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2016年2月14日 (日)

地下ミュージシャン,地表露出の瞬間

痩せた人の後は太った人でバランスをとろう,と思ってハーモニカ・スリムの次はハーモニカ・ファッツ.

Harmonica Fats and Moonshine Willie/Jeane Mitchell and Harmonica Fats, Funky Drop b/w Goodbye Fats, Normar 354.

Normar354 ハーモニカ・ファッツのレコードは前に何枚かやったけれど,これはまだ書いてなかったんじゃないかね.

Funky Dropは題名通りファンキーな曲.ハーモニカ・ファッツがハーモニカと元気良い語りというかラップを聞かせている.もう一人名前の出ているムーンシャイン・ウィリーという人は何をしているのか分からない.ハーモニカ演奏はぱっぱらぱら〜ぱー,とリフを繰り返す部分が多い.間奏でちょっと格好良く演奏にからんでくるけれど,すぐ終わるし,その点は少々物足りない.それでもバンドの伴奏は充実している.

Goodbye Fatsというのはノベルティ・ソウルっていうところか.ジーン・ミッチェルという女声歌手が少し歌った後,ミッチェルがハーモニカ・ファッツの女房役で,「家のもの全部持って出ていってやる!」とファッツとの口論中継になる.まめに聞けば面白いこと言ってるのかも.

熱い演奏をしている伴奏者として,ジョー・キンケイドのソウル・ブラザーズ・バンドの名前がレーベルに記されている.ギタリストでバンド・リーダーのジョー・キンケイドに関する詳しい情報はLiving Blues誌240号(2015年12月),サウス・ロサンゼルスのアンダーグラウンド・ブルース・シーン特集で報じられたばかりだ.

このハーモニカ・ファッツの録音は1970年のものだけれど,記事によればジョー・キンケイドはその45年後の今でもサウス・ロサンゼルスのクラブで演奏しているそうだ.週に少なくとも2,3回,1年に250回もギグをこなすという.今の彼の演奏風景はYouTubeでJoe Kincaidを検索すればいくつか見ることができるだろう.

彼は1938年9月16日,ミシシッピ州ジャクソン生まれ.1950年代にゴスペルのジャクソン・サウザネアーズに加入してアルバム録音も経験しているそうだ.ロサンゼルスにやってきたのは1965年,有名歌手の伴奏などしながら50年もロサンゼルスのブルース界を支えてきた.

レコード上でジョー・キンケイドの名前を見ることはめったになくて,レコードから情報を集めている者からすれば確かにアンダーグラウンドな人ではある.その若い頃の演奏が記録されたということでは価値がある盤だろう.

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