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2008年1月 7日 (月)

ナッシュヴィル・ブルース・その1

テネシー州ナッシュヴィルのブルースやらR&Bやらは随分色々CDが出たような気がする.これはCDで出ていたっけ?

Sam Baker, Sweet Little Angel b/w Tossin' and Turnin', Athens 212.

Athens212 サム・ベイカーはSound Stage 7で沢山レコードを出している,どちらかと言えばサザン・ソウル・シンガーか.ブルースの曲もあって,HermitageのStormin' And Rainin' BluesがP-VineでCD化されたりしていた.そう言えばブルース・アンド・ソウル・レコーズ誌の最新号(No.79)を見ると,この人がCopaレーベルに録音したブルース曲がついにCD化!なんて話題もある.

Sweet Little Angelはもちろん昔からあるアレ.サム・ベイカー,高い声で粘っこくスロー・ブルースを歌っている.いかにもゴスペルが下地にあるブルース歌手という感じ.特に終盤なかなか盛り上げている.

Tossin' And Turnin'は対称的に元気いっぱいの陽気なジャンプR&B.ブルース曲のSweet Little Angelが悪い訳ではないけれど,ちょっと手垢のついた楽曲なので,このTossin' And Turnin'の方が聞き物かも.

録音は1965年,ナッシュヴィルで行われた,とされている.このセッションのパースネルがThe Blues Discography 1943-1970に載っているので,書き写しておこう.

    Sam Baker, Vocal;
    Mal McMillon, ts;
    Johnny Green, ts/bs;
    Skippy Brooks, p;
    Jimi Hendrix, gtr;
    George Yates, gtr;
    James Watkins, b;
    Freeman Brown, d.

ピアノのスキッピー・ブルックスはExcelloレーベルのナッシュヴィル録音(アーサー・ガンターとか)で割と名前を見る.DVD化されたテレビ番組The !!!! Beatでもいつもピアノの前に座っていた.

不思議にもギター燃やしちゃう人なぞも参加している.このセッションが行われたとき,ヘンドリックスは出世前だったかもしれないが,随分ローカルなセッションに顔を出したものだ.違うかもしれないが,Sweet Little Angelで聞ける少しファズの掛かったギターを弾いているのが彼だろうか?だとすれば,案外フツーのブルース・ギターを弾いている.Tossin' And Turnin'もギター・ソロが入るけれど,これはもう一人の人かな.

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コメント

>不思議にもギター燃やしちゃう人なぞも参加している.
ジミは高校時代(20年前)にモンタレーのライヴ映画を栃木から
吉祥寺まで観に行ったオオバカ者です(笑)。毎日・毎日ライヴ盤を
飽きもせず聴いてました。CD移行期だったので磨り減らず今も
聴けます。最初のウルフの曲Killing Floorから全速力!!当然当時はウルフのオリジナルは知らず、サムリンのギターも勿論良いですが、自国での凱旋ライヴ1曲目ですから気合が凄まじいです。

65年、ジミ23歳ですか。下積み時代はインチキ盤が多いので…。
リトル・リチャードにアイズリーのは間違いなく彼のようですが。
アイズリーのギターでは後の姿を垣間見せます。彼等のライヴの
前にギター弾きまくって受けまくっていたという逸話はあります。
なんせ早死にしたので彼が最終的に何を目指してしたのかは誰にも
分かりません、マイルスとの共演は決まっていたのでそちらに行ったのか、ファンク化して行く姿は容易に想像つくのですが…。
頭の回路が何か違うからなあ。

The !!!! Beatで後にジミのバンドでベースを弾くビリー・コックスが演奏しているとのことなので、何か因縁というかこの辺で
やっていたのかも?
とにかく死後出た音源はJB以上かとも思える位の数ですから
当然収集は挫折…。音源の権利が遺族に戻ったはずなのに、ライヴ
だのアウトテイクだのよく分からん会社から出てきてもう??
さすがに最近は殆ど聴かない、と言うか聞きすぎたので、もう
いいかなとも。

投稿: BBJBCD | 2008年1月 8日 (火) 20時02分

> モンタレーのライヴ映画

DVDで出たとかいうやつですか.この前,CS放送のテレビでもやっていたと思いますが.

The Blues Discographyを見ると,ブルース屋のセッションでジミ参加とされているのがサム・ベイカーともう1つありますね.ディスコグラファーは証言か,記録か,何か根拠があってそのように判断しているのだと思います.

ウチにあるレコードだとレイ・シャープのAtco盤とかにも参加しているのかなあ.

投稿: BackDoorO | 2008年1月 8日 (火) 22時51分

モンタレーのライヴ映画、昨年出たDVDとは微妙に違いがあります
内容は画質がリマスターで音源は5.1DTSも有りなので久々に
購入。確かに当時のジミのエンジニアがマスタリングしていて
良いです。この時のライヴは名演ですね。ギター燃やしばかりが
取りざたされるのが残念…。

>ウチにあるレコードだとレイ・シャープのAtco盤とかにも参加しているのかなあ.
88年のレコードコレクターズ誌のジミの特集で高地明氏からの
情報ということで出てます。
レイ・シャープの未レコード化録音にとありまして

Lida Lou、 I Can't Take It、 Baby How About You

メンバー
レイ・シャープ(VO) キング・カーティス(ts)
ジミとコーネル・デュプリー(g) チャック・レイニー(b)
バーナド・パーディ Ray Luoas(ds)
66年4月28日ニューヨーク録音となっていますが、この音源は
アトランティックの倉庫の火災で無くなったとジミ関係の本で
読んだ記憶があるのですが?
この他にも同時期のセッションに参加してレコード化されている
のでしょうか?

投稿: BBJBCD | 2008年1月 9日 (水) 00時49分

レイ・シャープのAtco盤というのは2枚あって,ジミ参加,と何かで読んだ記憶があります.

Ray Sharpe, Help Me (Get The Feeling) Pt.1 b/w Help Me (Get The Feeling) Pt.2, Atco 6402.
Ray Sharpe, I Can't Take It b/w Mary Jane, Atco 6437.

私が持っているのは6437ですが,別に特にギターがどうの,ということもありません.もっともキング・カーティスの制作ですから,ジミが参加していてもおかしくはありません.6402は65年,6437は66年に出たようですから録音は65年頃でしょう.

投稿: BackDoorO | 2008年1月 9日 (水) 20時06分

ジミの詳しい伝記を久しぶりに読んだら、この頃の事もちゃんと
出てました。66年6ヶ月に渡りジミはキング・カーティスとの
セッションをしたりパフォーマンスをしたりした。場所は殆ど
ニューヨクシティ近郊。
Ray Sharpe, Help Me 、66年初期発売、66年1月21日録音
音楽的にはヴァン、モリソンがいたゼムの「グロリア」に
似ていると書いてあり、この曲はジミ参加としてに伝記には
掲載されています。

パーディの記憶では「何でも知っていて、だから楽だった。
覚えがすごい早かった」「すらすらと曲を覚えるような奴は
俺は今までに一度も見たことがなかった」

自由にジャムはやらせてもらえず、突然おさらばしたようです。
まあ、完全にセッションマンとしての参加であったようです。

ジミの死後、当時居たバンドのレコードがジミ参加という事で
山のように出て、それが混乱の原因の一つになっています。
また、録音しないでくれと頼んだのに、勝手にジャムが録音され
発売されて、ジミはかなり頭にきていたそうです。
ジャケを替え、曲のタイトルを替えたりとあくどい商売。
致命的なのはこの時に契約書にサインしてしまって、ビリー・
コックスとバディ・マイルスとバンド・オブ・ジプシーズを
結成してライヴ盤を造り、それで契約を解消してしまおうという
事態になったようです。黒人3人組で何か新しい方向に行こうと
しましたが、結局長続きもせず、その後急死となりました。

天才だったとは思いますが、はにかみやで、嫌とは言えない性格が
マネージャーや群がる連中に潰されたともいえる感じです。
特にジミは時間を気にせず録音したかったので、スタジオ製作の
為にとツアーを重ね、やっと出来上がり、いざ録音開始しようと
したら…。皮肉なもんです。
因みに、強引に働かせたマネージャーは飛行機事故で死亡、いや
金を持って逃げたという噂もあるそうで、とにかくあくどい奴
だったようです。

投稿: BBJBCD | 2008年1月10日 (木) 03時46分

いろいろありがとうございます.

> ゼムの「グロリア」に似ている

うわ,そりゃ入手する必要なさそう.まあ,買うに買えないかもしれませんが.

レイ・シャープ,最近の演奏写真を某サイトで見ましたが,Bear Family盤に入っているもの以外は,めぼしいシングルはなさそうですね.

投稿: BackDoorO | 2008年1月10日 (木) 20時15分

この頃は単に仕事ですからね、ファンとしても興味はあまり。
ブートとかで出ているかも?まあ資料ですね。

アルバート・キングが遺作になったアルバムで「レッド・ハウス」をカバーしていますが、何か別の曲になっていたような(笑)。
アルバートとは左ききで手が大きいという似た所もあって、打ち解けたようです。共演したらレイヴォーンみたいな音か(笑)。

レイ・シャープはどんな感じの歌手なんでしょうか?この頃の
アトランティック・サウンドで面子が面子なんでそこそこの
シンガーなんですか?
Bear Family盤、ここはすごい所まで探してきますからねえ。
しかし、まだ歌っているとは!
このサイトに掲載されている人なんですか?
http://www.k3.dion.ne.jp/~ktate/Blues/Whos_who/Whos_who_re.htm

投稿: BBJBCD | 2008年1月10日 (木) 23時04分

レイ・シャープってのは「テキサスのチャック・ベリー」だと考えればオッケーです.まあ,もちろん彼独自のものは持っています.覚えやすいリフに乗って,軽快にブルースとロケンロールの中間を歌って,ギターを弾きます.得意のパターンにはまると,そりゃもうカッコいい,という人です.問題は,何だか息継ぎの短いような歌い方なので,アップテンポ以外の曲は不得意で,ワンパターンになりがちなことです.

これは2007年5月の写真だそうですが,見事な不良ジジイです.
http://www.geocities.com/bluesdfw/4940.jpg

1980年頃にFlying Fishから少なくとも2枚アルバムを出していて,多分CDでも買えると思いますが,それが結構良くて関心を持つようになりました.

看板曲はLinda Louといって,どこかで試聴でもできたら聞いてみて下さい.

投稿: BackDoorO | 2008年1月10日 (木) 23時54分

なるほどわかり易い例えですね。
ベリーの早口な歌い方は彼独自の物ですからね。ビジネスに
徹底した性格もすごいそうですが(笑)。時間が来たから
アンプからギターを引き抜いてさっさと帰る。ギャラの分
だけしか仕事をしない。ストーンズのキースなんか、相手にも
しないあの凄まじいエゴはJB以上かもしれないですね。

しかし、この世代はしぶとい人はしぶといですね。
BBはいつまでライヴをこなす気なのか?今でも1ヶ月10日
以上こなすのは怖い。

投稿: BBJBCD | 2008年1月11日 (金) 21時59分

話が逸れましたが,ナッシュヴィルのブルース,もう何回かやります.

投稿: BackDoorO | 2008年1月12日 (土) 09時33分

Linda Lou、一昨年の映像ありました。確かに元気で受けそうな曲
です。本人も元気ですな確かに。このリフ一発勝負も清い。

http://jp.youtube.com/watch?v=Y78Lw4-gsGg

ジミの伝記がP-VINEで出たんで買って読みました。幼いころの
親子関係がかなり滅茶苦茶で、性格が内気になった訳も良く分かる。
親戚や近所頼みの両親、やたら兄弟が多いので版権の扱いも
ややこしいこと。裁判だらけでもう何がなんだか。
音楽面での分析は以前の上下2巻の伝記には敵わないですが
インタビューは確かに貴重かも、でも時間経っているし、美化
されているかもしれんけど、これは伝記の宿命ですから。
ナッシュヴィル辺りで仕事をしていたのも分かるし、セッションの
最後の仕事はピケットのパーティのバック、写真があるのには
驚いたけど、アトコに関係していやのもこれでよく分かります。

そんなもんで久しぶりに1枚目のアルバム聴いたけど、やっぱ
頭の中はよく分からん(笑)。エルビン・ジョーンズ風のドラマー
にフィードバックしまくりギター、あの独特の歌とSF風な詩が
絡んでいてやはり変な人。
クラプトン曰く「アシッドをきめたバディ・ガイ」うーん、
バディはここまで飛んでいけんでしょ。やはり環境と世代がかなり違う
もんなあ。影響は受けているのは確かですけど。
66年のイギリスに渡ったから出来た、バディはシカゴの範疇で
しか動けない。ライヴで幾ら派手にやってもそれ以上は突き抜け
ていけない。
結局、ジュニアのバックの絶妙な絡みが一番かなあ。

投稿: BBJBCD | 2008年1月13日 (日) 06時17分

お,YouTubeに上がっていましたか.エゲレスですね,これは.そのうち日本国にも来るかもわかりませんね.

> ナッシュヴィル辺りで仕事をしていた

伝記本,ここいらはちょっと気になりますね.買うつもりはないけれど,立ち読みはしてみようかと思います.

近頃はミュージシャンに関する本も色々出るようになって,日本語で読めるものはよくよく人気者のものに限られるけれど,良いことです.

投稿: BackDoorO | 2008年1月13日 (日) 20時02分

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