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2009年11月28日 (土)

ニューオーリンズは懐メロ再生工場(完)

これは本に書いてあったことだけれど,ニューオーリンズ出身のソウル歌手ジーン・ナイトのMr. Big Stuffと言えばR&B全国チャート第1位になった曲だが(ビルボードでは5週間1位),その出身地のチャートでは意外にも2位どまりに終ったそうだ.その理由がニューオーリンズのチャートではスキップ・イースタリングのI'm Your Hoochie Coochie Manがその上に居座っていたから,って言うのだが,信じられん.そのヒットの後は黒人向けクラブに良く出ていたという青い目のスキップ・イースタリング,もう一つ1950年代シカゴ・ブルースの有名作をとり上げている.

Skip Easterling, I Don't Know b/w If I Ever Get Back, Instant 3312.

Instant3312 I Don't Knowウィリー・メイボンが1952年にヒットさせてスタンダードになった,あの曲.一応ウィリー・メイボン作とされる曲だが,クリプル・クラレンス・ロフトンがStrut That Thing(1935年録音)やその再演版のI Don't Know(1939年録音)で同じ歌詞を使っていて,ロフトンの作というのが正確だろう.ロフトンはロイヤルティーを貰い損ねたそうだけれど.そんな曲の歴史にはおかまいなく,またしてもスキップ・イースタリングは原曲とは全然別のものを作り上げている.これは,どういうスタイルとも表現しにくいが,歌い方は一応ソウル歌手の手法,という感じ.伴奏もふくめた全体の音には何となく,てれん,としたユルい雰囲気が感じられる.アレンジは,Hoochie Coochie Manとは違って,比較的ブルースらしさが残るものになっている.そのせいもあって,斬新さには欠けるけれど,それでも十分個性的だ.

サックス・カリという人は,随分長い間,色々な土地でレコードを出していたが,1960年代から1970年代にかけてはニューオーリンズで活動していた.If I Ever Get Backはそのサックス・カリが作った曲.彼は1963年にこの曲を録音したが,発売されなかったようだ.どんな曲かというと,ブルースの感覚がうっすら残る哀愁あるR&Bバラッド曲.イースタリングの歌はR&B歌手の平均から言えば明らかに非力だが,曲の良さで聞ける.

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