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2015年5月23日 (土)

ブルース国は忌中(2)

亡くなった,というニュースを知れば,思い出して聞くレコードもある.

B. B. King, You're Gonna Miss Me b/w Let Me Love You, Kent K396.

Kent396 2曲ともアルバムLet Me Love You (Kent KST513)に入っているから,よく知られているだろう.

You're Gonna Miss Meの方を聞くと,

You're gonna miss me, when I'm dead and gone.

というキーフレーズが繰り返される.本当にそうなったな,と故人を偲ぶにはぴったりすぎる.

録音は1961年か62年のことらしくて,本当にB.B.がdead and goneになったのはそれから50年以上も後のことになった.The Blues DiscographyはこれをRock Me Babyと同じセッションのものとして整理しており,そうだとするとピアノはジミー・マクラクリン,ということになる.聞いた感じでは,そうかもしれないけれど,よく分からない.他にサニー・フリーマンのドラム,B.B.自身のギターという簡素な編成で,ホーンも入らないが,いかしたロッキン・ブルースになっている.

曲の方はマディ・ウォーターズが1948年にAristocratレーベルに録音したものだ.マディは,1942年にも,同じ歌のずっとゆっくりしたデルタ・ブルース版を国会図書館用に録音している.マディの曲としては有名ではない方だから,よく取り上げたなと思う.B.B.はAristocratのマディのレコードを聞いて覚えたのだろう.

非常に紛らわしいのはアルバムA Heart Full of Blues (あるいはBlues in My Heart)にYou're Gonna Miss Meという,どう見比べてもまったく同じタイトルの,全然違う曲が入っていることである.そっちは,スロー・ブルースで,歌い出しがYou're gonna miss meと始まるからそのタイトルで仕方ないが,ほとんど同じ時期の録音でもあり,フツーに間違えそうだ.

Let Me Love Youは力強いスロー・ブルース.これはYou're Gonna Miss Meとは別のセッションのようで自身のギター,ベース,ドラム,ピアノにオルガンが入っている.ホーンはなく,ギター・ソロもない曲だが,ブルース国の国王ともなると,たとえホーンやギター・ソロの助けがなくても,こんな一級品を作ってしまう.喉と,多分伴奏者を鼓舞する力があるからだ.B.B.は終始圧倒的な歌の力で押しまくり,曲のテンションは最後まで高いまま保たれている.これはKentレーベルから出た作品の中でも代表作の一つに入るだろう.

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