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2010年1月31日 (日)

芸道開眼まで

ボビー・ラッシュの最初のレコードとされているもの.

Bobby Rush, Someday b/w Let Me Love You, Jerry-O 104.

Jerryo104 1964年の録音だそうだけれど,これが,ファンクのフの字も無い,純シカゴ・ブルース.

Somedayは,ギターとサックスがなにやら切迫した雰囲気で盛り上げる,いかにも当時の若手らしいスロー・ブルース.変なタイミングでびしばし叩くドラムとか,演奏の水準が高いとは思わない.ボビー・ラッシュ自身は元気はあるけれど,後年のことを考えると,特にオリジナリティは感じない.それでも熱い音楽をやるぞ,という意志は伝わって来る.へえ,最初はこんなだったんだ,ボビー・ラッシュって.

終始,派手なスクイーズ・ギターが頑張っているが,そのギタリストについて,Living Blues誌のボビー・ラッシュ・インタヴュー(No.84, 1989)では次のようなやりとりがある.

(引用始め)
Q. このJerry-Oというレーベルのレコードですが,あなたがやったものですね?
A. ああ,思いだすことはないのだけれど,今,思い出した.
Q. ルーサー・アリソンが入っているんですか?
A. 多分,居たね.
(引用終り)

これではインタヴューアに適当に調子を合わせただけのようにも読めるが,ラッシュはルーサー・アリソンを自分のバンドに雇っていたとも言っているから,根拠はそれなりにあるのだろう.聞いた感じもルーサー・アリソン,と言われれば納得できる感じだ.そうだとすれば,アリソンの録音としても,時期が確認できるものとしては最初期のものだろう.

Let Me Love Youの方は速いテンポのインストゥルメンタル,と言ったらよいのかどうか.でかい声で歌っているのだけれど,マイクが入っていないので,インストみたいになってる,というもの.マイク切れてるんだけど,遮音が十分じゃなくてうっすら声が聞こえる.インストと思うには違和感有るなあ.こんなの,よく商品にしたと思う.

レーベルのJerry-Oは,レーベル名のとおり歌手でダンサーのジェリー・Oのもので,ジェリー・Oって有名なんだろうけれど,BSR誌91号,121ページを見るまで知らなかった.本名をジェリー・マレイといってKarate-Boo-Ga-LooFunky Boo-Ga-Looのヒットがある.この,Karate-Boo-Ga-Looとは何だろうか.空手の型をやりながら踊ったりするんだろうか.それじゃレコードでは分からないな.そう言えばボビー・ラッシュの昔のレコードにもSock Boo Ga Loo(Starville/Checker)なんてのがあったな.その曲についてボビー・ラッシュはジェリー・Oが発想のもとになったようなことを言っている.まあ,空手をSockに取り換えただけのような気もするんだが.

自分ではブルースマンではなくて,ストーリーテラーだと思っている,とボビー・ラッシュは言っている.そのストーリーテラーとしての芸を作り上げるまで,色々な芸能を肥しにしてきたのだろうが,Somedayみたいなブルースも芸の主要成分だったに違いない.

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