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2010年6月13日 (日)

普通が良いかも

売れたレコードが出ると,それにあやかって自分も,とゆーのはよくあることだろう.G・L・クロケットがIt's A Man Down Thereをヒットさせると,すぐマイナーなアーティストがアンサー・ソングを出している.

Prez Kenneth, I Am The Man Downstairs b/w I Am Looking For My Baby, Biscayne 005.

Biscayne005 プレズ・ケネスというのはケネス・キッド(Kenneth Kidd)というシカゴのベーシストなのだけど,有名だとは思えない.伴奏者として参加しているのを含めても録音は多くないだろう.Biscayneレーベルで自己名義のレコードを3枚出している.

I Am The Man DownstairsがG・L・クロケットのIt's A Man Down Thereへのアンサー・ソング.クロケットの歌が,女の家にいたら亭主が1階に,というのに対してプレズ・ケネスの歌は1階の亭主は自分だ,ということになっている.それで,このアンサー・ソング,元歌に似たロッキン・ブルースだけれど,G・L・クロケットのおこぼれでヒットを狙うのはちょっと無理だっただろう.というのは,プレズ・ケネスの歌は素人っぽくて,クロケットみたいな独自の味わいはないから.それでも,悪いとか,聞けないほどダメということはない.それに,ギター,ハーモニカ,ピアノを含むバンドの演奏は躍動感があって,伴奏の方はクロケットの録音にも負けないくらい良い.

I Am Looking For My BabyDust My Broom風のイントロで始まるブルース.これも引き締まった1960年代のシカゴ・ブルースの音が聞ける.歌は,この時代の人としては弱い方だけれど.

レーベルのBiscayneはディスク・ジョッキーのビル・タイソンがやっていたということで,何枚がブルースのレコードを出している.ビル・タイソンの名前はプロデューサー/コンポーザーとしても名前が記されている.The Blues Discography 1943-1970のよると,このプレズ・ケネスのレコードは1964年か1965年の録音,となっているが,G・L・クロケットの曲は1965年にチャート入りしているから,1964年とは思えない.メンバーは,次の通り.

  Prez Kenneth Kidd, Voc, b;
  Birmingham Jones, hca;
  Kermit Chandler, gtr;
  unknown, p;
  Leroy Spottsville, d.

無名ぞろいの割に頑張っている演奏からして,1960年代のシカゴ・ブルースの層の厚さは分かるんじゃないか.プレズ・ケネス自身は平凡なアーティストかもしれないけれど,フツーの人のフツーのブルースとして楽しむべし.

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コメント

連日失礼いたします。
昨日の「Margaret 997」については大変に失礼をいたしました。
続き番号だったので、ついメナードだという思い込みで・・・超恥ずかしいです(笑)。
で、今度はプレツですか・・・ますます「渋く」なりますね。
彼あるいはBISCAYNEレーベルについては、来週とかに続かれるのでしょうか?
僕はプレツに関しては「Biscayne 015」というシングルを見たことも聞いたこともないので、実に興味大なんです。
「Biscayne 009」や「011」の「Devil dealing part 1 and 2」もパート1と2では違う曲のような気がするし、最近の「Chicago blues / Rockin' after midnight」 (St. George 7708)までの彼のレコーディングがあるなら聞いてみたい、ということもあります。
というのは、イギリスのブルース・ブームの初期の頃(1960年代後半)、BISCAYNEに2枚のシングルを残したTALL PAUL HANKINSのブート・シングルがイギリスで出たり(レーベルは確か「XX」?)、このプレズもオブスキュア・アーティスト好きなマニアの間で評判となって、当時イギリスでいくつものブート・レコードを作っていた某キース氏によって、とてもラフな音質のシカゴのクラブでのライブが存在した(レコード?LP? シングル?テープ?)と記憶しているからです。
さっき昼休みに少し探したのですが、見つかりませんでした。
僕の記憶違い?
レーベルはPYTHONじゃなかったし、どこだったかなあ・・。
で、20年以上ぶりに彼の「I am the man downstarirs」を聞きました。
仰られるように、「1960年代のシカゴ・ブルースの層の厚さ」が僕にも分かる気がして、記憶以上でした。

投稿: むらたまこと | 2010年6月14日 (月) 14時49分

> 彼あるいはBISCAYNEレーベルについては、来週とかに

う~ん,Biscayneのレコードがほんの微量あるだけなんで,続けるに続けられなくてですね.

> 最近の「Chicago blues / Rockin' after midnight」

St. Georgeでそんなのが出ていましたか.知りませんでした.

> TALL PAUL HANKINSのブート・シングル...
> このプレズもオブスキュア・アーティスト好きなマニアの間で評判となって、当時イギリスでいくつものブート・レコードを作っていた某キース氏によって、とてもラフな音質のシカゴのクラブでのライブ...

うわ,エゲレス人てのは,不思議ですね.もっと分かりやすい人のレコードを作るんなら分かるんだけど.ライブの方はディスコグラフィには載っていないし,怪しさ満点ですね.

投稿: BackDoorO | 2010年6月14日 (月) 20時28分

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