« オールド・タイマーの奮闘・その2 | トップページ | 意外とモダン・その1 »

2008年9月14日 (日)

オールド・タイマーの奮闘・その3

Kentレーベルからシングル盤で出たブルースで,めぼしいものは大体P-VineがCDリイシューした,と考えて良さそうだ.めぼしくない(?)のはぱらぱらと残っていて,これもその一枚か.

Charles Brown, Merry Christmas Baby b/w 3 O'Clock Blues, Kent 501.

Kent501 チャールズ・ブラウンは,1944年から1990年代に至るまで,長い間録音を続けて来た.デビュー当時,特にジョニー・ムーアのスリー・ブレイザーズ名義で録音していたときは,ベース,ギター,ブラウンのピアノと歌,というトリオ形式と決まっていたが,いつまでもそのスタイルを続けるというのも無理な話だ.時代と共に,チャールズ・ブラウンの残した録音の伴奏やアレンジが変わっていったのは当然のことだ.1950年代後半以後,変なのもあるが,デビュー当時とバンドのスタイルが変わっても,それなりの良さを発揮した録音はある.1960年代の彼の録音でいうと,ストリングスを大々的に使ったMainstream録音は,日本盤CDも出ていたが,ちょっと嫌だ.しかし,King録音などはかなり良い曲もあって彼の魅力は出ているし,Galaxy録音なども悪くないと思っている.この辺は1960年代のR&Bとして無理がなく,しかもチャールズ・ブラウンらしさも味わえる.しかし,同じ1960年代の録音でも,このKent盤はダメな方だろうなあ.

3 O'Clock Bluesは,もちろんローウェル・フルソンがThree O'Clock In The Morningで,B・B・キングもThree O'Clock Bluesとしてヒットさせ,出世作になった,あの歌.チャールズ・ブラウンにこのネタがあったか,と意外な選曲だと思い,興味を持って買ってみたわけだ.歌の節回しはまったくいつものチャールズ・ブラウンのブルースだが,歌の文句はフルソンやB・Bのものと同一曲で間違いない.不思議なのは伴奏で,1960年代始めくらいのローウェル・フルソンやB・B・キングのKent録音で聞く,あの伴奏そのままなのだ.どうも,Kentのスタジオにいた連中が,あまりブラウンのためのアレンジも考えず,フルソンかB・Bのバックで演じていたパタンの演奏を惰性でそのまま繰り返したように聞こえる.そのバンドの方はピアノ,ドラム,ベースというもので,ブラウン自身はオルガンを弾いている.ピアノはマックスウェル・デイヴィスとか,Kentのいつものメンバーではないかと思う.

Merry Christmas Babyは,もちろん,いつものアレ.こちらも伴奏はいつもの「Kent調」でブラウンがオルガンを弾く,ということで異色といえば異色の再演.

という訳で,このKent盤,チャールズ・ブラウンの新しい面を引き出した,というよりは,スタジオのバンドと安直に組み合わせただけ,という感じで,お薦めできるものではない.それでも意外と聞けてしまうのは,さすがに大物の実力か.

|

« オールド・タイマーの奮闘・その2 | トップページ | 意外とモダン・その1 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/103105/42478067

この記事へのトラックバック一覧です: オールド・タイマーの奮闘・その3:

« オールド・タイマーの奮闘・その2 | トップページ | 意外とモダン・その1 »