« 得意の節で絶好調(3) | トップページ | 買いますか? »

2010年10月 2日 (土)

歌手とセッション・マン(1)

昔,あ,昔というのは30年前とか,そのくらいだけれど,ブルースのことを書いた雑誌ではジョニー・ハーツマンが名ギタリストとして無闇に評価が高かったと記憶している.その後,彼は日本国にもやってきたし,CDも出て,実像ははっきりしたと思うが,だからといって,それほど人気者にはならなかった.個人的には,個性的なテクニシャンであった,ということは全力で肯定するけれど,好きかというと,うーむ,好きな演奏もかなりある,くらいの感じで,大好きとは言えない.キーボード,フルート,ギターの奏者で,純粋なブルース屋ではなく,ジャズみたいでもあり,ファンクっぽくもあり,セッションに呼ばれれば適当に空気を読んで何でもやる人だったと思われる.

Jessie James, A Sad Sad Situation b/w My Future, Shirley 110.

Shirley110 これもジョニー・ハーツマンがギターで参加のセッションで1960年代前半のもの.ジェシー・ジェイムズは,その後のレコードではジェシーの綴りがJesseになっている.長い間ソウル・シンガーとして活躍して,ディープ・ソウルのファンにはよく知られているだろう.ジョニー・ハーツマンとのつながりは深いようで,1968年ごろ20th Century Foxで作ったLP(20th Century Fox S3197)の伴奏でもハーツマンらしいギターが聞こえる.たしか,1996年にハーツマンが亡くなったときは彼に捧げるアルバムも作ったようなことを雑誌のCDレビューで見た記憶がある.

ジェシー・ジェイムズは普段それほどブルースっぽいところはないと思うが,A Sad Sad Situationはブルースだ.スムースなウェスト・コースト・ブルースで,歌の節回しなどはなかなか巧み.ただ,どうも,スムースすぎるというのか,シャウトしてもさほど感情の高ぶりが感じられず,ブルース・フィーリング欠乏ぎみなのが難点だ.ハーツマンはいつものようにクールに合いの手を入れる.

My Futureは軽快なシャッフルのリズムを使った,ブルースともR&Bとも言えるような曲.まずまず楽しい,というところか.

ジョニー・ハーツマンについて,なるほど,と思ったのは,ブルース&ソウル・レコーズ誌No.93に出ていた彼のCD,Music Of My Heartの評.曰く「ブルース指数の高さにまず驚かされる」.そうそう,この人単独だったら,あまりブルースっぽいときは驚く,というのが正しいのじゃないかと思う.

|

« 得意の節で絶好調(3) | トップページ | 買いますか? »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/103105/49630930

この記事へのトラックバック一覧です: 歌手とセッション・マン(1):

« 得意の節で絶好調(3) | トップページ | 買いますか? »