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2009年1月24日 (土)

メル・アレクサンダーと歌手・その6

前回,前々回のジム・ギャンブルのレコードは二十ン年も前に買ったのだけれど,今度はつい最近買ったレコード.メル・アレクサンダーのレーベルのことを書きはじめたから,なるべく安くすぐ買えそうなのを追加しようと思ったのだけど,こりゃ駄盤だったな.

Chick Willis and the Kenyattas, Love Doctor b/w Stoop Down "76", Kris 8101.

Kris8101 チック・ウィリスはアルバムもシングル盤も色々あって,今は新大統領をネタにした曲Obamaを含むアルバム,The Don Of The Bluesが絶賛(?)発売中とか聞く.なんか,いつからドンに,とツッコミたくなるアルバム・タイトルなんだけど.

さて,メル・アレクサンダーのプロデュースによるLove Doctorという曲だけれど,ジャンルとしては,エロ・ファンク・ノベルティ.針を降ろすと一応ファンキーな音楽が始まるが,それに,女の喘ぎ声がかぶさってくる.いいのか,こんなのレコードにして.それを聞いていると,突然でかい声で「ぬっはっはっはっ」という卑猥笑いが入る.何だ,こりゃ.その後低い声でラヴ・ドクター先生の診察風景が,という構成.我慢して聞いているともう何回か「ぬっはっはっはっ」を聞ける.いや,聞けても,嬉しいことはないけれど.allmusicでチック・ウィリスのバイオを見ると,歌詞が猥褻でエアプレイできないStoop Down Babyのオリジナル盤をジュークボックス専用に大量に売った,とか書いてあるから,このレコードもその線を狙ったものだろう.政治家のことを歌うよりは人柄に合った作品のような気もするが,音楽性よりエロ面を狙い過ぎじゃないの.この作品が音楽としては役に立つとは思えないが,可笑しい人だね.

裏返して,Stoop Down "76"の方はプロデュースはチック・ウィリス自身になっている.これは,聞き比べてはいないが,ウィリス自身のレーベルStoop Downから出たものと同じかもしれない.こっちは音楽的にはかなり良い.La Valに録音したオリジナル盤よりも速くして,熱気のあるアップテンポのブルースとしている.ギターなんかは上手いと思わないけれど,そんなことより(聞き取りは間違っているかもしれないが),

Jack and Gill,
Went up on the hill
Gill comes down with $20 Bills
Stoop down, stoop down on the hill

などと小気味よく語呂合わせっぽい韻を踏む,話芸に近いものがこの人の良さなのだろう.

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2009年1月17日 (土)

メル・アレクサンダーと歌手・その5

ジム・ギャンブルがメル・アレクサンダーのKrisで出した3枚目のシングル盤はこれ.

Jim Gamble, It's Hard To Explain Part I b/w It's Hard To Explain Part II, Kris 8106.

Kris8106 It's Hard To Explainの作者はAgee-Harris-Alexanderとなっていて,レイ・エイジーが録音したものがオリジナルだろう.速めのテンポの,マイナー・キーのソウル・ブルース・バラッドになっている.控えめにストリングスも使っているのはB・B・キングのThe Thrill Is Gone以降の流行かも.少々甘口の曲だけれど,ギャンブルの力強い歌いっぷりのお蔭でびしっとした,聞きごたえのある曲になっている.

このレコードは,多分1980年前後にディスク・ユニオンで買ったと思う.買った当時は気に入って何度も繰り返し聞いたものだ.それから30年近く経ったが,よくこの道楽が続いたものだ(長いわりにコレクション少ないけどね).飽きもせず,と言いたいところだが,本当はいい加減飽きてきていて,これからは何を手に入れても,このレコードを買った頃のようにはわくわくすることはないだろうな.

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2009年1月10日 (土)

メル・アレクサンダーと歌手・その4

メル・アレクサンダーがプロデューサーとして制作したブルースの中で注目作は,シンガー/ドラマーのジム・ギャンブルが録音した数曲だろう.

Jim Gamble, Going Down The Road (Prt 1) b/w Going Down The Road (Prt 2), Kris 8091.

Kris8091 KrisでLPを1枚(Gamble & Friends, Kris 8108,持ってないけれど)とシングル盤3枚を残していて,これは1枚目のシングル盤.1970年代半ば位に出たものかと思う.レコードの両面,2パートに及ぶGoing Down The Roadだが,非常に良い出来で,この時代のウェスト・コースト・ブルースとしては最上位の作と言えそう.やや地味かもしれない(いや,でしゃばらない,という方がよい)が,極めてタイトなバンドの伴奏を得て,じっくりとスロー・ブルースを歌っている.ギャンブルは張りのある良い声をしていて,ブルース歌手として実力があるようだ.

ジム・ギャンブルはKris以外では,同じウェストコーストのレーベルHighlandでレコードを出している.そのHighland盤は(When You Move You Lose, Highland 1201)はまったくファンク,というレコードだった.ファンク方面が本職なのかどうか,よく分からないが,KrisでLPを出せたのはGoing Down The Roadのようなブルース曲がそれなりに売れたからではないか,と理解している.Kris録音の後,ジム・ギャンブルが録音で特に優れた成果をおさめたという話を聞かない.

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2009年1月 3日 (土)

メル・アレクサンダーと歌手・その3

メル・アレクサンダーのKrisレーベルだが,UK Kentが同レーベルで出たソウルを集めたコンピレーションを出していた.だけど,ブルース屋も結構多くて,ジミー・エリス,リトル・ジョー・ブルー,ジム・ギャンブルなどはアルバムも出している.その他にもアルバムが出るほどでなかった人が何人かいて,ハーモニカ・ファッツなどもレコードを出している(もっとも,その楽曲がブルースと言えるかどうかはビミョー).テキサス州フェアフィールド出身のこんなブルースマンのレコードもある.

Willie Willis, Black Nights b/w I've Been A Fool, Kris 8116.

Kris8116 ウィリー・ウィリスといっても,あまり名前を聞いたことがない人だ.しかし,このシンガー/ギタリストは何枚かLPやCDを出していて,現役ブルースマンとして今はテキサス州ダラス周辺で活動している.インタヴューを含む記事が,

http://www.geocities.com/bluesdfw/willie.htm

にあるので見て欲しい.へえ,マーシー・ベイビーなんかとやってたんだね,などと思ったりした.The Blues Discography 1943-1970を見ると,1960年代にファッツ・ワシントンのRideレーベルでシングル盤を出したのが最初のレコードのようだ.上のインタヴューで1956年と言っているが,これは記憶違いだろう.

このKris盤の正確な録音時期を知らないのだが,1980年前後のものではないか.Rideに録音した盤の片面はGood Black Nightというタイトルだったそうだが,これはローウェル・フルソンのBlack Nightsに対するアンサー・ソングだったそうだ.それから十何年か経って録音したのは,今度はアンサー・ソングではなく,Black Nightsそのものだった.

そのBlack Nightsだが,ローウェル・フルソンのものを5倍くらいに希釈した感じ.曲は型どおりのギター・ソロで始まるけれど,どうも押しの弱いギターで印象が薄い.歌はちょっと渋目の声はしているが,あまり上手いとは思えない.どうにも平凡なアーティストという印象だが,それでも,結構豪華なホーンを含む伴奏のサポートがよく,中盤以降はなかなか盛り上がって悪くはない.

Ride盤の片面はI Was A Foolという題名だそうだが,このKris盤のB面はI've Been A Foolという題名.同じ歌なのか,関係している歌なのか,Ride盤を聞いたことがないので分からない.I've Been A Foolはファンキーなリズムを使ったブルースで,アルバート・キングあたりがやりそうな曲.歌,ギターともフツー過ぎるが,ちゃんと誠実にブルースを演じてはいる.

このKris盤からは,さほどオリジナリティの感じられない平凡なアーティストと言わなければならないウィリー・ウィリスだが,なにか捨て難いC級の味はあると思う.

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2009年1月 2日 (金)

ブログ初め

Newyear
新年にまつわるブルースってあまりないようだ.クリスマスものは多いけれど.アチラはお正月よりキリスト様だろうから,仕方ない.ブラインド・レモン・ジェファソンにHappy New Year Bluesというのがあるのだけれど,はて,どんな曲だっけ?

1曲だけ,とても好きな新年もののブルースがある.メアリー・ハリスが1935年に録音したHappy New Year Bluesというのがそれ.最初MamlishのLPで聞いて覚えたのだけれど,今はDocumentのチャーリー・ジョーダンのCD(DOCD-5099)で聞ける.

 新しい年がやってきたけれど,私の気持ちに変わりない
 生き方を変える,他に言うことない

チャーリー・ジョーダンとピーティー・ウィートストローの落ち着いた暖かい伴奏にのってゆったりと歌われて,こういうのは良いなあ.

メアリー・ハリスって誰だか分からない.ヴァーディ・リーの変名だ,と言われてもねえ,リーという人だってそんなによく分からないし.

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