年齢ではなく,元気で,やはり深い,良い声をしている.ただどちらも軽い曲,という感じで,悪くもないが何かが不足しているような気はする.それでも,The World Is Yoursの,あの人が,その30年後にも元気に歌っていたことを確認できるだけで,このレコードの意味がある.

Hi-Wayではもう1枚,Coal Shed b/w Johnny's Bad Air Boogie (H-0001)というのがあるそうだ.これら以外にも何かレコードがあるのかもしれない.
Johnny_wright_trimed

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2017年2月 5日 (日)

LPばかりでもなくて(3)

ジム・オニールのRooster BluesはLPだけでなく,33回転7インチ盤やら45回転シングル盤やら出していた.このレーベルのものでは前にアブ・ロックとかリトル・ジョニー・ジョーンズのレコードのことを書いたことがある.このアーネスト・レインのものもシングル盤だけで出たもの.

Ernest Lane, Doggin' No More b/w Little Girl, Rooster Blues 50.

Rooster50 アーネスト・レインは歌手でピアニスト.自己名義の録音は1952年,1961年,1963年にそれぞれ2曲ずつ,その後,しばらく間が空いて,このRooster盤は1984年の録音.その後,2004年とか2008年にCDをだしているそうだ.伴奏者としては色々な録音に付き合っているらしく,ロバート・ナイトホークのAristcrat/Chess録音,ジョージ・スミスのSotoplay録音などはThe Blues Discographyで確認できる.

Doggin' No Moreは,レーベルにはロスコー・ゴードンのNo More Doggin'を改作したと記されている.それで,聞いてみると,意外にも,ファンク・ブルースだ.こりゃ,No More Doggin'との共通点は歌の文句ぐらいだな.ファンク・ブルースの「傑作」というほどの魅力は感じないが,一応ちゃんと作られていて,格好良いとはいえる.

Little Girlはレーンが1952年にLittle Girl, Little Girlという題名で録音したものと同じなのか,どうか,分からない.これは,昔,1930年代にリー・ブラウンがヒットさせ.たまにはカバーされるLittle Girl Little Girlなのかと思ったら,違う歌のようだ.でも,なんか,下敷きにしている感じはしないこともない.落ち着いたスロー・ブルースで,ラフな声,ワイルドな歌いっぷりとは言えるが,力みすぎとも思える.本人のピアノ,間奏のサックス・ソロは良い感じ.

The Blues Discography 1971-2000の記述によると,このセッションで,他にも未発表の録音があるらしい.それらを聞いてみたいか,というと,まあ聞けないならば,それでもいいか,というところ.

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