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2011年5月15日 (日)

九段会館大ホール

東日本大震災から2カ月が過ぎた.3月11日の地震発生時,東京では九段会館大ホールの天井が揺れに耐えられず落下し,死者が出る惨事が発生した.その後,同会館は営業を再開することなく閉館したというニュースが伝えられた.

そうかあ,九段会館,閉館かあ.あそこはコンサートで何度か行ったよなあ.シル・ジョンソン,アルバート・コリンズなんかは同会館で見た.エディ・ヴィンソンとピー・ウィー・クレイトンが来たときの会場も同会館だった.

Bshow83

エディ・ヴィンソンとピー・ウィー・クレイトンのときは,とにかくマイクひっつかんで叫喚怒号するヴィンソンが強烈過ぎて,ピー・ウィー・クレイトンの方は印象薄れがちだ.クレイトンに関してはどうも盛り上がりきらないような面はあったんじゃないかな.それでも見ておいてよかったには違いない.

Pee Wee Crayton, Little Bitty Things b/w Tain't Nobody's Biz-ness If I Do, Jamie 1190.

Jamie1190 ということで,閉館した九段会館のニュースで思い出したからピー・ウィーのレコードを,と思ったけれど,こんなのしか持っていない.あまりリイシューされていないレコードだと思うけれど,それも当然,という内容なんだよなあ.

Little Bitty Thingsはロックンロール調の曲.チャック・ベリーのSweet Little Sixteenとか,そんな感じのメロディー.ポップなアレンジでどうも安直なロックンロール市場狙いっぽい.

Tain't Nobody's Biz-ness If I Doの方は,当然ジミー・ウィザースプーンやベッシー・スミス等で有名なあのスタンダード曲.ポーター・グレインガーらが楽譜として発表して,アンナ・マイヤーズという人が1922年に録音したのが多分一番古く,同じ年の12月にはファッツ・ウォーラーの伴奏でサラ・マーティンが録音している.翌1923年になるとベッシー・スミス,アルバータ・ハンター,チャールズ・A・マットソンズ・クレオール・セレネイダーズ他が録音して,もうこの時点でスタンダード化しているようだ.元歌はグレインガーらによる楽譜よりも古く,ポール・オリヴァーによれば(Songsters & Saints, Cambridge),1900年代には既にあってハワード・オダムが歌詞を記録しているそうだ.フランク・ストークスの'Tain't Nobody's Business If I Doとかミシシッピ・ジョン・ハートのNobody's Dirty Businessなどは,元歌の方がどんなものだったか,グレインガーらの楽譜版とどれだけ異なるか伝えるものだろう.なお,これらの歌とバート・ウィリアムズが1919年に録音したIt's Nobody's Business But My Ownは,タイトルはそれらしく見えるが,音楽的には全然関係ない.

さて,ピー・ウィー・クレイトンのTain't Nobody's Biz-ness If I Do,これが女声コーラス入りの無駄に騒々しく陽気なアレンジで,ポップR&Bという作り.こちらも安易なヒット狙いのように思われる.落ち着いた伴奏が付けていればピー・ウィーの歌に合いそうな曲なんだが.

ピー・ウィーの売り物のギターについて言えば,Little Bitty Thingsのイントロで少し聞こえるくらい.これではピー・ウィー・クレイトンのレコードとして聞く意味がないようだが,彼がこんなのもやってた,というのは情報になるかな.1961年の録音だそうだ.

昔,あるコンサートで,1階の席が売り切れで,高いところからステージを見下ろす席になったことがある.演奏が始まり,やがて音楽の方が熱く盛り上がるにつれて聴衆も思わず音楽のリズムに体が動く.そうすると,その会場,床がゆらゆら動くのだ.なんだ,この会場,壊れないか,などと気味悪かった覚えがある.もう記憶が定かでないけれど,それが九段会館の2階席か3階席でのことだったのじゃないかと思う.だとしたら,あそこ,やっぱり強度不足だったんじゃないか.

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