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2015年6月28日 (日)

絶体絶命?

今になってシャーウッド・フレミングなんていう人が現れた.見つかったとしても,レコードを出していた頃から時間が経ちすぎだなあ,と思っていたらCDを出してしまった.今度は同名の訳の分からない人などではなく,聞きたかったシャーウッド・フレミングだ.そのCDを聞いてみると,こういうのが欲しかった,という内容だった.新録ブルースを作る会社もやればできるじゃないか,と思いかけたが,ずいぶんと幸運が積み重なってようやく実現した録音でもある.

当ブログで名前の出た人たち,デル・カニンガムでもフェイ・ロスでもクライ・ベイビー・カーティスでも,彼らが存命で,CD製作者とコンタクトできて,歌える状態で,音楽を通じて伝えるべきものを今も持っている,なんていうことがあるだろうか?これらの条件がすべて満たされる確率はほぼゼロじゃないのか.同じ幸運はもう無いものと思うのが正しいだろう.

フレミングのCD,特に過去の作品の再録音が凄いと思っている.他人の曲も上手く選ばれていて,これらは制作側の提案だろうか.フランク・パットのFlash録音(Specialtyじゃなく)の曲なんかどうやって思いついたのだろう.色々なアーティストの良さをよほど理解していないとできない発想だ.

King Solomon, Non-Support Blues Part 1 b/w Non-Support Blues Part 2, Checker 980.

Checker980 これもシャーウッド・フレミングがCDで歌っていた曲の一つ.歌われている情景が恐ろしい.「今朝,玄関のベルが鳴ったと思ったら,玄関に警官が,裏口の方にもう一人...大男の警官がドアを壊して踏み込んで」と,これは絶体絶命だ.キング・ソロモン自身の歌唱も真に迫り,伴奏のホーンとピアノは,歌の主人公の焦燥と緊張そのもののように聞こえる.教会のプリーチっぽい始まりのPart 2は少し血圧が落ち着く感じ.どちらのパートも素晴らしく,キング・ソロモンのベスト,かつウェスト・コースト・ブルースの古典と言ってよい.

警官がやってきたのは,扶養義務不履行(Non-Support)で女が呼んだから,というストーリーで,キング・ソロモン自身の体験と関係があるらしい.1960年の録音で,元はロサンゼルスのBallレーベルから出て,こうやってCheckerから再発され,かなりのヒットになったということだ.リイシューはNight Trainのキング・ソロモンのCD(NTI CD 7138)があったけれど,音質に難ありだった.昔のP-Vine/ChessのLP(PLP-6064)では良い音で復刻されていた.

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コメント

こういう事件性のテーマはガルフブルースによく見られ、Tin Pan Alley とか Bloodstain… などがありますね。
King Solomon のこの歌も、似たテーマ設定としてルイジアナ録音の以下の曲があります。

http://picosong.com/SvLG

投稿: LazyDog | 2015年10月18日 (日) 18時18分

この系統の歌を集めれば殺伐としたコンピが.

投稿: BackDoorO | 2015年10月18日 (日) 22時11分

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