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2008年4月 3日 (木)

アンサー・ソングズ,その5

Don't Freeze On Me - Independent Womens BluesというCDに入っているアンサー・ソングをもう1つ.

Ella Thomas, I'm Your Part Time Love b/w Ain't That The Truth, Flag 101/102.

Flag101 I'm Your Part Time Loveはもちろんリトル・ジョニー・テイラーのPart Time Loveに対するアンサー・ソング.何回か前に書いたミティ・コリアーのものと同じ曲だ.ホーン・アレンジなどはオリジナルのPart Time Loveに大体倣ったものになっている.エラ・トーマスはウェストコーストで何枚かレコードを出している女性ブルース歌手だけれど,そこそこパンチはあるものの,それが軽いパンチで,なんかスケールが小さいような気がする.

レーベルのFlagはアル・キングが持っていたレーベルで,アル・キング自身もレコードを出している.I'm Your Part Time Loveの作者はA・スミスとクレイ・ハモンドとなっていて,A・スミスはレーベル・オウナーのアル・キングことアルヴィン・スミスだと思う.だから,ミティ・コリアーのChess盤の方はこのFlag盤のカバーだろう.Chessはときどきこんなことがあったのじゃないか.

タイニー・パウエルがウェスト・コーストの小レーベルからMy Time After Whileをローカル・ヒットさせたとき,Chessはその権利のリースを求めたが,オウナーのボブ・ゲディンズは断った,ということがあったらしい.そしたら,Chessはタイニー・パウエルのMy Time After Whileを再発するのをあきらめる代わりに,自レーベルのバディ・ガイにその曲をパウエルそっくりに録音させてレコードにしてしまった(Djedje & Meadows, California Soul, University California Pressに出てた話).これと同じように,Chessはエラ・トーマスのI'm Your Part Time Loveも出そうとして失敗したのじゃないか.それで仕方なく自レーベルのミティ・コリアーに同じ歌を録音させ,運良くヒットしたのではないかと思う.証拠のない推量だけれど.

Ain't That The TruthHoochie Coochie Manをうんと高速化したような,割と速いテンポのブルース曲で,こちらもまずまず.

ギターは評論家筋の評価が高かったギタリスト,ジョニー・ハーツマンが弾いている.昔,日本にも来たし,Alligatorからアルバムも出していたから,エラ・トーマスなんかよりずっと有名だろう.だけど,ハーツマンが大好きかと言われると,そうでもないなあ.ボブ・ゲディンズとかによく起用されたし,以前はよく絶賛されていたから優秀なのだろう.しかし,率直に言って,I'm Your Part Time Loveで聞けるハーツマンのギターが悪いということはないけれど,Part Time Loveで聞けるアーサー・ライトのギターの方がずっと好きと言うか,意味のあるギターを聞かせているように思う.それでも,このエラ・トーマスのレコード,ハーツマンの癖のあるギターがかなり聞けるから彼の支持者には満足できる盤だろう.

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