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2007年12月29日 (土)

このあたりでチェス・その13

古今東西,誰の何の曲が一番好きか,なんて誰かに聞かれたら,そんときの気分,相手の顔色,等々でその都度違う返事になる.サン・ハウスのPreachin' The Bluesと答えるかもしれないし,リトル・ジョニー・テイラーのPart Time Loveと答えるかもしれないし,B・B・キングのYou Shouldn't Have Leftか何かかもしれないし, Elmore JamesのSomething Inside Me,ルディ・フォスターのBlack Gal Makes Thunder,ロバート・ジョンソンのTraveling Riverside Blues,...うーむ,答えの候補は色々有り過ぎだな.でも,選ぶ確率が一番高いのはサニー・ボーイ・ウィリアムソン・No.2のImaginationだ.

Sonny Boy Williamson, Imagination b/w Let Me Explain, Checker 834.

Checker834 両面ともサニー・ボーイがCheckerに録音するようになって2回目のセッションで録音されたもので,そのセッションは1956年1月24日に行われている.サニー・ボーイのチェッカー録音はどのセッションも極めて質が高く,凡作を見付けるのは困難だ.しかし,それにしても,この1956年1月24日のセッションで録音された5曲の良さといったら...どうにも言いようがない.Checkerからシングル盤で発売されたのは上記の1枚,2曲だけなのだが,お蔵入りした残りの3曲だってちょっとすごい.スローのDon't Lose Your Eyeとか,ミディアム・テンポのI Wonder Whyとか,能の無い言い方だが,素晴らしいとしか言葉が見付からない.後者は途中でテープが無くなって切れてしまうのだが,もし最後まで録音されていて,それを聞かされていたら,音楽のあまりの魅力に失神してしまうかもしれない.

シングル盤で発売された2曲も本当に傑作だ.ウチにある盤は,レーベル・スキャンを御覧になれば分かる通り,オリジナル・プレスではなく,青いレーベルの再発盤だ.1956年のオリジナル盤だと栗色のレーベルだろう.でも,そんなの関係ねえ!と盤に記録されている情報の量と質からすれば言ってしまう.

もう,さんざん聴いた曲だから,Imaginationを今更聞き返すことは少なくなったけれど,盤に針を降ろせば,歌の力とハーモニカ演奏の奥深さが一体となった音楽に,やはり特別なものを感じずにはいられない.第2ヴァースの,

  ♪あまり愛しているものだから,

と歌って,ほんの少しだけ,絶妙の間をおいて,

  夜も眠れない

と一気に歌ったかと思うと,爆発するような勢いでハーモニカで合の手を入れ,今度は間をおかずに,

  あまり愛しているものだから,夜も眠れない

と繰り返すとこなんかは,本当に堪らない.もっとも,こう文章に書いても間抜けなだけで,その良さは伝わらないが.

伴奏者の方も,いまさら何をか言わんや.この人たちも他のセッション以上に気合いが入っているように聞こえる.どのパートがどう,とも言えないほどバンド全体が整っているが,とくにフレッド・ビロウのドラムとロバート・ロックウッドのギターは快演だろう.

両面とも,もちろん色々なLP,CDでリイシューされている.

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コメント

チェスのSonny Boyはほんとに素晴らしいですね。トラペット・レーベルのも好きですが。

Imaginationですが、これは「チェスのオリジナル・アルバム」では最も注目されていないと思われる「Bummer Road」収録ですね。私はMCAの二枚組The Essential Sonny Boy Williamsonを愛聴してるのでそっちでよく耳にします。

2007は今回のSonny Boyで書き収めでしょうか?来年も楽しみに読ませて頂きます!

投稿: 輪高マリ | 2007年12月30日 (日) 09時22分

そういえば、「B・B・キングのYou Should'nt Have Left」って聴いたことが無いと思うのですが、何に収録されていますか?

投稿: 輪高 | 2007年12月30日 (日) 09時32分

どうも御愛読ありがとうございました.よいお年をお迎え下さい.

> B・B・キングの...

もともとThe Soul of B.B. King (Crown LP5359)に入っていた曲で,同名のCD,P-Vine PCD-3848とか,UK AceのB.B. King, CDCHM 986なんかに入っています.

# Should'ntじゃなくShouldn'tだった.こっそり直しておこう.

そのYou Shouldn't Have Leftですが,Sweet 16と同セッションのものと思われ,Sweet 16もヒズ・ベストに近いけれど,もっと煮詰めたような...って感じです.


投稿: BackDoorO | 2007年12月30日 (日) 11時23分

サニー・ボーイはシングル全部集めてやろうと
頑張ってたこともありましたが、
全部手放してしまい、今はCDで聴いてます。
昔、CHARLY が出した"THE CHESS YEARS"
という4枚組が愛聴盤となってます。
ほんとにどの曲聴いてもサイコーです!

来年もよろしく!

投稿: t-42 | 2007年12月30日 (日) 17時24分

> サニー・ボーイはシングル全部集めてやろう...全部手放してしまい

おおお,それは壮大な計画だったのに,惜しいことをしました.
サニー・ボーイのChess録音,本当にブルースの古典だと思っています.

では,よいお年を.

投稿: BackDoorO | 2007年12月30日 (日) 19時56分

JBを全部シングルで集めてやるぞ!はとっくに諦めました(笑)。
BBなんか最初から無理なので…。せめてお二人ともアルバムは
と思ってますが、まだまだ道は長すぎます…。
あ、ブランドも居た!もうこの3人だけで無理ですね(笑)。

サニー・ボーイですか、まだ1枚しかアルバム持ってないです…。
ああ、道のりは長いですね。

これからもご指導宜しくお願いします。

投稿: BBJBCD | 2007年12月31日 (月) 06時19分

> せめてお二人ともアルバムはと思ってますが、

うわ,アルバムでもそりゃ大変そうですね.数が多いですからねえ.目標達成したら,ぜひ,どこかで成果を発表して下さい.

> これからもご指導宜しくお願いします。

何をおっしゃいますやら.こちらこそよろしく.

投稿: BackDoorO | 2007年12月31日 (月) 10時24分

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