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2011年10月 2日 (日)

スイーツはいかが?(その3)

アーティスト名の表記は微妙に違うけれど,これもスウィーツ・リードという人のレコード.

A. Sweet Reed, Mean Woman b/w Teen Age Drag, Sweet 650.

Sweet650 アーティスト名がSweetで,レーベル名がSweetならば,アーティスト自身のレーベルということだろう.Fantasticレーベルの作品と同じ声,同じ歌い方だけれど,FantasticのものがR&Bっぽく仕上っているのに対し,こっちはかなりダウンホーム.このレコードの方がリードという人の普段の姿に近いと思われる.

バンドの編成は,ピアノ,ギター,ベース,ドラムとなっていて,このピアノはFantasticのThat's Why I'm Messin' 'Round Hereで聞けるピアノと同一人物が弾いていると思われる.同じピアノがFantasticと共通に聞かれることからスウィーツ・リード自身が弾いているんじゃないか,と考えているが,どうだろう.

Mean Womanはスロー・ブルース.レイドバックした,とろんとした雰囲気は自分的にはツボに近いところまで来ているのだが,どうもなあ.最初に「Mean woman♪」と一言歌ってから次の文句が出てくるまで,いやに間が空くんだ,この歌.全体的に,こんな間延び感があって,煮え切らないというか,じれったい.

Teen Age Dragは題名に反し,1960年代終りのティーンエイジの方々には古過ぎて縁の無さそうな,シャッフルのインストゥルメンタル・ブルース.何か盛り上がらないのは,奏者達の演奏能力の問題だろうなあ.ギターがかなり多めにソロを取っていて,野卑な音色が持ち味だけれど,特別上手いわけではない.もしスウィーツ・リードがピアノ奏者だったとしたら,たとえ長いソロを弾くほど手持ちフレーズがなかったとしても(実際そんな風に聞こえる),ピアノをもっと前面に出した方が良かったんじゃ,と思える.

というわけで,レコードの出来としては微妙なところ.それでも,1960年代終りに録音されたものとしては,かなり古いスタイルの異色作,という点で面白いことは面白い.

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コメント

 Sweet Daddy Reedという人が45を出しています。残念ながら持っていないので聴き比べできませんが、名前が似ているので気になっています。情報を持っている人はいるでしょうか。
 ついでながら、以前にコメントしたSister Mable Franklinに関してですが、ふと思いついてLP"Gulf Coast Blues(Sunnyland102)”のマイク・レッドビターによるMabel Franklinの紹介文を見たら”ex-gospel singer"と書かれていました。問題解決です。
 ところで、このLPはIvory関係のアーティストのフィールドレコーディングを多く含み、写真もたくさん載っているので大切にしている1枚ですが、99枚しか作られなかったというのは本当なんだろうか。そうなら、お宝なんですが。

投稿: 長岡KH | 2011年12月 6日 (火) 21時01分

> Sweet Daddy Reedという人が45を出しています。

あ,本当ですね.これはレーベルがニューオーリンズの超マイナー(Aych,Lerory Aychという人がオウナーらしい)だから,どんなもんでしょうねえ.そっちのローカルな人かもしれませんね.誰か持っていそうですが.

> 99枚しか作られなかったというのは...

うわ,そんな話があるんですか.そう聞くと猛然と欲しくなるような...

投稿: BackDoorO | 2011年12月 6日 (火) 21時46分

Sweet Daddy Reed 同じ人のように聞こえます。この方が録音は古そう。

投稿: LazyDog | 2012年1月24日 (火) 21時31分

> 同じ人のように聞こえます。この方が録音は古そう。

おお,そうなのですか.情報ありがとうございます.

色々良く知っている人がいてありがたいです.またよろしくお願いします.

投稿: BackDoorO | 2012年1月24日 (火) 21時45分

LP"Gulf Coast Blues(Sunnyland102)”が99枚といいうことはないでしょう。雑誌に広告が載っていたし、サカネ楽器にも入っていた。私の知人数人もその頃買っていたし…。
Sunnyland101Chicago Anthologyの方がその後にどこでも収録されていない曲が多くて魅力的。

投稿: LazyDog | 2012年1月27日 (金) 11時28分

> LP"Gulf Coast Blues(Sunnyland102)”が99枚といいうことはないでしょう。

お,新証言ですね.このLPが出た時代に私は間に合っていないので,何とも判断できません.

Blues WorldのLPオークションにこのLPが出ていて,その説明文は99枚説ですね.

http://www.bluesworld.com/LPAuction1.html

最初のプレスはごく少数だったけれど案外需要があって再プレスしたのか,サカネ楽器が99枚中10枚くらい押さえていたのか,誰かがrepro盤をこさえちゃったのか,いくつか可能性は考えられるのじゃないでしょうか.

Sunnyland LP101というのも当然のように私は持っていませんが,ここ

http://www.wirz.de/music/sunnyfrm.htm

で収録曲を確認しました.なるほど,これは...細かいレーベルの,ちょっとリイシューされにくいのが詰まっていますね.こーゆーものの価値を見出し,LPなんか作っていたレッドビターらのヲタクぶりは立派なもんです.

私はサカネ楽器って行かずじまいでしたよ.モグリのようですが,ずっと関東在住だったし,まあ,今も昔もライトなファンですから.

投稿: BackDoorO | 2012年1月27日 (金) 20時40分

 お騒がせしています。でも、こういうのは楽しいですね。
 私が知っているのは、74年の出た雑誌「ブルースのすべて」の中の広告に載っていますね。古い話です。
 ソースは、上記Pete Weldingコレクションからのオークションです。
 私はその昔、イギリスから手に入れましたが、そんなに苦労したわけではないので、半信半疑です。ファーストプレスとかがあるのかもしれません。

投稿: 長岡KH | 2012年1月27日 (金) 22時03分

ウェルディング所蔵盤のオークション,ジャケットの体裁とか詳しく注釈してオリジナルと推定していますから,その辺の異なる再発盤もあったんじゃないかと思います.

では,また.

投稿: BackDoorO | 2012年1月27日 (金) 23時03分

SunnylandはBluesのbootlegでも有名なものですから、流通はしていましたが、初版99とかいうのはあり得ますね。それはサンプルとして配って、注文を取って本格プレスをする、受注生産的な意味で。その場合、レーベルもジャケも印刷なしです。他のbootlegもそんなのはありました。

投稿: LazyDog | 2012年2月 3日 (金) 19時38分

78rpmでも45rpmでも白レーベルにアーティスト名かなんか手書きしてあるのがあるかと思いますが,その類ですか.
では,また.

投稿: BackDoorO | 2012年2月 4日 (土) 12時44分

>白レーベルにアーティスト名かなんか手書き

通常はTESTPRESSというやつですね。それが市販のtakeと異なっていると値打ちがあるかもしれませんが、通常はdj以下の値段のはずなので、Sunnylandにはあてはまらないのでは?

JVBは鉛筆でアーチスト・タイトルを書き込んだものを商品として売っていたということです。印刷代をけちって…

投稿: LazyDog | 2012年2月 5日 (日) 19時17分

> JVBは鉛筆でアーチスト・タイトルを書き込んだ...印刷代をけちって

あはは,手,疲れそう.それが可能な数量がしのばれます.

投稿: BackDoorO | 2012年2月 5日 (日) 23時23分

 しつこいようですが続けます・・
 Blues Unlimited No.104(1973)を引っぱり出してみました。
 アルバムレヴューでレッドビターがSunnyland102を紹介していて、”originally put・・・about three years ago"と書いています。71年と思います。
 同誌No.45~47(1967)で、レッドビターがヒューストンを訪れた時のことを嬉々として語っていて、読むこちらも熱くなります。
 No.46には、7/16にJewish Community Centerというところで開催されたブルースショー(a longと書かれています。羨ましい!)の模様が詳しくレポートされていますが、このレコードに収められたIvory関係の人たちの演奏は、その日の夜に録音されたものです。

投稿: 長岡KH | 2012年2月 7日 (火) 22時45分

> 7/16にJewish Community Centerというところで開催されたブルースショー...
> その日の夜に録音された...

貴重なドキュメント,ということではこの上ないものですなあ.

同時に,これはヒューストンですが,同じ頃,きっとダラスでもオースティンでも他の州の都市でも,いろいろあって,我々が知ることもなく,その場かぎりで消えていった音楽がごろごろとあったのじゃないか,と.

投稿: BackDoorO | 2012年2月 8日 (水) 20時10分

これは録音しているのだから完全な海賊版とはいえないのではないかと思っています。ともかく内容的には大変貴重なものですね。
その頃のBootleg事情の記事にも、特にプレス枚数のことは書いてないようです。
http://www.wirz.de/music/_mags/b&r/bootin.pdf

投稿: LazyDog | 2012年2月 9日 (木) 20時48分

> その頃のBootleg事情の記事...

Blues & Rhythm誌のリプリントですか.面白いですね.確かに記事にも,使われている広告にも,Sunnylandが何枚とも書いてありません.それで,最初のリードの部分に(引用始め)平均的な「ブート」,まあそういうものがあったとして,は大抵99枚限定と宣伝されたものだ(引用終り),とあります.これから私が理解,いや想像するのは,Sunnylandはいっぱいプレス(つっても1000枚くらいか)していて,それを早く売りさばくため99枚と言っていたのではないか,ということです.広告には書かなくても,ディーラーに口頭でそんなことを言ってたとか.それが99枚説の真相のように思えてきましたよ.

投稿: BackDoorO | 2012年2月 9日 (木) 22時30分

随分前のことにレスですみません。
僕、このアルバムを持っていますが、上記のサイトに出てくるものとは随分違っているコピーを持ってるように思います。
僕のはホワイト・スリーブですが、折り返しが付いている凝った作りで、見開きの右側にメイベル・フランクリンなど4枚の写真が印刷。
その他に2枚のプリントが付いていて、1枚が両面写真、もう一枚が両面文章となっています。
大分違いますでしょ?
以上より少なくてもこのアルバムには2回以上のプレスがあったと思われます。
僕の入手は72年、値段は2.5ポンドでした。
それから上記のサイトに出てくるようなひどい素人風のプリントではなく、僕のは上質のアート氏にきれいにプリントされた写真や文章が付いていて、今までこれがオリジナルだとばかり思っていましたが、果たしてどうなのでしょう。
プレス枚数については、僕には何の知識もありませんが、少なくてもKS100は「once again been made available due to continual demand」と色々なところでキース・ティリングの「PYTHON」グループは宣伝していました。
又聞きですが、そして時代は少し違いますが、日本で一番輸入量が多かったこの手のブートは「Fenton Robinson/Larry Davis」(Python 24)だそうです。(当時の「新宿レコード」のお父さん曰く、です)
リンクされているブート事情も懐かしく読みましたが、僕の記憶と結構違っていてちょっとびっくりです。
初期の重要なブート・リイシュー・レーベルである「NEGRO ART」などが抜けているのも変だと思いましたが、あれはスイスのレーベルでしたね。
イギリス人が書くと忘れられちゃうのかな。
あのレーベルのコンプリート・コレクションは30年以上前の夢でした。
昔々のことですね(遠い眼)。

投稿: むらたまこと | 2012年3月 5日 (月) 22時31分

> ...2回以上のプレスがあったと思われます。
> 僕の入手は72年、値段は2.5ポンドでした。

何度か体裁を変えて出したのでしょう.きれいに写真と文をレイアウトしたものを,後でウェルディング所蔵盤のごちゃごちゃしたレイアウトにはしないような気がするので,むらたさんのは新しく作り直した盤では,とも思いますが,まあ,私には分かりません.

> 「Fenton Robinson/Larry Davis」(Python 24)

ああ,これは見たことがあったと思います.評論家の書くものの影響もあって日本で売れたんですかね.

リイシューも色々進んで,昔のブートLPの価値は薄れているのでしょうけれどねえ.今は今で変なCDはありそうですが,追いきれません.

投稿: BackDoorO | 2012年3月 5日 (月) 23時31分

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