« ブルース鑑定人 | トップページ | 十代の演奏,四十代の演奏・続き »

2008年8月15日 (金)

十代の演奏,四十代の演奏

リトル・ウィリー・リトルフィールドは,1931年9月生まれなので,もうすぐ77歳になる.まだ現役なようで,今年もヨーロッパのあっちこっちのフェスティバルにブッキングされている.これは,今から30年前,1977年ごろ,彼が四十代半ばのときに作ったレコード.

Little Willie Littlefield, Mac's Old House b/w San Jose Express, Blues Connoisseur 1008.

Bluesconnoisseur1008 リトル・ウィリー・リトルフィールドは1948年のEddie's録音に始まり,1950年前後のModern録音,1950年代のFederalやRhythm録音,1980年以降の大量の録音,と色々聞くものがある.彼の録音を全部聞いたわけではないのだけれど,彼のベストは断然1948年のEddie's録音,Little Willie's Boogieだと思う.これはEddie'sレーベルのCDで聞いているが,素晴らしいブギウギ・ピアノの演奏で,こんな凄いのはめったにない.この録音のとき17歳だったことになるが,これを聞いていると,17歳にしては凄い,というよりも17歳の勢い,エネルギーだからできることのように思える.十代の若さがなければできない音楽というのもあるのではないか.

さて,Eddie's録音から30年後,ブルース鑑定士レーベルの録音だが,到底Eddie's録音には及ばない.そうは言っても,四十代になったリトルフィールドは,それなりの円熟味はある.リトルフィールドの歌,ピアノにベース,ドラム,サックス,ハワイアン・スティール・ギターという編成のバンドが伴奏をしている.率直に言って,そう上等なバンドとは思えない.誰が何を弾いている,とも分からないが,スティール・ギターはレーベル・メイトのサニー・ローズだろう.

Mac's Old Houseはミディアム・テンポのシャッフルのリズムを持った曲.昔のModern録音なんかでは軽い声質でスムースに歌っていたが,この曲ではずいぶんラフな親父声で歌っている.この辺が歳月の流れの表れている部分だろうか.平凡なシャッフルのブルース曲だけれど,それがよい.間奏ではサックス,自身のピアノがソロをとる.

San Jose Expressは同じようなテンポのインストゥルメンタルで,ゆったりとしたブギウギ曲.サックスやスティール・ギターにもソロを取らせる.気楽なインスト,というところだが,リトルフィールドは安定した左手と,よく転がる右手を聞かせ,ブギウギ・ピアニストらしいところを見せる.サニー・ローズと思われる(分からないけれど)スティール・ギターは,そうねえ,フレディ・ルーレットほどファンキーではなく,L・C・ロビンソンやホップ・ウィルソンほどブルーでもなく,朴訥な感じ.

このレコードの難点の一つはミキシングで,ステレオ録音だが,ヴォーカルがセンターではなく左側から出てくるのも問題だが,バランスも変だ.リトルフィールドはなかなか良いピアノを弾いているのだが,その録音レベルが低くって十分に楽しめない.

というわけで,少々難ありのレコードだけれど,リトル・ウィリー・リトルフィールドのファンならば当然聞く価値がある.

|

« ブルース鑑定人 | トップページ | 十代の演奏,四十代の演奏・続き »

コメント

へえ、スティール・ギターが入ってるなんて意外です。
それほど興味のあるレーベルではなかったんですが、
これはぜひとも入手して聴いたみたいものです。
情報ありがとうございました!

投稿: t-42 | 2008年8月16日 (土) 13時44分

お暑うございます.
どこかに安く売っていたら(高くはないと思いますが)是非どうぞ.

投稿: BackDoorO | 2008年8月16日 (土) 15時37分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/103105/42174749

この記事へのトラックバック一覧です: 十代の演奏,四十代の演奏:

« ブルース鑑定人 | トップページ | 十代の演奏,四十代の演奏・続き »