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2007年6月19日 (火)

突然のピードモント・スタイル

前回はバスター・ブラウンのことを書いて,で,伴奏のチャールズ・ルーカスというのは,ザ・チャーリー・ルーカス・コンボといってレコードを出したのと同じ人ではないか,と書いた.そのザ・チャーリー・ルーカス・コンボ,自分の持ってるCDに入ってた.Harlem Rock'n'Blues Vol.3 (Collectables CD-5210)に入っているWalkin'というのがそれだ(CDではチャールズ・ルーカス・コンボとなっている).これが,終始歯切れの良いギターがリードをとっていて,割とカッコイイR&Bインストルメンタル曲.へえ,こんな人だったんだ.もっとも,先のバスター・ブラウンのレコードとの関連性は,聞いた感じでは良く分からない.

さて,バスター・ブラウンは1911年生まれで,出身地はジョージア州のCordeleというところだそうだ.そのCordeleをまっつぐ北上していくと,ブラウンがかつてフェスティヴァルに参加し,初録音を体験したFort Valleyなんて所もあるが,それを通り過ぎて,さらに北へ行くとMaconに至る.距離は結構有って,100kmくらいか.次のレコードを作ったのは,そのメイコンの出身者で,バスター・ブラウンより20以上も年下のブルースマンなのだが,聞いているとどちらが年上なんだか分からなくなる.

McKinley James, Tuskegee Boogie b/w Ain't Gonna Pick No Cotton, Macon 101.

Macon101 ジェイムズ自身の歌,ギター,ホルダーを使ったハーモニカ,ベースという編成で録音されたこのレコード,1966年にジョージア州のColumbusで作られたものだそうだ.

Tuskegee Boogieはスライド・ギターを使った,エルモア・ジェイムズのDust My Broom風イントロで始まるブルース曲.テンポはDust My Broomなんかよりずっとのんびりしていて,歌が始まるとジミー・リードっぽくも聞こえる.歌,演奏ともに,上手いとは言えないが,とりあえずロウダウンな雰囲気で和む.この曲,Collectables CD-5254に入っているそうだが,そんなCDが出ていたか.

聞き物はAin't Gonna Pick No Cottonの方.これが,フィンガー・ピッキング・ギターにのった軽快な曲調で,明らかに南東部の,いわゆるピードモント・スタイルになっている.ホルダーを使ったハーモニカはどうってことないけれど,ギターは心地よいし,歌がまた渋い声でなかなか良い.南東部のカントリー・ブルースの魅力が十分味わえる曲になっている.歌の文句も「綿を摘むのも,袋を引き摺るのもまっぴら...」とカントリー・ブルース丸出しの内容.ピードモント・スタイルのアコースティック・ブルースは今だって続いているけれど,1960年代にシングル盤として発売されたブルースとしてはかなり異色のスタイルだろう.

マッキンリー・ジェイムズのことは,ブルース・ベイスティンによる南東部カントリー・ブルースに関する研究書,Red River Bluesにある程度書かれている.1935年7月生まれで,生まれたのはジョージア州のメイコンだが,育ったのはアラバマ州のメイコン郡(ややこしいな)で,そこで音楽を覚えたようだ.Tuskegeeはメイコン郡の地名だ.同書には生涯教育プログラムの卒業パーティーで演奏し,教員が聞いたのが録音のきっかけになった,というようなことが書かれている.多分,その後はレコードを作っていないと思う.

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