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2017年1月14日 (土)

レコードの還暦

ブルース&ソウル・レコーズ誌の最近の表紙はジャニス・ジョプリン,ビートルズ,ローリング・ストーンズ,って,急激に何の雑誌だか分からなくなっている.ブルース音楽に関する日本語の情報を紙の媒体で売る商業雑誌,というのは今後どうだろうか.紙形式で続くのか,ということもあるし,需要の関係もあるし,いずれ成り立たなくなるだろう,と思うのだが,そろそろかな?

一方,米国Living Blues誌の最近号(#246)は,電子版で見ているのだが,マディ・ウォーターズの息子のビッグ・ビル・モーガンフィールド,エディ・テイラーの息子のエディ・テイラー・Jr.,ルーファス・トーマスの娘でカーラの妹のヴァニーズ・トーマス,ウィリー・ディクソンの息子のフレディー・ディクソン,ということで,有名人の二世だらけになっている.これは意図したのかなあ.

ビッグ・ビル・モーガンフィールドという人は,今年61歳になるようだ.息子が60過ぎになるんだから,マディー・ウォーターズなんてずいぶん昔の人になってしまった.

Muddy Waters, Clouds In My Heart b/w Ooh Wee, Chess 1724.

Chess1724 Clouds In My Heartはビッグ・ビル・モーガンフィールドの生まれた1956年に録音されている.ということで,このレコード,還暦過ぎてるよ.マディの作品ではあまり有名ではないかもしれないけれど,1950年代の,つまりシカゴ・ブルース最盛期の,傑作だと思っている.マディはこの歌を1963年,1973年,1980年と再録音していて,本人としても大事な持ち歌だったようだ.ロバート・パーマーは,この曲についてFloodという別の曲と同じものとして(かなり違うけれど),「彼のあらゆるブルーズの中で最良の一曲だ(ディープ・ブルーズ,JICC出版局,1992,p.277)」と言っている.

Clouds In My Heartのマディー・ウォーターズ,声も歌い方もブルースそのもの,と思える.本当に力のある良い声だ.伴奏陣もほぼ完璧だろう.「稲妻が光っている.雷が轟くのが聞こえないか」と歌ったところで,雷鳴を表すドラムが,どかどかっと入るところなど,上手くできている.間奏はリトル・ウォルターのハーモニカ.柔らかに絡んでくるギターはジミー・ロジャーズ.

Ooh Weeはウィリー・ディクソン作で,1955年録音.ゆったりした曲だけれど,ディクソン作らしいキャッチーなメロディを持っている.

2曲ともディジタル・リイシューがいくつもあるようだ.たとえ60年前の古い音楽であっても,マディー・ウォーターズのChess録音だったら,そりゃ聞きたい人も多いだろうからリイシューもあるだろう.これらの曲を知らない,という方はディジタル形式でも聞いておいた方がよろしいかと.

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