2018年1月14日 (日)

ソウル・ブルース(1)

1月8日,サザン・ソウル・シンガー,デニス・ラサールが亡くなったそうだ.

Denise LaSalle,The Queen Of The Blues, Has Passed Away

そういうわけで,彼女がブルースを歌った日本盤のシングル.

Denise LaSalle, My Toot Toot b/w Give Me Yo Most Strongest Whisky, CBS Sony (J)/Malaco 07SP911.

Lasalletoottoot_cover 1985年というから,今から30年以上も前のことだ.どうしてそうなったのか分からないけれど,ロッキン・シドニーが録音した素朴なザディコ・ナンバー,My Toot Tootが意外なブームをまきおこした.ロッキン・シドニーのこの曲,カントリーのトップ40ヒットになって,18週の間チャートに留まった,というだけでも快挙とも珍事とも言えるだろう.シドニーは,この曲で1986年にグラミー賞(最優秀エスニック/伝統的フォークレコーディング部門)まで受賞している.

このMy Toot Tootをソウル・シンガーのジーン・ナイトがカバーすると,ビルボードのポップ・チャートで50位,R&Bチャートでも59位に入るヒットになった.続いてデニス・ラサールもカバーすると,米国内のR&Bチャートの順位は下位に留まったけれど,英国等ヨーロッパでは大ヒットになったそうだ.そうして国際的流行歌になったものだから,日本でもこうやってシングル盤が発売されることになったのだろう.

カバー・バージョンは他にもあって,ファッツ・ドミノやロック歌手ジョン・フォガティも録音しているそうだ.

Cbssony07sp911 ラサール版のMy Toot Toot,アコーディオン(まさかシンセ?)もちゃんと入るけれど,大きな会社の音というのか,ローカル色は少々薄れ気味.それでも,楽しくてクセになる.

Give Me Yo Strongest Whiskeyの方はソウル・ブルースの快作.ミディアム・テンポの曲を,豪快に,情感も豊かに歌っていてとても良い作品だと思っている.彼女の歌というと,Trapped By A Thing Called Loveみたいなのが有名なのは承知しているけれど,このブルース・シンガーっぷりもまた良いではないか.


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2018年1月 7日 (日)

5年ぶりに

もう1つブログを開設していて,5年位放置していた.

それで,久しぶりに(雑な?)記事を書いた.

ピアノ・ブルース,最古の録音(1)
ピアノ・ブルース,最古の録音(2)
ピアノ・ブルース,最古の録音(3)
ピアノ・ブルース,最古の録音(4)
ピアノ・ブルース,最古の録音(5)

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2018年1月 3日 (水)

作業完了

休みだったのでインデックス・ページを更新.大変だった.

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2017年12月24日 (日)

年末になったので(3)

これもルイジアナ州だけれど,ニューオーリンズのソウル・シンガー.

Johnny Adams, Please Come Home For Christmas b/w I Only Want To Be With You, Hep' Me 138.

Hepme138 Please Come Home For Christmasは,チャールズ・ブラウンが1960年のクリスマスにヒットさせたブルース・バラッド.ビルボードのR&Bチャートでは最高位21位,ポップ・チャートでは最高位76位になっている.よくカバーされる曲で,当ブログでも,以前にデイヴィッド・ディーとかリトル・ジョニー・テイラーとかのバージョンをやった.

この,ジョニー・アダムズのPlease Come Home For Christmas,素晴らしいと思う.歌の上手さがもう抜群だもの.無理なくスムースに,自在に声をコントロールする.1970年代のものだけれど,オリジナルからさほど外れないアレンジをワーデル・カゼア(ケゼルグ)がしている.

I Only Want To Be With Youはソウル・バラッドを歌っているけれど,まあまあ.ジョニー・アダムズならもっと凄いのを期待するので,

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2017年12月17日 (日)

年末になったので(2)

こんどはルイジアナ州クロウリー産のクリスマス・ソング.

Joe Jonson, Santa Bring My Baby Back b/w Dirty Woman Blues, A-Bet 9417.

Abet9417 ジョー・ジョンソンとは平凡な名前のようだが,優秀な歌い手だと思っている.昔,英国Flyrightレーベルから出ていたThe Legendary Jay Miller SssionsシリーズのLP,第2集のGonna Head For Home (Flyright LP517)にAlimonia Bluesというのが入っていて,これが良かった.声質としては特に優れてはいないのだけれど,歌いっぷりはすばらしい.歌に関しては大車輪の活躍だろ,これ.ルイジアナのブルース歌手としては,ややゴスペル・ブルース寄りな人のように聞こえる.この曲の伴奏はレイジー・レスターのハーモニカなどが入って,ジェイ・ミラーのブルース・セッションらしいものだったが,ホーンでも入れた方が合いそうな歌い方でもある.

このA-Bet盤は1966年の録音で,The Blues Discography 1943-1970はAlimonia Bluesより前のものとしている.

クリスマスもののSanta Bring My Baby Backはブルース・バラッド.クリスマスもので言えば,Please Come Home For Christmasとか,そういう形式のものだが,ソウル時代が到来しつつあることも感じさせるもの.切々と歌われ,ジョンソンの持ち味に合っている.

Dirty Woman Bluesはストレートなスロー・ブルース.Alimonia Bluesほどではないけれど,歌の上手さはあって,ナイス.

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2017年12月10日 (日)

年末になったので(1)

クリスマス関係のシカゴ・ブルースを.

Eddie C. Campbell, Santa's Messin' With The Kid b/w King Of The Jungle, Rooster Blues 46.

Rooster46 これはLPからのカット.King Of The Jungle, Rooster Blues R7602,というのがそのLPだけれども,これはMr. Blues 7602という1977年のLPを,1986年になって再発したものだった.

Santa's Messin' With The Kidは,ジュニア・ウェルズのMessin' With The Kidをクリスマス向けに替え歌にしたのだろう.しかし,がらっと曲調を変えて,ミディアム・テンポの心地よいシャッフルになっている.LPに入っているものと演奏は同じだが,RoosterのLPではセンター付近に定位するハーモニカが,シングル盤では右側に定位したり,ミキシングはかなり変わっていて,LPの方が賑やかに聞こえる.

ラファイエット・リークのピアノとか,クリフトン・ジェイムズのドラムとか,手堅いメンバーで固められているけれど,抜群なのはキャリー・ベルのハーモニカ.間奏でギター・ソロが終わって,ハーモニカ・ソロが始まると,待ってました!,と言いそうになる.この頃のキャリー・ベルは本当に冴えていた.

キャンベルの歌とギターは,強力でもないけれど,味はある.よくあるシカゴ・スタイルのLP用録音ではあるけれど,ナイス・クリスマス・ブルース.

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2017年12月 3日 (日)

変化の10年

これもジョージ・リーナーのレーベルから出たレコード.

Harmonica George, Get Some Order (About Yourself) b/w Get In The Kitchen And Burn, Toddlin' Town 106.

Toddlintown106 これは今から三十何年か前,東京都内のレコード屋で入手したもの.その当時は,それほど好きということもなくて,あまり聞かなかった方だ.今,色々なファンク・ブルースに親しんだ耳で聞けば,なかなか上手く出来た作品のように聞こえる.

Get Some Orderはせわしないような感じのファンク・ブルース.2ヴァース歌って,生ハーモニカのソロがあって,また歌って,という構成.エネルギーの高い演奏だし,ラフな声の無骨な歌,ハーモニカ共に合格点は付く.

Get In The Kitchen And Burnの方は,ほぼハーモニカ・ソロの,速いテンポのインストゥルメンタル.ファンクという感じではないけれど,ベースなどは古典的なシカゴ・ブルースとは違う.驚くような技が飛び出すのではないけれど,ハーモニカは切れ味良く,まあオッケー.

The Blues Discography 1943-1970によると1969年の録音で,ギターがレジー・ボイドとシル・ジョンソン,他のメンバーは分からない.Get In The Kitchen And Burnでギターの短いソロが入るけれど,シル・ジョンソンかな.

ハーモニカ・ジョージことジョージ・ロビンソンというこの人,1934年6月生まれ,1997年3月に亡くなっているそうだ.DelmarkのLP,Chicago, Ain't Nothin' But A Blues Band, Delmark DL624には1959年のAtomic H録音が入っていた.聞き比べれば,10年でずいぶん変わるもんだな,となる.その後Twinight,Shama,Full Scopeと,少しずつレコードを残している.

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2017年11月26日 (日)

手掛かりはなし

ジョージ・リーナ―のレーベルから出たこれ,何者なのか分からない.

Mississippi Joe, The Funky Blues b/w Soul Power, Midas 9010.

Midas9010 The Funky Bluesというのが,スローのインストゥルメンタル・ブルース.ハーモニカ,ハンドクラップなど入り,リラックスした演奏.1970年前後の録音だろうけれど,そのわりには古風なスタイル.ハーモニカとか締りなく吹いていて,本職の人とも思えない.全体に演奏のどこが優れているということはないのだけれど,それでも雰囲気は良い.ぼーっと気楽に聞いていれば和める.

Soul Powerの方は,まあ,ソウル・インストゥルメンタルでいいんですかね.誰もソロとかやらずに終わるんだけれど,これでよいのかなあ.

ミシシッピ・ジョーとは誰なんだろうか.普段はどういう音楽を演奏していたのだろう.レーベルの所在地はシカゴだから,シカゴで何かのバンドをやっていたのか?リーナ―のレーベルは,ファイヴ・ドゥ・トーンズやらベニー・シャープやらステイシー・ジョンソンやらのようにセントルイスとのコネもあったし,インディアナ州ゲイリーのアーティストも録音したから,シカゴ市民と決まったものでもない.

両面ともインストゥルメンタルなのだから,ミシシッピ・ジョーも何か楽器をやっていたと思うが,何を演奏していたのか分からない.曲の作者はP. Jamesとなっていて,P. James Productionという表記もあるから,このジェイムズという人がカギだけれど,やはり誰だか分からない.

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2017年11月19日 (日)

さらば,名歌手

アナログの7インチ盤で流行歌を売っていた頃といえば,ずいぶん昔の話で,ひとりでに,そういう7インチ盤を作っていたアーティストの訃報を始終見ることになる.この一年ほどの間,ずいぶん色々な人が亡くなってしまった.

それにしても,どんな大物の訃報よりも,ネットで見つけたこの死亡記事にがっくりきた.

Stacy Johnson, Singer with Ike Turner and Benny Sharp and the Sharpees, Has Died

あわわわ,ステイシー・ジョンソン,今年の5月に死んでたのか!なんてこった.

ステイシー・ジョンソン,そりゃあすごい歌手だったのだけれど,録音は少なかったなあ.あれだけの才能だから,いつかはアルバムの1枚くらいは作るだろう,とずっと思っていた.ところが,どうも,アルバムらしいものを作ったという情報がない.ひょっとして,1988年のジョニー・ジョンソンのBlue Hand Johnnie(Pulsar LP1002/Evidence CD26017-2)の2曲で歌ってから,2017年に亡くなるまでの29年間,全然録音なしか?そうだとすれば,この実力者に対しあまりに不当な扱いだったのではないかね.

ジョニー・ジョンソンのアルバムで,ステイシー・ジョンソンが参加したトラックの1つは,ローウェル・フルソンのTalkin' Womanだけれど,その力強い歌を聞くと,こんな歌手はめったにいない,と改めて思う.その後,ろくに録音を残さず亡くなったのはブルース/ソウル界の大損失といわなければならない.同じアルバムで,バーバラ・カーも歌っているが,彼女の方は量,質ともかなりの録音を残したのに,どうしてこうなった?

Stacy Johnson, I Stand Alone b/w Don't Try To Fool Me, M-Pac! 7230.

Mpac7230 シカゴのジョージ・リーナ―のレーベルからのもので,鈴木啓志,Soul City USA − 無冠のソウル・スター列伝,(リトル・モア,2000年)によると,1966年の録音とのことだ.レーベルには1963年1月14日のコピーライト表示があるが,これはロゴ・デザインの著作権か何かだろう.ステイシー・ジョンソンは,セントルイスのギタリスト,ベニー・シャープのグループ,ザ・シャーピーズのメンバーだったということだが,ベニー・シャープやザ・シャーピーズもジョージ・リーナ―のレーベルでレコードを出しているし,彼らとセットで録音機会を獲得したのだろうか.

I Stand Aloneの方は,昔,Chi-Town Blues & Soul, P-Vine PLP-9005/6というLPでも出たことがある.音楽の方は両面ともジャンプR&Bか初期のソウル,という曲.I Stand AloneでもDon't Try To Fool Meでも,瞬間的な爆発力のようなものが非凡だと思う.

ステイシー・ジョンソンが残した録音については,鈴木啓志さんの前掲書で丹念に追跡されているが,全部かき集めてもたいした数ではなさそうだ.元気な頃には,セントルイスのクラブとかで,どんなふうに歌っていたのだろう.それにしても,あの世に持って行ったものが大きすぎるよ,ジョンソンさん.

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2017年11月12日 (日)

ニューオーリンズらしく

デイヴ・ディクソンをもう一つ.

Dave Dixon, I'm Not Satisfied b/w Feeling So Low, Ace 519.

Ace519 これは1956年5月の録音で,ディクソンがヒューイ・スミスのザ・クラウンズにもう参加した頃のもの.前回のSavoy盤と比べると,こちらはずっとニューオリンズR&Bらしさが濃厚で,うっかりすれば別人かと思うくらい.

Feeling So Lowは速めのテンポの,快活なブルースかR&Bか,という曲.気持ちの良い伴奏をバックに豪放に歌い飛ばす.伴奏陣は,テナー・サックスがリー・アレン,バリトン・サックスがアルヴィン・レッド・タイラー,ギターがジャスティン・アダムズ,ベースがローランド・クック,ドラムがアール・パーマー,ということで,メンバーは精鋭が揃っている.リー・アレンのソロもナイス.

I'm Not Satisfiedの方は,ゆったり,まったりとしたニューオリンズR&Bバラッド.ディクソンは伸びやかな声を張り上げ,情感豊かに歌っていて,良い出来だと思う.

Aceの録音は,英国Westsideレーベルがリイシューしていたが,このレコードも同レーベルでCD化されていたようだ.

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