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2011年1月16日 (日)

ソングライティングの極意

インディアナ州ゲイリーは北西の隅,イリノイ州のシカゴに比較的近いが,同じ州の東部,オハイオ州寄りにフォートウェインという所がある.それほど大都市ではないと思う.1980年頃,そのフォートウェインのクラブに出演していたブルースマンがいる.サンディー・ジョーンズだ.

Sandy Jones, Walkin' The Back Street Cryin' b/w Love Technician, Champ 1235.

Champ1235 YouTubeに上がっていた2010年のシカゴ・ブルース・フェスティバルの映像を見ていたら,ジョニー・ロウルズが出ていて,Walking The Back Streets & Cryingを歌って大盛り上がりだった.これは,もちろんリトル・ミルトンがStaxに録音して有名になった曲だ.他にアルバート・キング,カール・ウェザースビー,ココ・テイラーなども録音していて,スタンダード曲として定着しているようだ.サンディー・ジョーンズとはそのWalking The Back Streets & Cryingの作者としてクレジットされている人名である.同じ人名は,アルバート・キングのLaundromat Bluesの作者としても記されている.

Laundromat BluesWalking The Back Streets & Cryingの作者,ということ以外あまり知られていないサンディー・ジョーンズだが,男性のソングライター,シンガー,ピアノ奏者で,この通り自己名義のレコードもある.この人に関してはLiving Blues誌54号(1982年秋冬号)に出ている短い記事くらいしか情報を持っていないのだけれど,アーカンソーの出身で,年齢はその記事の当時五十歳台というから1920年代後半くらいの生まれだろうか.その記事には写真も付いていたので引用しよう.

Sandy Jones photo

このレコードは1980年前後のもので,Champはテネシー州ナッシュヴィルのレーベルだ.ジョーンズは同じレーベルでもう1枚レコードを出している(Champ 1218).

さて,Walkin' The Back Street Cryin'は,ビミョーにタイトルが変わっているが,リトル・ミルトンらのWalking The Back Streets & Cryingで,作者自身が歌ったもの.しかし,まあ,歌唱でもアレンジでもミルトンのが凄すぎるからねえ.どうしたってこの作者自身のバージョンは劣勢だ.サンディ・ジョーンズ自身は,飄々としたと人のようだが,この大作を歌うにはなんだか頼りない.ピアノの腕前も,ちょっと怪しい.それでも聞けないということはなくて,愛すべきB級作品というところではないかな.

Love Technicianはリラックスしたシャッフルのブルース曲で,演奏の雰囲気は悪くない.これで,歌手としてもう少し特徴とか魅力とかがあればねえ.

サンディ・ジョーンズ自身は偉大なブルースマンとは言えないだろうが,人々の印象に残る歌を書いたソングライティングの力は記憶されるべきだろう.

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