« 悪行も善行も | トップページ | 長いキャリア,蓄えた力 »

2010年3月21日 (日)

記憶よりも良かった

Numeroの写真集+LP,Light: On the South SideのLPの方だが,シカゴで1970年代から1980年代に掛けて録音された,ファンクやソウルにブルース成分を濃度高く注入して出来たような音楽が集められている.上手く選曲されていて,写真集の視覚的効果もあってか,この手の音楽の魅力を認識させられる.何曲かはシングル盤やCDで聞いていたけれど,アーティー・ホワイトのGamma盤とかデトロイト・ジュニアとか,シングル盤で聞いたとき「うん,まあまあだな」くらいの感想しか持っていなかったのが,このLPの中で他の曲と一緒に聞くと,大変良い曲のように聞こえる.ウィリー・デイヴィスっていう人のI Learned My Lessonというのも,記憶していたよりも良く思えた.

Willie Davis, I Learned My Lesson b/w Why Did You Leave Me?, Cher Kee 613.

Cherkee613 NumeroのLP袋にはDaranレーベルで出た盤の写真が使われているが,解説書によるとこのCher Kee盤がオリジナルだそうだ.Cher Keeはドラマーのチコ・チズムのレーベルで,1980年頃からブルース畑の歌手のシングル盤を(チズム自身のCDも?)出していた.これは1984年のものとのことだが,録音はもう少し前かもしれない.

これを入手したのはもう十数年か20年くらい前じゃないかと思う.そのときにI Learned My Lessonを聞いて,「ハズレではないな」と思ったのだが,何だか脂っ気が強過ぎるような気もして,そのうち聞かなくなってしまい,ほぼ忘却状態だった.今になって聞き直してみると,これがなかなか良い.曲調としては,マイナー・キーの,非常にブルージーなソウル・バラッドというような感じだ.ホーンや女声コーラスのアレンジもしっかりとされていて,ウィリー・デイヴィスは熱い歌を聞かせている.途中で入る派手なギター・ソロが効果的だが,メルヴィン・テイラーが弾いているそうだ.

裏側のWhy Did You Leave Me?はオーソドックスなシカゴ・スタイルのアップテンポのブルース.普通に良く聞くようなシカゴ・ブルースで,安心感はあるけれど,特別どうということもない.こちらもギター・ソロは結構聞かせる.なお,この曲はチコ・チズム関係の録音を集めたCD,Chico Chism's West Side Chicago Blues(Southwest Musical Arts Foundation 03)に入っているようだ.という訳で,このシングル盤,両面ともリイシューされたことになる.

ネットでウィリー・デイヴィスの情報を探していたら「ジム・オニール提供」とキャプションのついた彼の写真があったのでURLを貼っておく.衣装もヘアスタイルもバッチリ決めて写っている.   
http://www.bobcorritore.com/images/CCWBP17.gif

|

« 悪行も善行も | トップページ | 長いキャリア,蓄えた力 »

コメント

ド・ブルースなんだけど、R&B味もあって、割と好意的に見ているシンガー・ギタリストです。
初めてシカゴに行った時「チェッカーボード・ラウンジ」でステージを見ました。
ギミック無しのただただブルースのステージ、ギターも歌もかなりなものでした。
ステージの合間にこの辺のシングルの話を彼に振ってみたのですが、見知らぬ東洋人をいぶかっている風がありありと見えたので、写真を撮らせてもらっただけで終わりにしました。
僕ら外国人ファンが行きやすいところにあるポピュラーなクラブには出ない人のようです。
移転した「チェッカーボード・ラウンジ」の周囲の夜は結構怖い雰囲気です。
「怖い」というより「やばい」といった方がいいかもしれません。
Cher Kee盤はブルーのレーベルカラーもあるそうですが(僕のはこの写真と同じ黄色)、いずれにしてもチコのコンピCDに入っています。
あれもあまり評判にならないうちに埋もれてしまったCDですね。

投稿: shackinbaby | 2010年3月21日 (日) 20時30分

> シンガー・ギタリストです。

へえっ,ギター弾くんですか,この人.全然知りませんでした.とにかく,長い間,どんな人だか知らないけれど,レコードで名前だけは知っている,という人でして,...

> ギミック無しのただただブルースのステージ、ギターも歌もかなりなもの...

ううむ,すると,彼の本領はほとんど録音されていない,と考えてよいですね.

> 見知らぬ東洋人をいぶかっている風がありありと...

そりゃ,国際ヒットにほど遠いシングル盤のことを外国人がいきなり話出してもヘンに思われて当然,とも思いますが,ちょっと警戒心の強い人のような気もしますね.シカゴのブルース屋でギターも弾けて,歌もいけて,となれば欧州でも日本でも,Delmarkみたいなレーベルでも引く手あまただと思うんですが.黒人街の外の世界を信用していないところでもあるんですかね.まさかヤバい副業をやっていて,外国人ファンを装ったFBIの探索を警戒しているんじゃ,なんて妄想までふくらみます.

> 「チェッカーボード・ラウンジ」の周囲の夜は結構怖い雰囲気

チェッカーボードってサウスサイドですか.冒険家ぶりは素晴らしいですが,あまり無理はならぬよう.それと,いつか冒険物語をまとめて読みたいものです.

> あまり評判にならないうちに埋もれてしまったCD...

マイナーなレーベルのことですから,やむを得ないですね.チコとCher Keeレーベルのことは,ずっと昔,添田秀樹さんのミニコミで読んでかろうじて知りました.それ以外に日本語で読める記事では見た記憶がありません.Cher Keeといっても日本国のファンにはほとんど馴染がないのではないですか.

今回も興味深い情報,ありがとうございました.

投稿: BackDoorO | 2010年3月21日 (日) 21時41分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/103105/47868522

この記事へのトラックバック一覧です: 記憶よりも良かった:

« 悪行も善行も | トップページ | 長いキャリア,蓄えた力 »