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2010年1月 3日 (日)

閉ざされた国際的歌手への道

シンシナティのブルース/ソウル歌手,アルバート・ワシントンのデビュー録音は1963年にFinchレーベルに行ったYou Gonna Miss Me b/w Rambleだった.マイナー・キーのスロー・ブルースとアップテンポのブルースの組合せで,両面とも独創的な力作だったけれど,売れなかったようだ.このシングル盤はVLM,Bluestownで再発され,オーストリアのWolfでCD化(Bluestown Records Story, Vol.2, Wolf WBJ014CD)されている.

シンシナティでヴィンス・L・モートンという人物が零細なレコード会社を持っていて,自分の名前の頭文字VLMをレーベル名にしていた.ワシントンの2作目はそのVLMから出たものだった.

Albert Washington and His Kings, I Haven't Got A Friend b/w So Tired, VLM 1099/1100.

Vlm1099 I Haven't Got A Friendが売れた,と関係者は言っているようだ.1964年というとBillboardのR&Bチャートが無かった時期だけれど,もしR&Bチャートがあれば,その下位の方にでも入っていたかな.その後長い間売れ続けて,米国の国内だけでなく,カナダ,日本などからも注文があった,ということだ.(誰ですか,日本から注文した人は?)

ソウル・バラッドやファンキーな曲でも非凡な実力を見せるワシントンだけれど,このVLM盤ではそんな様子の見られない純ブルースを両面とも演じている.このときはギター演奏も売り物にしようとしていたみたいだ.

I Haven't Got A Friendは何だかライトニン・ホプキンスみたいなギターのイントロで始まる.全体としては,ミディアム・テンポ,シカゴ・スタイルのブルースに仕上っている.マジック・サムとか,そんな系統のブルースに聞こえる.ワシントンのブルースには他にも強力なのがあるが,歌の味わい,小気味よいリズム,鋭い音色で歌に良く応答するギター,とほとんど文句の無いナイス・ブルースだと思う.

So Tiredの方はワシントンのギターをフィーチャーした,インストゥルメンタルのブルース曲.特に際だったところはないけれど,懐かしいような,ほのぼのと暖かい曲でこれもいい感じだ.なお,The Blues Discography 1943-1970はこの曲がI Haven't Got A Friendの伴奏トラックであるかのようなことを書いているが,それは大間違いで,全然別の曲だ.

バンドのメンバーは,ワシントンの歌とギターの他,ビッグ・エド・トンプソンのギター,サニー・ワットのベース,ティム・プレザントのドラム,となっている.売れた曲が出たら普通は全国ツアーでもして,というのが普通の順序だろうが,バンドのメンバー昼間の仕事を離れられないという理由でそれが出来なかった,というのはなんとかならなかったのか.実力からすれば米国だけでなく海外ツアーもするようなメジャーな存在になれそうだったと思うんだが.

Finch10990 ついでなので,Finch盤のレーベル・スキャンも貼っておこう.WolfのCDリイシューは,もうちょっと良い音だったらねえ.

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コメント

明けましておめでとうございます。新年早々アルバート・ワシントン、嬉しく読ませて頂きました。今年も楽しみにしています。

投稿: 輪高 | 2010年1月 3日 (日) 20時00分

いつもありがとうございます.またコメント書いて下さい.皆様のコメントの方がいつでも情報豊富でして.

投稿: BackDoorO | 2010年1月 3日 (日) 20時29分

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