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2008年9月20日 (土)

意外とモダン・その1

ロイ・ブラウンは1948年にはGood Rockin' Tonightをヒットさせ,代表作は1950年代半ば位までに集中し,ロックンロール時代には入ると,ちょっと落ち目になった,という人だから,例えばB・B・キングなんかより古い世代のように思ってしまう.ジャンル分けされるときはジャンプ・ブルースにいつも分類されるから,モダン・ブルースと呼ばれるものより古いスタイルのようなイメージもある.その一方で,他のジャンプ・ブルース・シャウターより年齢は若かったのも知られていると思う.ブラウンは1925年9月10日生まれということで,例えばワイノニー・ハリスよりも10歳も若い.B・B・キングは1925年9月16日生まれというから,ブラウンより年下は年下だが,1週間も違わない.アルバート・キングなんかはロイ・ブラウンより年上だ.

ロイ・ブラウンはレコードをヒットさせた時期は早かったけれど,年齢的には案外若い世代だったということで,他のジャンプ・ブルース・シャウターより新しい音への対応力はあったと思われる.1960年代以降の彼の録音を聞くと,モダン・ブルースマン,という感じのものがある.

Roy Brown, Good Sweet Loving b/w Separation Blues, True-Love 448.

Truelove448 Separation Bluesはエネルギッシュなアップテンポのブルース.伴奏はリズム・セクション,ホーン,ピアノ,ギターと付くが,完全にウェストコーストのモダン・ブルースのスタイルで演奏される.かなり活きの良いリード・ギターが頑張っている,と思ったら弾いているのはシュギー・オーティスだった.良く聞けば,間奏に入るところでブラウンも「Hey, Shuggie!」という気合い声を発している.1968年の録音ということでロイ・ブラウンは40代前半,全盛期でもおかしくない.実際,持ち前の美声は冴えまくっていて盛り上がる.楽曲は,若干ありきたりのようにも思うけれど,十分良い出来だろう.間奏のところでブラウンがラップ(と言うのか?)をかますのも格好よい.

Good Sweet Lovingの方は,ブラウン自身が作った曲となっているが,これは,そ,ソウルだ.この曲が素晴らしいとは思わないが,1960年代終りの音に対応しようとする姿勢は見える.

Jeff HannuschのI Hear You Knockin' (Swallow)のロイ・ブラウンの章によれば,彼は1961年ごろにカリフォルニアにやってきたけれど,音楽よりも所帯道具や百科辞典のセールスマンをやろうとしていたらしい.1960年代には小レーベルの吹き込みがちらほらあったが,このTrue Love盤も含め売れなかったようだ.しかし,1970年代に入って,ロイ・ブラウンはついにモダン・ブルース・スタイルのヒット作を手にすることに,という話はまた次回に.

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コメント

ほんと、ジャンプブルースでBBキング辺りより古い世代だという印象がありましたが、1925年生まれか。1970年のジョニー・オーティスの「Live At Monterey!」には参加してますが、70年代のジョニーのBlue Spectrumの一連のラインアップには、ルイ・ジョーダンやロイ・ミルトンらはいるのに、ロイ・ブラウンは入ってないのですね。

「モダン・ブルース・スタイルのヒット作」?次のブログが楽しみです。

投稿: 輪高 | 2008年9月21日 (日) 11時09分

Blues Spectrumのシリーズ,ずいぶん色々なのが出たような印象がありますが,なるほど,ロイ・ブラウンは出なかったみたいですね.意外なことです.他社と契約でもあったかもしれません.

1970年代以降のブラウンというと,スウェーデン人のバンドと録音した,なんてのがあったらしいです.それは聞いたことがありませんけど.あと,ライヴ録音があるんじゃないかと思います.歌う力からすれば,もっとガンガン録音すりゃよかったのに,と思わずにいられません.

投稿: BackDoorO | 2008年9月21日 (日) 19時54分

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