« もし良かったら | トップページ | 完璧なスタジオ・ミュージシャン »

2012年10月28日 (日)

パワー十分

有名人ですよ.

James Cotton, Complete This Order b/w Laying In The Weeds, Loma 2042.

Loma2042 昔,2曲ともThis Is Loma Volume 3 (Loma K56267)というLPで出ていた.Lomaというレーベルのものを集めたコンピレーションだったけれど,アイク・アンド・ティナ・ターナーなんかに混じって意外と好ブルースがあるんだ,という印象だった.

Complete This Orderはかなり速いテンポのブルースで,ジェイムズ・コットン,怒鳴り込むように勢いよく歌いちらし,ハーモニカを吹く.今は声を出せなくなったコットンだけれど,元気な頃のラフな声のパワーは相当なもので,この曲に限らず歌手としてイケていた.バンドの方も張り詰めた感覚のある,1960年代のシカゴ・ブルースらしいものだ.傑作と言える.

もっとも個人的な好みだと,大好きでもなくて,中くらいに好き,というところ.あんまり荒々し過ぎると思っていて.

Complete This Orderの作者としてはジェイムズ・オーデン,つまりセントルイス・ジミーの名前が記されている.セントルイス・ジミー自身このタイトルの曲を録音していて,ルーズベルト・サイクスのCD,Chicago Boogie, Delmark DD-773(名盤だと思っとります)に入っている.聞き比べると面白くて,ジェイムズ・コットンとセントルイス・ジミー,確かに同じ歌詞を使っている.ところが,ジェイムズ・コットンの方は,大改造されていて,別の曲みたいになっている.セントルイス・ジミーの方はオーソドックスなAAB形式のスロー・ブルースで,まったりと,いつものセントルイス・ジミーという感じ.コットンの方はAA'Bの最初のAを引き伸ばした形で,ヴァースの構成も変わっている.

Laying In The Weedsは,コットンの生ハーモニカをふんだんに聞けるインストゥルメンタル.リトル・ウォルター風の快調な曲で,ハーモニカ,バンドともに熱演.ナイス.

1966年5月の録音で,ギターがサミー・ローホーン,ドラムがサム・レイ.良いメンバーだったんだね.

|

« もし良かったら | トップページ | 完璧なスタジオ・ミュージシャン »

コメント

この人はLittle Walter の補佐をChessで10年ばかりしていたにもかかわらず、Chessでレコーディングさせてもらえなかったんですね。エンタメの素養がないんでしょうか。
むしろローカルに居たほうが自分名義で出る機会が多かったはずです。Chessデビューは厳しい。

投稿: LazyDog | 2012年10月29日 (月) 03時12分

Chessで,スタジオには居たけれど,自己名義のレコーディングなし,といえばロバート・ロックウッドもそうですね.あの人は少し歳はいってたかもしれないけれど,歌えたのに.これは売れる奴だ/売れない奴だ,という基準がChess社長にあったんですかね.

Chessでは鳴かず飛ばずでも,コットンはその後非黒人市場では有名になりましたから,幸運な方だったと思います.

投稿: BackDoorO | 2012年10月29日 (月) 19時15分

chessのステータスが出来上がっていて、キャッチーな音作りを競う時代だったので、BluesマンといえどもMessin with kid くらいはやらないと、伝統的スタイルはChicagoのそこそこレーベルでは没になったんでしょう。

田舎ボビーブランドみたいなんじゃ白人しか聞いてくれないってことか。ちなみにCottonのVerveForcastの最初のLPは大好きなんです。

投稿: LazyDog | 2012年10月29日 (月) 23時11分

昔,ジェイムズ・コットンが来日したとき,Turn On Your Lovelightを歌って,あれ,こんなのやるの?と思ったら,後になってVerve Forecastでやってたと知りました.Chessで,モンク・ヒギンズとかに任せて新しめの音でやっていればねえ.

投稿: BackDoorO | 2012年10月30日 (火) 20時33分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/103105/55992230

この記事へのトラックバック一覧です: パワー十分:

« もし良かったら | トップページ | 完璧なスタジオ・ミュージシャン »