ウルフ学校卒業生・その2
ヘンリー・グレイはBlues Unlimitedに1970年に録音したすぐ後,同じ年にArhoolieに3曲(Louisiana Blues, Arhoolie CD 9004),Excelloに4曲(Swamp Blues, UK Ace CDCHD 661)と録音がある.その後,少し間が空いて,1977年にドイツでLPを作った(They Call Me Little Henry, Blue Beat 7732),なんて話があるけれど,それは聞いたことがない.Blind PigのLP(Lucky Man, Blind Pig BP 2788)が出たのは,1988年らしい.Blind PigのLPの前,グレイはフロリダのSunlandレーベルから何枚かシングル盤を出している.
Henry Gray and The Mighty House Rockers, Don't Start That Stuff b/w Talkin' About You, Sunland 103.
Sunlandは,1980年代にベテランの,比較的古いスタイルのブルースをシングル盤で出していたレーベルで,コンピレーションLPも出ていたようだ.このSunland 103には1983年というリリース年が記されている.
ヘンリー・グレイはDon't Start That Stuffという曲を気に入っていると見えて,このレコードの後も何度か再演している.重みのあるナイス・スロー・ブルース.グレイは左手がしっかりとリズムを刻みながら,グリッティな歌を聞かせている.ハーモニカはウィスパリング・スミスだろう.
Talkin' About Youの方は軽快なシャッフルの,ルイジアナ風ブルース.グレイならではのよく転がるピアノがかなり聞ける.
両面とも昔ながらのブルースで,何も新しいことはないが,ダウンホームな感覚は心地よい.特にDon't Start That Stuffには聞きごたえがある.
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ヘンリー・グレイはウルフの録音,例えばI Have A Little Girlなどで小気味よくピアノを叩いていた.ウルフのバンドに出入りしていた間,へべれけになってウルフにお目玉を食らう,なんてこともあったらしいが,バンドのメンバーにいつもきちんとした身なりをさせるウルフの姿勢を尊敬しているようだ.もちろん80歳を超えた今も現役で,今年も新しくCDが出たそうだ.CD時代になってから録音が増えた人で,CDも比較的良いのだが,年齢と共にピアノの腕も声も衰えるのは否定できない.
このレコード,入手して,しばらくしてLPで両面ともリイシューされ(Killing Floor, P-Vine/Chess PLP-6079),ずっと後になってCDでも両面とも出ている(Ain't Gonna Be Your Dog, MCA CHD2-9349).両面とも1967年6月の録音でエディー・ショウのサックス,ヒューバート・サムリンのギター,ボブ・アンダーソンのベース,カッセル・バーロウのドラムなどが伴奏を勤めているとされている.
集められるだけ集めた資料と証言に基づく,偉大なブルース歌手の生まれてから亡くなるまでの物語で,まだ全部は読んでいないけれど,素晴らしい読みものだ.最初の方の少年時代のところなどは可哀想で読んでいられない感じだが,笑い有り涙有りのエピソードをいくつも読んでいるうちに,その人柄と音楽に対する情熱が浮かびあがってくる.ブルース音楽を聞き始めてからずっとウルフは好きだったけれど,それが間違いでなかった,というのか,自分のウルフの音楽に対する愛着は生ぬるかったんじゃないか,とか思えて来る.
このジミー・スリムというのがウェスト・ヴァージニア・スリムことルーシャス・ジョンソンなのだそうだ.ウェストコーストで1960年代に活動していたと思われる人で,歌うだけでなく,ハーモニカも吹くようだ.このシングル盤はKentのLPの前,1967年2月頃にロサンゼルスで録音されたものとされている.
















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