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2008年10月11日 (土)

1980年代のシカゴ・ブルース,その1

コンパクト・ディスクが市場に提供されたのは1982年で,その後急激に普及して1980年代終りにはほぼアナログ・レコードに取って代わったようだ.7インチ45回転のシングル盤レコードの歴史も大体1981年~1990年あたりが最後の10年間,ではないだろうか.その時期にシカゴ・スタイルのブルースもいくらか出ていて,1989年のこれもその一つ.

Johnny Christian, All Of Your Love b/w Somebody Call My Baby, Big Boy 52088.

Bigboy52088 ジョニー・クリスチャンについては,

http://hem.fyristorg.com/bukka/bdn3.html

に詳しい.

All Of Your Loveはマジック・サムの,アレだ.これがなかなか良い.意外と迫力あるゴワゴワした声で,バンドの方も荒っぽいが勢いがある.バンドはギター2本,ベース,ドラム,オルガン,サックスというような編成.ナイス・カバーの部類ではないか.

Somebody Call My Babyはリラックスした感じのスロー・ブルース.こちらは歌いっぷりが抑え過ぎのようで,まあまあ.歌の文句はスタンダード曲のGoing Down Slowから借りている部分があるようだ.

レーベルのBig Boyはシカゴのディスク・ジョッキー,ビッグ・ビル・コリンズのレーベルだ.コリンズのことはザ・ブルース誌,No.25 (1977年11月)で中河伸俊さんが書いているのだが,そんな古雑誌(30年前だもんなあ)を持っている人もあまりいないだろう.というより,そんなことを執念深く今でも覚えている自分というのも実にどうもロクなものでない.

Bigboylp1935 この2曲,LPでも出ている.Little Johnny Christian, Somebody Call My Baby (Big Boy LP1935)というのがそれだ.厳密にはシングル盤とLPに入っているのは同じではなく,LPに入っているのはシングル盤のものよりずっと長い.聞き比べた感じでは同じ録音のようで,シングル盤はあちこち切って短くしたものと思われる.このLPの収録曲,毎度お馴染みのTurning Point,オーティス・クレイが歌っていたAll Because Of Your Love,マッキンリー・ミッチェルのEnd Of The Rainbow,それにマジック・サム,と選曲にもシカゴの二線級ミュージシャンらしさが表れている.何だが普段ライヴでやっていることをスタジオで繰り返したような感じで,ラフ過ぎるかもしれないが熱気と生気はあって,好感が持てる面もある.

この録音を1989年に行った後,もう1枚Big BoyからLPを出したそうだが,それは持っていない.その後の彼のレコーディング・キャリアがどうだったのか,よく知らない(すぐ亡くなったそうだ)が,現時点でジョニー・クリスチャンを聞けるCDは簡単には見付からないと思うし,彼の名前がそう話題になることもなかったような気がする.このBig Boy録音や,彼が1980年代に残した数枚のシングル盤がディジタル形式で復刻される可能性は少ないのかも知れない.

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