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2017年1月

2017年1月29日 (日)

LPばかりでもなくて(2)

ルーサー・“ギター・ジュニア”・ジョンソンはPulsarでもう1枚シングル盤を出している.

Luther Johnson, Woman Look What You're Doing To Me b/w Nine Below Zero, Pulsar 002.

Pulsar002 Woman Look What You're Doing To Meはミディアム・テンポのブルース曲で,1960年代くらいにありそうなスタイル.普通,と言えばそうなのだけれど,歌いっぷり,伴奏ともになかなか心地よく,上手く出来ている.オリバー・セインのホーン・アレンジは手堅く,終盤でジョニー・ジョンソンのピアノ・ソロもある.

その裏側,Nine Below Zeroはまたしてもサニー・ボーイ・ウィリアムソンNo.2の曲で,またしても古典的シカゴ・スタイル.すごい!などとは思わないけれど,昔ながらの暖かみのある,ロウダウンなブルース.

前回のレコードと同じセッションのもので,1988年2月にセントルイスで録音されている.Pulsarの4曲,ずば抜けたものは無いけれど,無理の無く自然ではある.

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2017年1月22日 (日)

LPばかりでもなくて(1)

前回はマディ・ウォーターズのレコードだったので,彼のバンドに居た人を.

Luther "Guitar Jr." Johnson, Love Your Sexy Ways b/w In My Younger Days, Pulsar 001.

Pulsar001 セントルイスのPulsarというレーベルはラリー・デイヴィスやジョニー・ジョンソンのLPを出していて,LPで商売する人たちのように思っていた.それでもThe R&B Indiesを見ると10枚くらいはシングル盤を出している.これらの中にはLPからのシングル・カットもあるようだが,このルーサー・ジョンソンのものはシングル盤のみで出ていたようだ.

Love Your Sexy WaysTurning Point風のリフで,ワン・コードで展開するソウル風.ブルース屋がちょいちょいやるタイプの曲ではある.まずまず,そつなく歌われる.オリバー・セインのサックスが良い感じだ.

In My Younger Daysはサニー・ボーイ・ウィリアムソンNo. 2のMy Younger Days.サニー・ボーイのオリジナルは1963年に録音されているけれど,このルーサー・ジョンソンのカバー,なんだかもっと前,1953年のようなスタイル.昔のジミー・ロジャーズみたいな正調シカゴ・スタイルは,さすがにマディ・ウォーターズ・バンド出身者というところか.最初は,これがルーサー・ジョンソン本来のスタイルなのか,とか,1980年代も後半のシングル盤でこれを聞く意味があるか,とか思ったけれど,意外と自然で,なかなか良い感じだ.

1988年2月にセントルイスで録音されている.この録音以前に彼は何枚もLPを作っている.ピアノはジョニー・ジョンソンが弾いている.オリバー・セインはIn My Younger Daysの方には入っていない.

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2017年1月14日 (土)

レコードの還暦

ブルース&ソウル・レコーズ誌の最近の表紙はジャニス・ジョプリン,ビートルズ,ローリング・ストーンズ,って,急激に何の雑誌だか分からなくなっている.ブルース音楽に関する日本語の情報を紙の媒体で売る商業雑誌,というのは今後どうだろうか.紙形式で続くのか,ということもあるし,需要の関係もあるし,いずれ成り立たなくなるだろう,と思うのだが,そろそろかな?

一方,米国Living Blues誌の最近号(#246)は,電子版で見ているのだが,マディ・ウォーターズの息子のビッグ・ビル・モーガンフィールド,エディ・テイラーの息子のエディ・テイラー・Jr.,ルーファス・トーマスの娘でカーラの妹のヴァニーズ・トーマス,ウィリー・ディクソンの息子のフレディー・ディクソン,ということで,有名人の二世だらけになっている.これは意図したのかなあ.

ビッグ・ビル・モーガンフィールドという人は,今年61歳になるようだ.息子が60過ぎになるんだから,マディー・ウォーターズなんてずいぶん昔の人になってしまった.

Muddy Waters, Clouds In My Heart b/w Ooh Wee, Chess 1724.

Chess1724 Clouds In My Heartはビッグ・ビル・モーガンフィールドの生まれた1956年に録音されている.ということで,このレコード,還暦過ぎてるよ.マディの作品ではあまり有名ではないかもしれないけれど,1950年代の,つまりシカゴ・ブルース最盛期の,傑作だと思っている.マディはこの歌を1963年,1973年,1980年と再録音していて,本人としても大事な持ち歌だったようだ.ロバート・パーマーは,この曲についてFloodという別の曲と同じものとして(かなり違うけれど),「彼のあらゆるブルーズの中で最良の一曲だ(ディープ・ブルーズ,JICC出版局,1992,p.277)」と言っている.

Clouds In My Heartのマディー・ウォーターズ,声も歌い方もブルースそのもの,と思える.本当に力のある良い声だ.伴奏陣もほぼ完璧だろう.「稲妻が光っている.雷が轟くのが聞こえないか」と歌ったところで,雷鳴を表すドラムが,どかどかっと入るところなど,上手くできている.間奏はリトル・ウォルターのハーモニカ.柔らかに絡んでくるギターはジミー・ロジャーズ.

Ooh Weeはウィリー・ディクソン作で,1955年録音.ゆったりした曲だけれど,ディクソン作らしいキャッチーなメロディを持っている.

2曲ともディジタル・リイシューがいくつもあるようだ.たとえ60年前の古い音楽であっても,マディー・ウォーターズのChess録音だったら,そりゃ聞きたい人も多いだろうからリイシューもあるだろう.これらの曲を知らない,という方はディジタル形式でも聞いておいた方がよろしいかと.

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2017年1月 8日 (日)

デビュー60年目の成果

昨年の最後はジェシー・トーマスの曲をB.B.キングがカバーしたものだったのだけれど,そういえば,ジェシー・トーマスの7インチ・シングルを持っていたな.一度聞いて,印象が悪くて,ずっと聞いてなかったのだけど.

Jesse Thomas, Your Love Is Automatic b/w Rain Sleet Or Snow, Red River 25976.

Redriver25976 ジェシー・トーマスは,もちろんランブリン・トーマスの弟で,1911年2月生まれ.1929年8月には18歳でジェシー・“ベイビーフェイス”・トーマスの名前で初録音をしている.長いキャリアだったが,とりわけ印象深いのは昔KentのLPに入っていたModern録音で,自身の電気ギターだけを伴奏とする優れたカントリー・ブルースだった.これを録音したときは初録音から20年が経っていた.他に,Palaceというレーベルの「レイ・チャールズ」のLPにも入っていたのは意外性で覚えている.

トーマスは,1960年代に自身のレーベルRed Riverを作り,作品を発表している.Red Riverの最初のセッションはRed River Blues, Ace(UK) CDCHD725というCDで出ているが,それも歌には味わいがある.

さて,トーマスは,デビューの60年後,1989年に10曲入りのカセットテープを録音している.このシングル盤は,そのカセット用録音からのシングル・カット.

自身のレーベルでの作品なのだから,おそらくトーマス自身が望む通りに録音が行われたものと思われる.歌は,年はとっているが,確かに,Modern録音などで聞くジェシー・トーマスの声と歌い口だ.しかしねえ,この,平板にかしゃん,かしゃんというリズム・ボックスは必要なんだろうか.頼むからやめてくれ,と言いたくなる.

という訳で,このレコードがトーマスの作品として良いとは思えない.この録音の後,CDが2枚あるそうで,高齢になっても元気な人だった.

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