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2008年3月18日 (火)

アンサー・ソングズ,その3

メアリー・アン・マイルス,なんていっても知名度はほとんど絶無か.ウェストコーストの女性ブルース歌手で1960年代にわずかなレコードを残している.その,ほんの少しの成果の中に,1960年代ウェストコースト・ブルースの逸品があった.

Mary Ann Miles and Zeke Strong Band, I'll Be Gone (Answer To Don't Answer To The Door) Part I b/w I'll Be Gone (Answer To Don't Answer To The Door) Part II, Celeste 201.

Celeste201 副題にある通り,これはDon't Answer The Doorに対するアンサー・ソングだ.Don't Answer The Doorは,まずジミー・ジョンソンのグループが録音し,ビルボードR&Bチャートで1965年2月に16位に達するヒットになった.その後,B・B・キングがカバーして,こちらはビルボードR&Bチャートで1966年10月に2位まで上り詰める大ヒットになっている.

という訳で,Don't Answer The Doorにはジミー・ジョンソンのオリジナル版と,B・B・キングのカバー版と,2つの人気バージョンがあったことになる.メアリー・アン・マイルスのI'll Be Goneが,どちらのDon't Answer The Doorに対してアンサーを返しているかというと,ジミー・ジョンソンのオリジナル版の方.ギターのイントロをはじめ,アレンジ全体がジミー・ジョンソンのものに基づいていることでそれが分かる.ジミー・ジョンソンのバージョンで使われている男声コーラスを女性コーラスに置き換えるところなどは徹底したアンサーぶりだ.Don't Answer The Doorが「お前の妹はすごくおしゃべりだから来て欲しくない」と言えば,I'll Be Goneの方は「私の妹,めったにウチには来ない」と答える,そんな内容だ.

メアリー・アン・マイルスは,けだるい伴奏にのって,このアンサー・ソングを澄んだ,深い声で力強く歌い進めていく.素晴らしい歌唱で,音楽に引き込まれてしまう.ハンク・アレクサンダーが歌ったジミー・ジョンソンのオリジナル版をしのぐか,というような出来だ.

The Blues Discographyは1966年,ロサンゼルス録音としている.アレンジャーはCelesteレーベルのオウナーでもあるジーク・ストロングで,ジミー・ジョンソンのパクリとはいえ,手堅い伴奏を提供している.彼がアレンジしたものでは以前クライ・ベイビー・カーティスのレコードのことを書いたことがあった.ジーク・ストロングは,自己名義のレコードもあるようだが,ウェストコースト・ブルースのアレンジャーとして優秀な人のようだ.

メアリー・アン・マイルスのレコードは同じCelesteレーベルでR&Bバラッド曲が1曲に,レイ・エイジーとのデュエットがやはりCelesteレーベルに1枚あるだけ,のようだ.レイ・エイジーとのデュエットはDon't Freeze On Me - Independent Womens Blues, El Cerrito ECR01005というCDで聞ける.

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