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2016年4月24日 (日)

それは無理が

これもニュージャージー州で録音されたブルースで,かなり聞き物ではないだろうか.

Casey Hart, Call Today b/w Blues For My Baby, Choice 14.

Choice14 ケイシー・ハート,なんてあまり聞いたことのない名前だ.1959年,ニュージャージー州イングルウッド・クリフスで1度だけセッションを行って,5曲を録音している.それ以外の録音はないようだ.ネットで地図を見ると,イングルウッド・クリフスというのはハドソン川沿いで,川向こうはニューヨーク,ヤンキー・スタジアムも遠くはない,という場所みたいだ.

そのとき録音した5曲は,このシングル盤の2曲も含め,LPで出ていたらしい.ところが,The Blues Discographyによると,そのLP(Brownie McGhee and Sonny Terry, Hootin' And Hollerin', Choice MG503)では,ハートの録音はブラウニー・マギーとサニー・テリー名義になっていて,ハートの名前は出ていないそうだ.そのLPを持っていないけれど,そうなのか.しかし,これをブラウニー・マギーとサニー・テリーというのは,鵜を烏と言いくるめるように無茶で,ずいぶん無理がある.ブラウニー・マギーとサニー・テリーなんていう声や歌い方じゃないんだから.

Call Todayを聞くと,最初のオルガンとシャウトの応酬からして,教会の音楽が相当に影響していることが明らかだ.ケイシー・ハート,かなりゴスペル気の強い歌手だ.曲は8小節ブルースの形式のようだが,例えばレイ・チャールズのA Fool For Youとかが近いかなあ.いや,もっと似てる曲もありそうだが,ゴスペル・ブルースというのか,初期ソウルにも通じるものがあるように聞こえる.終盤のシャウトとか,強力だ.

Blues For My Babyは12小節ブルースの形式.ハートはパワフルな声で,力強いシャウトも交え,じっくりと重量感あるスロー・ブルースを展開している.ギター・ソロも渋い.良い作品だと思うが.

伴奏陣は以下の通り.

Sonny Terry, hca;
Robert Banks, org;
Chaucey "Lord" Westbrook, g;
Leonard Gaskin, b;
Bobby Donaldson, d.

オルガンのバンクス,ギターのウェストブルック,ドラムのドナルドソン,ベースのガスキンはニューヨーク周辺で色々なセッションに参加している.サニー・テリーは,熱演には違いなくて,歌に対して隙なくハーモニカで応答する.しかし,歌い手の個性とはいささかミスマッチではないかなあ.ハーモニカではなくホーンを使ってもよかったのではないか.

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